夏の暑い時期や運動をした後には汗をかきますよね。
汗をかいた後に、ふと洋服を見ると、白っぽいシミのようなものができていることありませんか?
なぜ、汗をかくとこのように洋服が白くなるのでしょうか。
その原因と対処法についてお答えします。
汗をかくと洋服が白くなる!正体とその原因は?
汗をかいて洋服が白くなる、その正体はずばり「塩分」です。
汗の成分はほとんどが水分ですが、実は水分の他に塩分やミネラルが微量に含まれており、これらの物質が洋服を白くする原因なのです。
汗をかくというのは、私たち人間にとって体温調節という重要な役割があるため、誰もがかくものであり、生きる上で欠かせない機能になります。
しかし、ここで疑問点があります。
なぜ、誰もが汗をかくのに、洋服が白くシミになりやすい人と、そうでない人に分かれるのでしょうか。
その原因として以下のことが考えられます。
●汗腺機能の低下
汗は汗腺を通り体外へ排出されます。
汗腺の機能が正常な人は、汗に含まれている塩分やミネラルは汗腺に再吸収され体内に戻ります。
しかし、汗腺の機能が低下していると、この塩分やミネラルを再吸収することができず、そのまま水分と共に排出されます。
その結果、汗に含まれる塩分の濃度が上がり、白いシミとなり洋服に現れます。
これは、普段汗をかきにくい人に多くみられる現象です。
●汗っかき
単純に汗っかきの方も、洋服が白くなりやすいです。
汗っかきの方は、短時間の間にたくさんの汗をかきます。
体中の汗腺が正常に機能していたとしても、大量の汗をかいてしまうため、塩分やミネラルの再吸収が追いつかなくなるのです。
なぜ汗腺の機能が低下してしまうのか
洋服が白くなる主な原因としては、汗腺機能の低下や汗をかきやすい体質であることが挙げられます。
汗をかきやすいのは、体質である以上改善するのは難しいですが、汗腺の機能は正常に戻すことができさえすれば、改善する可能性は十分にあります。
そもそも、なぜ汗腺の機能が低下してしまうのでしょうか。
その理由についてお答えしましょう。
●エアコンが完備され常に冷えた部屋で過ごしている
普段から日中はエアコンのしっかりと効いた部屋で過ごしている、という方も多いのではないでしょうか。
確かに、エアコンが完備されている部屋は快適で過ごしやすいです。
しかし、いつもこのような部屋で過ごしていると、汗をかきにくくなり、さらに体が冷える原因にもなります。」
体が冷えた状態になると、なるべく体を冷やさないようにという命令が脳で働き、汗が出にくくなります。
●運動不足
運動が不足すると、活動量や筋肉量が下がり、新陳代謝機能が低下します。
新陳代謝が下がると同時に体温も下がってしまうので、汗をかきにくくなります。
●食生活の乱れ
体を冷やす食べ物や飲み物を好んで摂取していると、体が冷えて新陳代謝が低下し、汗をかきにくくなります。
汗腺機能の低下の症状が現れている人は、普段からあまり汗をかかない人に多く見られます。
改善するためには、汗をかく環境を作ることから始めてみましょう。
洋服が白くなるのを避けたい!汗腺機能の低下を改善するには?
汗腺機能が低下しているがゆえ、汗をかくと洋服が白くなる方は、なるべく汗をかくような環境作りを意識することから始めてみましょう。
では、どのような策があるのでしょうか。
●半身浴をする
暑い時期になると、「シャワーで済ませる」という方も多いかと思います。
しかし、入浴には衰えている汗腺の機能を改善する効果があるといわれています。
ですから、普段から汗をかきにくいという方は、シャワーでなくしっかりと湯船に浸かりましょう。
入浴の際は半身浴がおすすめです。
半身浴は、上半身からかいた汗で体を冷やしながら入浴することができますので、効率的に汗腺トレーニングができます。
お湯の温度が熱すぎると、体温が上昇するばかりで長い時間入浴できませんから、ぬるま湯で30分程度入浴してみてください。
毎日半身浴して汗を流すことで、汗腺の機能を正常に戻すことに期待ができます。
●運動をする
汗を流すという意味では、運動も効果的です。
「仕事が忙しくて運動する時間がない」という方は、通勤の移動手段を自転車や歩行に変更されてはいかがでしょうか。
時間は必要になりますが、毎日の習慣にしてしまえば無理なく運動をすることができます。
また、エレベーターやエスカレーターの使用は避けてなるべく階段を登る、目的地の一駅前で下りて歩くなど、小さなことから続ける努力をしてみましょう。
汗腺機能が正常になると、自然といい汗をかくようになります。
そうなると、体に排出された塩分やミネラルが自然と体内に吸収されるようになるので、白くなる汗シミを改善することに期待ができるでしょう。
汗っかきが原因で洋服が白くなる!対処法はある?
