髪の毛を引っ張ると気持ち良いとはよく聞きます。
確かに髪の毛を軽く引っ張ると、痛気持ち良く感じますよね。
しかし、それと同時に、引っ張りすぎはハゲの原因になるとも聞きます。
実際、髪の毛を引っ張ることは、髪の毛や頭皮にとってどのような影響があるのでしょうか。
今回は、髪の毛を引っ張ることで得られる効果やその理由、注意点などをご紹介していきます。
髪の毛を引っ張ることが気持ち良い!その効果とメリット
髪の毛を無意識のうちに引っ張ってしまう方は、意外と少なくありません。
頭皮が刺激されて感じる気持ち良さに、ついつい引っ張ってしまったり、また、ストレスがあったり、自分を安心させるために、「引っ張り癖」がついてしまう方も多いようです。
髪を引っ張ると気持ち良い理由としては、髪の毛を引っ張ることで、毎日の生活の中で鈍化した頭皮が刺激されるからです。
では、髪を引っ張ることの効果にどのようなものがあるのか、ご紹介していきましょう。
・血行促進や育毛
髪や頭皮への適度な刺激は、血行促進に良いとされ、抜け毛の原因でもある、血行不良の改善にも効果が期待されます。
また、血行が良くなることで、育毛に必要な栄養分を、毛根まで行き渡らせてくれます。
・ストレス改善
髪の毛を引っ張る刺激が、同時に脳にも浸透して、脳の緊張をほぐすことに繋がります。
・緊張型頭痛の軽減
「緊張型頭痛」とは、主にストレスが原因で引き起こされる、締め付けられるような頭の鈍痛です。
髪の毛を引っ張ることで、この痛みの軽減に繋がります。
ただし、偏頭痛には効果は期待されません。
以上が、期待されている主な効果です。
人によっては効果が見られないこともありますし、いずれにしても当てはまることは、適度に髪の毛を引っ張ることが重要です。
では、これらの効果に繋がる理由を、髪の毛と頭皮のメカニズムからご説明していきます。
髪を引っ張ることが育毛やストレス改善に?それは頭皮に秘密があった!
前項では、気持ち良い髪を引っ張る行為が、育毛やストレス疲労に効くことについて述べました。
その理由としては、頭皮の毛穴が持つ「立毛筋(りつもうきん)」という筋肉に隠されています。
「立毛筋」は「起毛筋(きもうきん)」とも呼ばれ、人や動物の体毛1本1本を支えている小さな筋肉のことです。
例えば、鳥肌が立つときや、動物の威嚇で毛が逆立ったりするときは、この立毛筋の働きが原因です。
立毛筋は他の筋肉とは異なり、自分の意思で動かすことはできませんが、髪の毛の栄養や育毛のためには、この立毛筋の活動を良くしていく必要があります。
そもそも、交感神経と関わりがある立毛筋は、精神的なストレスに弱いです。
情緒的なストレスは、交感神経を活発化させ、血管と筋肉を収縮させてしまいます。
それにより、血行不良に陥り、同時に立毛筋の働きも鈍り、結果的には髪の毛に栄養が行き渡らなくなってしまうのです。
これが、抜け毛を引き起こす原因です。
したがって、頭皮マッサージは勿論、髪の毛を適度に引っ張ることは、立毛筋の働きを促し、凝り固まった立毛筋をほぐしていくことに効果的です。
そうすることで、血行が良くなり、育毛やストレス軽減に繋がっていくのです。
これで、髪の毛を引っ張ることのメリットが、分かったのではないでしょうか。
ただ、髪の毛を強く引っ張ることは、逆に髪の毛や頭皮にとって良くありません。
では、次に髪を引っ張る上での注意点を見ていきましょう。
気持ち良いけれどやりすぎ厳禁!髪の毛を引っ張るときの注意点
髪の毛を引っ張ることは、気持ち良い上に、髪の毛の成長に良いことが分かりましたね。
しかし、少ない量の髪を無理に引っ張ったり、継続的に強い力で引っ張ったりすることは逆効果です。
髪の毛を無理やり引っ張りすぎてしまうと、頭皮に大きなダメージになります。
これを頻繁にやることで、逆に血行不良に陥ってしまい、立毛筋の緊張に繋がるため、毛根や頭皮、そして髪の毛に十分な栄養が行き渡らなくなってしまいます。
髪の毛を引っ張る際は、必ずある程度の量を束ねて、決して無理に引っ張ることのないように、ストレッチをするように引っ張ってあげてください。
「引っ張りすぎはハゲの原因」というのは事実で、過度な髪の毛の引っ張りは、「牽引性脱毛症」というハゲや、薄毛の原因になりかねませんので注意が必要です。
では次に、髪の引っ張りすぎも原因になる、「牽引性脱毛症」をご説明していきます。
牽引性脱毛症とは?男女問わずに起こる髪の毛トラブル?
