これまでに仕事などで汗をかいたときに、「汗で服に塩をふく」ような跡がついてしまった経験はありませんか?
夏は他の季節と違って大量の汗をかきますが、できれば、そのような汗じみは作りたくないものですよね。
そこで、この記事では服に塩がふいてしまう原因をさぐり、洗濯方法などの対策をご紹介していきます。
汗をかいたシャツが塩をふく?汗の種類に注目
仕事で疲れて帰ったとき、シャツをみたら塩がふいているような経験をしたことはありませんか?
シャツに塩がふいてしまうと、洗濯するのはなかなか大変ですよね。
この衣服にふいた塩は何なのかというと「体からでた塩」です。
「なぜ塩がでてくるか」というと、その人がかいた汗の種類に深いかかわりがありますので、以下にご説明します。
まず、汗は皮膚にある汗腺で作られています。
そして、汗には2種類あり、いわゆる良い汗と悪い汗とに分けることができます。
まず、良い汗は、汗をかく機能が正常な人がかきやすい汗で、汗の成分のほとんどが水分です。
一方、悪い汗は、塩分など体に必要なミネラルが汗と一緒に汗腺から流れ出てしまっています。
この違いは汗の質感でもわかるもので、良い汗をかいている人がサラサラの汗をかくのに対して、悪い汗をかいている人は汗にミネラルが多く含まれているために、ベトベトしたような感触の汗をかいてしまいます。
なぜ悪い汗にミネラルが混ざりこんでいるかというと、汗腺の機能が衰えてしまい、本来汗腺で吸収されるはずのミネラルがそのまま排出されてしまうからです。
シャツが塩をふく人は、この悪い汗をかいている可能性が高いと言えます。
悪い汗じゃなくても塩をふく!原因は?
前項では、良い汗と悪い汗の違いについてお話をしました。
悪い汗をかくことによって、服が塩をふいてしまうことがあるとお分かりいただけたと思います。
しかし、悪い汗をかいていなくても、服が塩をふくような場合があります。
それは、「汗をかくスピードが早い」場合です。
例えば、運動をしているとき、急激に大量の汗をかいてしまうことがあると思います。
そうすると汗腺の働きが追いつかなくなってしまい、汗腺でうまくミネラルを吸収することができなくなってしまうため、塩分などのミネラルが汗と一緒に出てきてしまうのです。
この場合は汗腺の働きが発汗速度に追いついていないだけで、汗腺が衰えているわけではありませんから、心配する必要はありません。
良い汗をかいていても塩をふくことがあるとなると、運動で大量に汗をかいた際には、洗濯前によく服を確認する必要がありそうです。
塩をふくほど汗をかいた服!洗濯方法は?
「塩をふくほど汗をかいた服をどのように洗濯すればいいのか?」と困っている方のために、この項では汗まみれになった服の洗濯方法をご紹介していきます。
初めに、服を洗濯機でそのまま洗っても落ちない可能性が高いので、先に手洗いで落ちるかどうかを試してみましょう。
まず、汗で塩をふいている服を大きめのプラスチック容器などに入れて、塩を服から水に溶かします。
次に、塩をふいているところに洗剤をつけ、手で落としていきます。
もし落ちない場合は、ブラシなどで塩をふいている部分をこすってみましょう。
塩染みがキレイに落とせたら、すすぎをしっかりして、他の洗濯物と一緒にもう一度洗濯機で洗ってください。
ただし、ブラシなどでこすっても落ちない場合は、無理して落とそうとせず、クリーニングで相談することをおすすめします。
染み抜きクリーニングは、別途料金がかかる場合がありますので、値段をよく確認してください。
塩をふくほど汗をかいた服は、放っておくと汚れが落としづらくなり、服を傷めることになってしまいますので、塩染みをみつけたら、なるべくすぐに対処しましょう。
洗濯に困る悪い汗!改善が期待できるお風呂の入り方
悪い汗をかく人は、汗腺の機能が衰えているというお話をしました。
ですから、汗腺の機能を元に戻すために、お風呂の入り方を工夫してみましょう。
