生えている髪の毛の中で、1本だけクルクルしていたり、抜けた髪の毛を爪でギューっと引っ張ると、バネのようになることを知っている人は多いでしょう。
髪の毛の傷み具合によって、指で軽く引っ張っただけでも、縮れたようになってしまう人もいるようです。
しかし、どうしてこのように髪の毛がクルクルするのでしょうか?
この原因を知るために、髪の毛の構造や傷む原因、クルクルしてしまう原因、髪に優しい栄養などをお伝えします。
最悪薄毛の原因に?!髪の毛のSOSに気づこう!
本来、健康的な髪の毛はとても強く、10本の髪の毛で1㎏もの重さに耐えることができると言われています。
人間に生えている髪の毛の平均的な本数は10万本なので、大体自転車1台を持ち上げることができます。
しかし、髪の毛の強度は【傷み】【栄養バランス】【日焼け】などによって大きく変わります。
髪の毛が弱くなっていたり、傷んでいたりすれば、本来髪の毛が持つパワーは発揮できません。
髪の毛が傷んでしまえば、軽く引っ張るだけで、切れてしまう可能性すらあるのです。
他にも、爪でギューっと髪の毛を引っ張ると「バネのような形」になったり、更には、指で軽く引っ張っただけで「クルクルと縮れた」という経験がある人もいるでしょう。
それだけでなく「何もしていないのに1本だけクルクルしている」という部分的な癖毛に悩まされている人もいるかもしれません。
このように、髪の毛がクルクルしてしまうのには、いくつかの原因があり、時に髪の毛からのSOSとなっている場合もあります。
助けを求めている髪の毛の声に耳を傾け、健康的な髪の毛を育てましょう。
まずは、髪の毛がクルクルしてしまう原因を、順番にご説明していきます。
髪の毛を爪で引っ張ってクルクルしてしまう原因
最初に、爪でギューっと髪の毛を引っ張っただけで、クルクルとバネになってしまう原因をお伝えしていきます。
まず、髪の毛の毛管の構造はとても複雑で、以下のように組織それぞれに名前があります。
【キューティクル】
3層構造で、フィブリル・マトリックスなど、髪の毛の内部を保護し、タケノコの皮のように髪の毛の表面に張り巡らされています。
【フィブリル】
繊維のように毛管に詰まっています。
【マトリックス】
フィブリルをまとめる役割を果たしています。
【コルテックス】
フィブリルやマトリックスなどの髪の毛の内部のことをまとめて言います。
ちなみに、髪の毛の色素もコルテックスの中に入っています。
髪の毛の中の構造がわかったところで、どうして爪で髪の毛をギューっと引っ張るとクルクルするのかご説明します。
髪の毛を爪で引っ張ることで、タケノコの皮のようになっているキューティクルが、ボロボロになります。
それと同時に、中にあるフィブリルとマトリックスは、引き伸ばされてしまい、弾力を失います。
そして、完全に回復することはありません。
このことが爪で引っ張ることでクルクルと形が変わる原因です。
また、水に濡れると、直毛に近くなるので戻ったように見えるでしょう。
しかし、内部に水分が浸透していることが直毛に見せているだけで、実際の髪の毛の組織は、ボロボロのままで変わらないのです。
髪の毛を指で引っ張るだけで?すぐにクルクルと縮れる原因
次に髪の毛を爪ではなく、指で少し引っ張るだけでクルクルと形状が変化してしまう原因についてお話ししていきます。
元々髪の毛には、多少柔軟性があって、ゴムのように伸びるという性質があります。
しかし、あまりに伸び縮みが激しいようであれば、髪の毛が傷んでいる場合がほとんどでしょう。
男性でも、おしゃれパーマをする人もいますし、ヘアカラーもごく一般的にされていますね。
こういった、外部からの刺激によって傷んだ髪の毛は、キューティクルが損傷されるだけでなく、髪の毛の内部の組織や栄養もなくなり、人によって髪の毛が細くなったりもします。
他にも、間違ったドライヤーの使用や、紫外線による刺激によって、傷みはどんどん蓄積されます。
更に髪の毛の傷みが進むと、髪の毛を濡らした時に、トロンと軟化したような手触りになり、引っ張るとゴムのようになります。
この状態で髪の毛を引っ張ると、傷みにより毛管の組織が壊されてしまっているため、元に戻ることができず、クルクルとした髪の毛になってしまうのです。
そうなると、いずれ普通の状態でも、髪の毛がチリチリと「酷い天然パーマ」のようになってしまったり、さらに傷みが進行すると、薄毛になる可能性もあります。
引っ張ることをしなくてもクルクルの髪の毛が?!波状毛とは?
「髪の毛を引っ張る」など手を加えなくても、所々髪の毛がクルクルしてしまっている原因をお伝えします。
時々、真っすぐな髪の毛の中に、1本だけクルクルした髪の毛が、紛れ込んでいることはありませんか?
