ミョウバンは、古代ローマ時代から制汗剤として使われていたのはご存知ですか?
あの有名なクレオパトラも、体臭対策として、デートのときにはワキに塗っていたとも言われています。
そんな、大昔から重宝されていたミョウバンですが、その消臭作用とは一体どんな原理なのでしょうか。
今回は、ミョウバンの消臭原理と活用法をご紹介します。
消臭効果抜群!?そもそもミョウバンとはどんなもの!?
食品添加物として知られるミョウバンですが、遠い昔から消臭目的としても使われてきました。
ミョウバンとは、一体どのようなものなのでしょうか。
ミョウバンは、カリウム・アルミニウム・鉄といった金属イオンが硫酸塩として結晶化したものです。
アルミニウムや鉄の金属が入っていると聞くと、皮膚につけても安全なものか少し心配になってしまいますね。
しかし、先にもお伝えしましたが、食品添加物としても使われており、比較的安全性の高いものと言われています。
ただし、アルミニウムは大量に摂ると身体に害がありますので、間違えて飲んだりしないように注意してくださいね。
また、ミョウバンには、2つの種類があります。
・焼ミョウバン:よくスーパーなどで見かける、乾燥しているもの
・生ミョウバン:水分が含まれているもの(焼ミョウバンを水に溶かしたもの)
そんなミョウバンは、古代ローマ人が日常的に使っていたと言われるほど、古くから消臭目的で使用されてきました。
つまり、世界最古の消臭剤とも言えますね。
では、そんな大昔から使われてきたミョウバンには、なぜ消臭効果があるのでしょうか。
次項では、ミョウバンに消臭効果がある原理をお話しさせていただきます。
ミョウバンの「殺菌・抗菌作用」の原理とは!?
ここからは、ミョウバンに消臭効果がある3つ原理について、分かりやすくお話しします。
まず、ここでは、1つ目の原理、ミョウバンの「殺菌・抗菌作用」についてです。
この殺菌・抗菌作用により、臭いの発生源を抑えることができます。
そもそも皮膚からの臭いは、皮膚についた雑菌が、汗の成分をエサとして分解させることで発生するものです。
そして、ミョウバンは水に溶けると酸性になる特徴があります。
雑菌は、酸性の環境では生きていくことができません。
ミョウバンにより皮膚が酸性になれば、臭いの元になる皮膚の雑菌の繁殖を抑えられ、消臭効果が期待できるのです。
また、ニキビの原因となるアクネ菌も酸性が苦手です。
ミョウバンを塗布すると、アクネ菌が死滅し、ニキビの症状を緩和します。
これらのことから、ミョウバンには殺菌・抗菌作用があり、臭いやニキビに効果的に働きかけてくれることが頷けます。
ミョウバンの「収れん作用」の原理とは!?
次に、2つ目の原理についてお話しします。
ここでは、ミョウバンの「収れん作用」についてです。
ミョウバンを水に溶かしたミョウバン水には、収れん作用、つまり制汗作用があります。
収れん作用とは、たんぱく質を変性させて肌の保護膜を引き締める作用のことです。
要するに、肌や毛穴を引き締めるということです。
近年では、化粧品の成分にも入っていることの多いこの収れん作用ですが、引き締め効果があるおかげで、肌のバリア機能を高め、汗や過剰な皮脂分泌を抑えてくれるのです。
汗を抑えることで、菌に脂質やたんぱく質が含まれたエサを与えないようにすることができるので、消臭効果に繋がります。
実際のところ、この作用の原理ははっきりと解明できていないのが事実ですが、収れん作用によるものだと言われています。
ミョウバンの「消臭作用」の原理とは!?