〇手脚浴
脳から遠くにある手脚は、汗腺の機能が衰えやすいです。
衰えた手足の汗腺の機能を回復させるために、手脚だけを43度前後の熱めのお湯に10~15分くらい入れます。
お湯が高温のため、交感神経への効果も期待できます。
〇半身浴
手脚浴を行った後には、半身浴をするのがおすすめです。
手脚浴から続けて行う場合は、お湯の温度調整を行ってください。
発汗機能を高めるために、上半身はお湯から出して、下半身だけをぬるめのお湯に10~15分つかります。
半身浴は体の中をゆっくりと温めることができるので、上半身から良い汗をかけるはずです。
また、お湯が低温のため、副交感神経に働きかけることから、自律神経への効果も期待できます。
塩をふくような悪い汗をかいて、洗濯の手間がかからないよう、手脚浴・半身浴を実践してみてください。
塩をふく汗の改善が期待できる軽い運動
汗腺の機能を元に戻すためには、軽い運動を取り入れることがおすすめです。
ウォーキングやサイクリングのような軽い運動は、無理なく有酸素運動が行えて、体の末端の血液の流れが良くなることに効果が期待できますよ。
運動の程度は、汗が少しずつ出るよう行いましょう。
くれぐれも、汗がだらだら出るような状態での運動は避けてください。
なぜなら、大量の汗を一度にかくことになり、塩をふくような汗をかいてしまうかもしれないからです。
あくまでも無理のない程度に行いましょう。
しかし、仕事で疲れている場合などは、ウォーキングでさえ、つらいときがあるかもしれません。
そのような場合は、ストレッチをするだけでも血流改善の効果が期待できます。
軽い運動であっても、汗を自然にかける状態であればいいのです。
このような軽い運動であれば、塩をふくほど汗をかく心配はなく、洗濯も楽に済みますね。
普段の生活習慣の見直しを!汗染みによる洗濯の手間を防ごう
塩をふくような汗染みによる洗濯の手間を防ぐためには、普段の生活習慣を見直すことも大事です。
前項で、手脚浴や半身浴で発汗機能を回復させる方法をご紹介しましたが、入浴後にも注意してほしいことがあります。
夏の暑いとき、お風呂で入浴した後にエアコンが効いた部屋に行くと、汗がすっと引いて気持ちがいいですよね。
しかし、この習慣は汗腺に負荷を掛けてしまう良くないと言える習慣です。
なぜなら、お風呂で温まることによって開いた汗腺をすぐに閉じてしまい、良い汗をかくことができなくなるからです。
夏の暑いときは、なかなか汗が引かずに大変と思いますが、タオルで何度も汗を抑えたりして、自然に汗がひいてくるのを待ちましょう。
「これも発汗トレーニングのひとつ」と思えば、頑張れるのではないでしょうか。
」
そして、ほかに見直してほしい生活習慣として、「食事のとり方」があります。
ぜひ「大豆」のような、「発汗を調節する効果が期待できる食品」を積極的に食べることを習慣づけましょう。
大豆には、イソフラボンが含まれていて、「発汗を調節する機能がある」といわれています。
また、大豆に含まれるレシチンは、食事で得た栄養をエネルギーへと変えるときに必要になります。
レシチンをきちんと摂取していれば、エネルギー不足になることもないので、疲れにくい身体をつくる効果が期待できます。
大豆は、豆腐や納豆など手軽に毎日摂れるものですので、積極的に毎日の食事に取り入れてください。
悪い汗をかくことが少なくなることが期待できます。
塩をふくような汗をふせぐために発汗機能を鍛えよう!
汗には2種類あり、良い汗と悪い汗があることをお話ししてきました。
塩をふくような汗をかく場合、悪い汗をかいている可能性が高いですが、急激に汗をかいた場合にも同様のことが起こりえます。
また、悪い汗を改善するための入浴法や、入浴後に気を付けることもご紹介しました。
服の洗濯が塩を含む汗染みによって大変にならないよう、発汗機能を鍛えて、いい汗をかけるようにしましょう。