このように1本だけクルクルとしている理由は「栄養が凝縮されてうねってしまったため」と言う噂を耳にしたことがある人もいるでしょう。
しかし、そのような噂を信じ、クルクルした髪の毛を放置していると、男性の大敵でもある薄毛になってしまうことすらあるのです。
「薄毛の天然パーマになってしまった」という更なる最悪の事態を防ぐためには、まずは理由を知ることが大切です。
まず、髪の毛が1本だけクルクルとなる、一番の大きな理由は【波状毛である】ということです。
波状毛とは、本来髪の毛の断面は円形であるにも関わらず、波状毛は楕円形をしていて、波状にうねることから、この名前がついています。
【波状毛にしてしまう原因とは】
・頭皮の毛穴の詰まり
髪の毛が毛穴から生えてくる時に、毛穴が詰まっていると、毛穴が変形してしまいます。
その形状に沿って、髪の毛が生えることで癖毛が生じます。
そのまま、毛穴の詰まりを解消しないで放置していると、薄毛を招く恐れもあります。
シャンプー方法を変えてみるなど、毛穴を清潔に保つことが大切です。
・生活習慣
そもそも、髪の毛や爪といった体の末端にある部分は、栄養が行き渡りにくいと言われています。
しかも、偏った食生活により、髪の毛が成長するために必要な栄養が不足してしまうのです。
そうなることで、髪の毛の成長バランスが悪くなり、太さや断面がいびつになって癖毛が生じます。
このように、髪の毛を引っ張ることや、栄養バランスなどによって、髪の毛がクルクルになってしまいます。
それでは、こうなってしまった髪の毛を修復させることはできるのでしょうか?
トリートメントは無意味?傷んだ髪の毛は元に戻らない!
髪の毛をケアする手段として挙げられるのが「トリートメント」ですね。
トリートメントと聞くと、髪の毛の傷みを治すために使われるイメージをする人は多いでしょう。
最近では、ヘアカラーやパーマをかけている男性でもトリートメントをしている、と言う人は増えています。
しかし、トリートメントで髪の毛の傷みは、どうやっても修復することは不可能です。
その理由をご説明します。
まず、トリートメントをすると、内部に栄養が補給され、蓋をするように髪の毛の表面がコーティングされます。
そのため、既にパーマやカラーをしているようであれば、薬液が髪の毛の内部に残ってしまっています。
そうなると、トリートメントで蓋がされたまま、栄養が補給されたとしても、内部の傷みは薬剤によって進行していきます。
ちなみに、トリートメントをした後のつやつやした触り心地は、シリコンやなんらかのコーティング剤の感触であり、髪の毛の傷みが改善されたわけではありません。
しかしながら、トリートメントをしない方がよいとは言い切れません。
その理由は、トリートメントに含まれている栄養は、髪の毛にとてもよいので、髪の毛に補給させたいからです。
したがって、トリートメントをするタイミングを変えてみましょう。
美容室などで、トリートメントを勧められたら、パーマやカラーの前におこなうようにしましょう。
髪の毛をコーティングしてから、施術を受けることで、傷みを最小限に抑えられます。
前項でもお伝えしましたが、髪の毛は体のように消化吸収機能などもないため、毛根からしか栄養を摂れません。
ゆえに、髪の毛を引っ張ることで起きたクルクルや、傷んだ髪の毛を完全にきれいな状態に戻したい場合は、切るしか方法はありません。
これから成長してくる髪の毛のために、髪の毛によい食べ物を摂取し、強くてコシのある髪の毛を育てていきませんか?
髪の毛によいい栄養やその役割
髪の毛が成長するために必要な栄養は、どのようなものかお伝えしていきます。
まず、髪を作る三大栄養は【たんぱく質】【亜鉛】【ビタミン】です。
この3つのうち1つが欠けてしまえば、髪の毛は作られません。
髪の毛によいとされている食材とその栄養分も見ていきましょう。
・卵
髪の材料になるたんぱく質や、亜鉛やミネラルなどの栄養がギュっと凝縮されています。
・牡蠣
様々な食品の中でも、特に亜鉛が豊富に含まれていて、同時に鉄分、ミネラル、コレステロールを低下させるタウリンも含まれています。
・ブロッコリー
髪の毛を作る上で必要なビタミンA・ビタミンCが豊富です。
・鮭
たんぱく質だけでなく、ビタミンBやオメガ3脂肪酸なども含まれています。
オメガ3脂肪酸は、髪のツヤや水分を保持してくれるので、期待できる成分と言えます。
他にも、乳製品、ニンジン、ほうれん草、ナッツ類、鶏肉、ゴマなどにも、髪の毛に必要な栄養が多く含まれています。
健康で強い髪を育てるためには、きちんとした食生活が大切です。
そのためにも、髪の毛によいとされる栄養を、なるべく選んで摂るようにし、クルクルと癖のある髪の毛を作る要因や、引っ張ることで縮れる毛を、1から生まれ変わらせましょう。
髪の毛の傷みは回復しない!今の状態を守ろう
髪の毛が、クルクルとなってしまういくつかの原因と、トリートメントで傷みの改善ができるのかをお伝えしました。
爪でギューっと引っ張ると、中の組織を壊してしまうことになるので、生えている髪の毛にはやらないようにしましょう。
髪の毛の傷みは、回復することはありません。
余りに傷んでしまっている場合は、切って1から強い髪の毛を育て、守っていくのもひとつの方法でしょう。