次に、3つ目となるミョウバンの原理「消臭作用」についてお話しします。
そもそもミョウバンには、皮膚上でつくられた臭いそのものを消臭する作用があります。
それは、ミョウバンに金属イオンが含まれているからです。
ミョウバンに含まれている金属が、化学反応を起こし、金属消臭や臭い成分が中和し、消臭されます。
汗の臭いであるアルカリ性に対して、酸性のミョウバンは、消臭作用を効果的に発揮して臭いを抑えることができるのです。
特にアンモニアに対する消臭効果が優れているので、足の臭いやペット臭にも役立ちます。
ここまでで、3つのポイントに分けてミョウバンの消臭効果がどのような原理であるかをお話しさせていただきました。
消臭効果がある裏には、殺菌・抗菌効果や、肌や毛穴の引き締め効果があり、大昔から使われているだけあって、かなり優れたものだと納得ですね。
次の項では、実際にどのようにミョウバンを使えば良いのか、ミョウバンの使い方をご紹介します。
消臭対策に万能なミョウバン水のつくり方!
ミョウバンの消臭原理が分かったところで、実際の使い方のお話しをさせていただきます。
まず、ミョウバンを手に入れる方法ですが、スーパーやドラッグストアの乾物コーナーで、100円程度で購入できます。
ミョウバンを汗の臭いやワキガの対策として活用する場合は、ミョウバン水にして使うと便利ですよ。
では、さっそくミョウバン水のつくり方をご紹介します。
【必要な物】
・500mlの空ペットボトル
・焼ミョウバン 15g
・水 500ml
【原液のつくり方】
①ペットボトルに焼ミョウバンと水を入れ、よく振って混ぜる
②蓋をして2日ほど冷暗所に置く(水に溶けにくいミョウバンですが、放置しておくと溶けます)
③ペットボトルの中のミョウバン水が透明になっていればできあがり
【使い方】
〇直接肌にスプレーする場合:原液を10倍に薄め、スプレーボトルに入れて使う
〇洗濯物の消臭に使う場合:原液50mlを「すすぎ」の水に加える
〇入浴剤として使う場合:お湯を入れた浴槽に原液を50ml入れる
〇ワキガ対策に使う場合:原液を10倍に薄めたものをコットンに染み込ませ、3分程度ワキに貼りつける
手に入れるところから使用まで、男性でも簡単にお試しできる手軽さも良いですね。
特に加齢臭は自分では気づきにくい臭いなので、「もしかしたら臭うかも?」と気になったら、一度試してみる価値はありそうですね。
誤飲は危険!ミョウバン水を扱う時の注意点!
最後に、ミョウバン水を扱う時の注意点をお伝えさせてください。
ミョウバンの消臭原理は、優れた消臭作用があることが分かりましたね。
しかし、使う時にはいくつか気をつけなくていけない点があります。
ミョウバン水を、直接肌に塗布することもあると思いますが、かゆみ、かぶれ、腫れ、赤みなどの症状が出る場合があります。
肌に塗布する前に、コットンにミョウバン水を染み込ませたものを二の腕に貼り、24時間様子を見る「パッチテスト」をおこなってください。
また、つくったミョウバン水の使用期限は、冷蔵庫での保存で1か月程度です。
しかし、肌に直接つけるものなので、なるべく早めに使い切ることをおすすめします。
保管の際は、誤飲を避けるために、ボトルに「ミョウバン」であるというラベルや目印を分かりやすくつけてください。
これらの注意点をしっかり押さえて、気になる臭いや汗の対策に活用してくださいね。
消臭剤として万能アイテム「ミョウバン」は試す価値アリ!
いかがでしたか。
ミョウバンの優れた消臭効果の原理がお分かりいただけましたでしょうか。
暑い季節は特に気になる汗の臭い、そして、一年中気になるワキガ臭、また、男性特有の加齢臭など、ミョウバンは手軽に試せる万能な消臭アイテムです。
また、食品添加物としても扱われているミョウバンですが、大量に身体に摂り入れると害もあります。
ミョウバン水を使う時のポイントを抑えて、あらゆる消臭対策に活用してみてくださいね。