汗をかくと、衣類の脇部分が黄ばんでしまうことがありませんか?
この黄ばみは白い衣類だと特に目立ってしまうので、気になって着られないという方もいるでしょう。
なぜ脇が黄ばんでしまうのか、その原因と予防策に加えて、染みついた黄ばみを落とす方法についてご紹介します。
なぜ脇部分は黄ばむのか?黄ばみの原因はこれ!
脇汗によって、衣類が黄ばんでしまうのは、主に4つの原因が考えられます。
それぞれの原因を見ていきましょう。
●アポクリン腺
「脇汗で衣類が黄ばむ…」そのような方の原因で最も考えられるのが、汗腺の1つであるアポクリン腺によるものです。
そもそも、汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺という2つの種類が存在します。
エクリン腺から出る汗は、主に水分です。
それに対して、アポクリン腺から出る汗には脂質・たんぱく質・糖質・脂肪酸・リポフスチン・アンモニアなど様々な物質が含まれています。
以上の成分の中で、黄ばみの原因となるのが「リポフスチン」という色素です。
アポクリン腺は、一般的にワキガの症状がある方の脇に多く存在しております。
そのため、ワキガの方はリポフスチンも多量に分泌してしまうので、どうしても衣類が黄ばみやすくなります。
アポクリン腺から出る汗に含まれる成分は、人それぞれ微妙に異なりますので、衣服が黄ばむのではなく茶色や黒っぽくなる場合や、ニオイの強さにも個人差があります。
ワキガでなくても脇汗で黄ばむ?
ワキガの症状がある方は、どうしても脇汗で衣類が黄ばみやすくなります。
しかし、ワキガでない方の場合にも、衣類が黄ばんでしまうことがあります。
●汗腺機能の低下
通常、エクリン腺から出る汗は水分が主ですので、サラサラとしているのが特徴です。
しかし、運動不足や冷房完備の部屋に頼りきった生活をしていることで、汗腺の機能が低下します。
汗腺の機能が低下してしまうと、単純に汗をかきにくくなります。
そうなると、汗の中にミネラルや鉄分などが混じり、ベタベタとした濃い汗が出るようになるのです。
それにより衣類に黄ばみが発生してしまいます。
●精神的緊張
緊張する状況で、脇汗をたくさんかいてしまった経験はありませんか?
これを精神性発汗といい、通常の体温調節のためにかく汗とはまた違った特性があります。
精神的発汗の汗はエクリン腺から出るのですが、通常の汗よりもベタベタした汗が出ることが特徴です。
この汗にも鉄などが含まれているため、衣類の黄ばみとなります。
制汗剤が黄ばみの原因!?
衣服の黄ばみの原因が汗ではない場合もありますので、この項でご紹介します。
●制汗剤
暑い時期の脇汗対策として、制汗剤を利用しているという人も多いでしょう。
実は、この制汗剤が原因で衣類が黄ばんでしまう可能性があります。
制汗剤には様々な種類がありますが、どの成分が黄ばみのもととなるのかははっきりと断言されておりません。
というのも、化粧品にも肌に合う合わないがあるように、制汗剤が肌に合わないと制汗剤に含まれる成分と反応して黄ばんでしまうことがあるからです。
また、肌に合わない制汗剤を使用していると衣服が黄ばむだけでなく、脇のニオイがきつくなる可能性もあります。
もし、制汗剤を使用し始めて脇部分が黄ばむようでしたら、その制汗剤の使用をしばらく中止してみてください。
もし、汗の黄ばみがなくなるようでしたら、制汗剤が原因である可能性は極めて高いでしょう。
脇汗による黄ばみを防ぐ!予防策
脇汗をかいてしまうと、汗シミだけでなく黄ばみが気になるという方は多いです。
ここでは、脇汗の黄ばみを防ぐためにできる予防策についてご紹介していきます。
●脇汗パッド
脇汗パッドはその名の通り、脇の汗部分にパッドをして、衣類に汗を浸透させないためのアイテムです。
スーツやグレーのTシャツなど、脇汗が目立つような衣類につけると効果的です。
ただし、生地が薄い衣類や白い衣類などの場合、パッドを貼っているのが透けて分かってしまうこともあります。
パッドを目立たせたくない方は、インナーに貼るとよいでしょう。
●制汗剤
先ほどの項では、合わない制汗剤を使うと衣服の黄ばみの原因になりうるというお話をしました。
自分の肌に合う制汗剤を使用することは、汗に関するトラブルを解決するために非常に有用です。
制汗剤には、スプレーやロールオン、シートやクリームなど様々タイプがありますが、特に汗が気になる方には、肌との密着性の高いクリームかロールオンタイプがおすすめです。
しかし、汗を抑えるのに効果的な制汗剤ですが、完璧に汗を止めることは難しいといえます。
先ほどご紹介した脇汗パッドも併用するなどの工夫をして、脇汗から衣類を守りましょう。
衣類についてしまった黄ばみはどうやって取る?