もともとの体質で汗っかきの場合や、運動などで発汗スピードが速いために洋服が汗で白くなってしまう場合、何かよい対策はあるのでしょうか。
●インナーを着用する
インナーを装着せずに直接洋服を着ているという方は、汗がダイレクトに洋服に吸収され、白シミができやすくなります。
それを防ぐためにも、吸収性に優れたインナーを着用しましょう。
インナーを着用することで、インナーが汗を吸収してくれるので、洋服に汗が染み込みにくくなります。
汗っかきの方は、インナーを何枚か持ち歩き、こまめに着替えればさらに効果的でしょう。
インナーには、背中や脇といった部分用インナーもあります。
これらの商品は、吸収・速乾に加え、消臭までしてくれるものもあるのでおすすめです。
●汗シミが目立たない洋服を着用する
黒や紺などの濃い色の洋服は、汗によって洋服が白くなるとそのシミが目立ちやすくなります。
汗っかきの方や、運動をして大量に汗をかくことが想定できるときは、このような色の洋服は避けた方がよいでしょう。
洋服が白くなってしまったときの対処法
この項では、インナーの着用を忘れてしまったり、替えのインナーを忘れてしまって洋服が白くなってしまったときの対処法をお伝えしていきます。
●濡れタオルで拭き取る
汗をかいた直後は、洋服に白いシミはつきませんよね。
汗に含まれる塩分は乾くと白くなるので、乾く前に拭き取ってしまいましょう。
拭き取る際は、汗をかいた部分を濡れタオルなどで叩くようにして取ります、
叩くようにして取ることで、洋服の生地を傷めず、白くなってしまった部分を目立たなくすることができます。
ただし、黒や紺色のような洋服の場合、たとえ拭き取ったとしても完全に白シミを防ぐことは難しい可能性もあります。
どうしても白シミが気になるという方は、シミが目立たない洋服を選ぶことや、さらにインナーも一緒に着用してください。
また、替えの洋服を持ち歩くのも1つの方法です。
これだけでも、白シミは十分に防げる可能性はあります。
汗をかいたら水分補給は忘れずに!
最初にもお伝えしたように、洋服が白くなるということは大量の汗をかいて体内の塩分やミネラルが排出されている証拠です。
ですから、脱水症状にならないためにもこまめに水分を補給することが大切です。
ただし、汗をかいているときに水しか飲まないという方は注意が必要です。
汗をかくことに伴って、塩分やミネラルが排出されますが、これらが不足すると低ナトリウム血症を招く原因になります。
低ナトリウム血症になると、頭痛や吐き気、さらにひどくなると痙攣や昏睡まで引き起こします。
洋服が白くなるほど大量に汗をかいたときは、15分から20分ごとに給水休憩を取ったり、こまめに補給するようにしましょう。
そのときは、水分だけでなくミネラルや塩分を含んでいるスポーツドリンクを飲むことが望ましいです。
汗をかきにくい人は、汗をかく環境作りから
汗をかいて洋服が白くなるという方は、汗腺の機能が低下しているか、もともと汗っかきの可能性が高いです。
もし汗腺の機能が低下している場合には、汗を流すような環境を作ってあげることで、白シミを改善できる可能性があります。
今回ご紹介した方法を参考に、汗の悩みを解決していただければ幸いです。