そもそも、「牽引性脱毛症」は年齢に関係なく、主に女性に多く発症するのです。
髪の毛を強く引っ張るような、ポニーテールやシニヨン、お団子ヘアなどの髪型を、日常的に継続することで引き起こされます。
また、女性に限ることではなく、この脱毛症は男性でも起こりえます。
例えば、ファッションとして髪を結ぶこと、オールバック、また、分け目を変えなかったりなど、日常的に意識しないことでも、牽引性脱毛症を招きかねません。
日々の生活で、上記のように毎日同じ髪型にするということは、毎日同じ部分に負担がかかっていることを意味します。
それによって、毛根を包んでいる「毛包」が萎縮してしまい、髪の毛を生成する組織が働かなくなります。
そうなると、新たな毛を生成できなくなり、部分的な脱毛症になってしまうのです。
したがって、できるだけ継続的に同じ髪型にすることを控え、髪を結ぶ際も、きつく縛らないように心がけましょう。
また、髪の毛を過度に引っ張ることは、先ほどご説明した通り、「牽引性脱毛症」に繋がる可能性もあります。
特に、「気持ち良いから」という理由ではなく、ストレスを原因とする「髪の引っ張り癖」を持つ方は注意が必要です。
ひどくなると「脱毛症」にまで及んでしまう可能性があります。
ストレスが原因で「引っ張り癖」から「抜毛症」に?
先に述べたように、髪の毛を引っ張る行為は、「気持ち良いから」「頭皮に良いから」という理由だけではなく、精神的なストレスによって、無意識のうちに髪の毛を引っ張っている方もいます。
心理学的に、自分の髪の毛を引っ張る行為は、「自傷行為」に含まれ、日々のストレスや不満を自分にぶつけてしまう、極度のストレスに晒されている状態です、
それが更にひどくなると、自分の髪を引き抜いてしまう「抜毛症」に悪化することもあります。
その症状がエスカレートしていくと、異常な量の髪の毛を抜く行為に走ることもあり、頭皮や毛根がダメージを受け、炎症やひどい痒みが出てしまいます。
新しい髪の毛が生えてくる分にはまだ良いですが、遅かれ早かれハゲの原因になります。
上記について心当たりのある方は、日頃のストレスを取り除くか、あるいは精神科へ通ってみることも大切です。
髪の毛の気持ち良い引っ張り方!血行を良くするマッサージ方法!
これまで、髪の毛を引っ張ることの効果や注意点、やりすぎが原因の脱毛症などをご説明してきました。
いずれにしても、髪の毛を引っ張ることに重要なのは、「適度な加減」でするということです。
ではここで、血行を促進させる、頭皮のリラックスやストレス改善のマッサージを、二つの方法でご紹介していきます。
どちらも洗髪後の、入浴している間に行いましょう。
【髪の毛を引っ張る方法】
①ある程度の量の髪の毛を束ねます。
少なすぎる量は、髪の毛が抜ける原因になるので気をつけてください。
②強くならないように、気持ち良い、優しい力でストレッチをするように引っ張ります。
③最後はお湯で軽く洗い流してください。
【頭皮を直接マッサージする方法】
①両手の指を全部使って、指の腹(指紋のある方)を頭皮につけます。
②それぞれの指の腹を動かさないようにして、押しながらマッサージするように回します。
指は固定したままで、頭皮がしっかり動いているか確認をしてください。
ゴシゴシ動かさずに、ゆっくりマッサージしていきましょう。
③最後はお湯で軽く洗い流してください。
パソコンを使ったデスクワークが多かったり、目に疲れが溜まっている際には、是非試してみてくださいね。
頭皮は繊細だということを忘れずに!
髪の毛を引っ張ることは、頭皮のマッサージにもなり、やりすぎれば抜け毛に繋がることもあります。
髪の毛の基盤である頭皮は、ダメージを受けやすく、繊細であるということを忘れてはいけません。
日常の中で、髪の毛や頭皮のために気をつけることは多くあります。
できるだけ髪や頭皮に優しい生活スタイルを心がけていきましょう。