脇汗による衣類の黄ばみを落とすには、酸素系漂白剤と洗濯用洗剤を使いましょう。
漂白剤には主に3つの種類がありますが、柄物にも使用できて衣服に優しい酸素系漂白剤を使用するのがおすすめです。
早速、洗濯方法をご紹介していきます。
1.大き目の桶やボールを用意して、そこに熱めのお湯を入れます。
2.お湯の中に酸素系漂白剤と洗剤、黄ばみのある衣類を入れます。
3.30分~2時間つけ置きします。
*つけ置き時間を長くしすぎると、衣類にダメージを与えてしまうことがありますので、注意してください。
4.つけ置きが終わったら、通常どおり洗濯をして完了です。
以上の方法を行えば、軽い黄ばみなら簡単に落とすことができるでしょう。
しかし、それでも落ちないガンコな黄ばみの場合には、重曹を使うことできれいにできる可能性があります。
方法は、先ほどご紹介した酸素系漂白剤と洗剤につけ置きする方法を行う前に、黄ばんでいる衣服を重曹水に1日つけ置きしてください。
重曹でつけ置きすることで汚れを浮かせ、より黄ばみが取れやすくなります。
漂白しても取れないガンコな黄ばみは煮洗いがおすすめ
漂白剤や重曹を使用しても落ちないようなガンコな黄ばみには、煮洗いがおすすめです。
煮洗いは、沸騰したお湯の中で衣服を煮ながら洗う方法です。
早速やり方をご紹介していきます。
1.大きな鍋に十分な水を用意し、その中に酸素系漂白剤と洗濯用洗剤、黄ばみの気になる衣類を入れて沸騰させます。
2.鍋の水が沸騰したら、弱火にしてそのまま30分煮洗いします。
3.時々かき混ぜながら様子を見て、30分経ったら火を止め衣類を取り出します。
4.水で十分にすすいだら、脱水して干します。
どうしても落ちないようなガンコな黄ばみは、この煮洗いを試してみてください。
特に、ワキガの症状がある方はこの方法をおすすめします。
煮洗いは脇汗の黄ばみだけでなく、殺菌・消臭効果も高い洗い方ですので、衣服の黄ばみと共に、しみついたニオイも取り除くことができるからです。
ただし、煮洗いは衣類の生地に少なからずダメージを与えてしまいますので、シルクやアクリル系の素材には適していません。
木綿や麻などの丈夫な素材でしたら気にする必要はありませんが、その他の素材の衣服には多用しないように気をつけましょう。
黄ばんでしまった衣服も洗濯で落とすことができる
脇は汗をかきやすい場所でもあるので、衣類の黄ばみが気になるポイントです。
一度黄ばんでしまった衣服は、なかなかきれいな状態に戻すことができないと思われてしまいがちですが、適切な方法を用いれば黄ばみも落とすことが可能です。
また、衣類を黄ばませないように、普段から制汗剤や脇汗パッドを使用して大切な衣類を汗から守りましょう。