普段、何気なく耳掃除を行っていませんか。
耳掃除は、耳垢のタイプによって使う道具や掃除の方法が変わります。
耳掃除をするからには、自分に耳垢に合った道具を使って最適な方法で行いましょう。
それでは耳掃除についてのいろいろなアドバイスをご紹介します。
耳垢ってなに?
まずは耳垢について詳しくご説明します。
耳垢とは、耳の中の皮膚が代謝で剥がれた皮膚のことです。
そのはがれた皮膚に、耳の奥から分泌される耳垢腺(じこうせん)が混ざることで「耳垢」になります。
耳垢腺は、ワキガの汗腺「アポクリン腺」と同じとされています。
不要物として扱われる耳垢ですが、その役割についてご存知でしょうか。
大きく分けて役割は4つあります。
①耳内部を保護をする
②油分で耳の中の乾燥を防ぐ
③殺菌・抗菌・抗真菌の作用がある
④防虫効果がある
通常、耳垢は会話や食事の顎の動きにより耳の外へと移動する自浄作用があります。
耳垢は単なる不要物ではなく、耳をトラブルから守るというれっきとした役割があるのです。
特に、耳垢の苦みや臭いで、耳の中に虫等が侵入するのを防ぐ防虫効果がある言われています。
しかしながら、耳垢を手入れしないと不潔に見えてしまいます。
男性の身だしなみとして放っておくわけにもいきませんよね。
自分の耳垢タイプを知ったうえで、適切な掃除道具を選び、定期的に手入れすることをおすすめします。
耳掃除の道具を用意する前に耳垢のタイプを知ろう!
耳垢のタイプは大きく分けて2つあります。
●乾型(ドライタイプ)
ドライやカサカサと呼ばれているタイプです。
耳垢に含まれる分泌液の量が少ないと乾型になり、日本人の多くがこのタイプです。
【粉タイプ】
乾燥した粉状の耳垢です。
【抜け殻タイプ】
日焼けしてむけた皮膚のような耳垢です。
●湿型(ウェットタイプ)
ウェットやジクジクと呼ばれるタイプです。
耳垢に含まれる分泌液が多いと湿型になります。
【べとべとタイプ】
水あめのようにねっとりしっとりしている耳垢です。
【パン粉タイプ】
粉タイプの耳垢に油分が混ざった耳垢です。
【パイシートタイプ】
抜け殻タイプに油分が混ざりしっとりした耳垢です。
大きく分けて2つあり、さらに細かく分けると5つの種類に分けられますが、自分のタイプの耳垢はみつかりましたか。
それでは次項から耳垢の掃除道具を詳しくご紹介していきます。
耳垢の掃除道具をご紹介
耳垢の掃除道具にはどんなものがあるかご存知でしょうか。
対応できる耳垢タイプもあわせて記載しますので、自分の耳垢のタイプに合わせて選んでみましょう。
●スプーン型(ドライ)
昔ながらのへら状で耳垢をすくって取ります。
最近では抗菌加工された金属製のものもあり、先端が小さいタイプを選ぶことで、耳垢を奥に押し込むことなく、すくいあげることができます。
●ループ型(ドライ)
弾力性のある極細ループワイヤーが熊手のように耳垢をかきだします。
お子様や耳孔の皮膚が弱い方も安心して使えます。
●粘着綿棒(ドライ)
糊のようなコーティングがされた綿棒で細かい耳垢をくっつけて取ります。
傷をつけることなく、一度付けたら落ちないので奥に落ちる心配がありません。
●ピンセット(ドライ)
つまめる耳垢で誰かが耳掃除をしれくれる場合のみ、使えます。
先端が尖っているため、危険が伴うためあまりおすすめはできません。
●スクリュー型(ドライ・ウェット)
360度くまなく耳垢をからめとります。
ゴム製は適度なしなりがあるので、ウェットタイプでも入口の耳垢をしっかりからめとります。
●スパイラル型(ドライ・ウェット)
先端がバネになっているため耳垢を引っ掛けながらとります。
先端部が小さいほうが耳の中で小回りが利くためおすすめです。
●綿棒(ウェット)
耳の中を掘るより、入り口をくるりと拭うように使います。
水綿棒を使うことでさらにさっぱりします。
●オイル綿棒(ドライ・ウェット)
固まった耳垢を柔らかくしてとることができます。
先端が細いものを選ぶことで耳垢を奥に押し込むことなくとれます。
耳垢タイプ別の耳掃除方法とおすすめの掃除道具
ここでは耳垢のタイプ別におすすめの道具を使って掃除する方法をご紹介します。
【粉タイプ】
カサカサした粉のタイプの耳垢は、鼓膜近くに自然と耳垢が落ちてしまうため、粘着綿棒を使って耳垢をくっつけてとりましょう。
【抜け殻タイプ】
薄い膜のような耳垢をからめとるには、スプーン型やループ型がおすすめです。
場合によっては粘着綿棒を使うとスムーズにとれるでしょう。
【べとべとタイプ】
しっとりしているため、耳の中はスクリュー型でへばりついた耳垢をとりましょう。
仕上げに水綿棒を使うことで清涼感を感じられます。
また、お風呂あがりにタオルでやさしく拭うことでも効果的でしょう。
【パン粉タイプ】
粉タイプに油分が混ざっているので、オイル綿棒で柔らかくしてからスプーン型ですくいあげましょう。
粉タイプでもあるため、粘着綿棒や綿の綿棒で仕上げをするときれいになります。
【パイシートタイプ】
湿った抜け殻タイプなので、スプーン型やループ型でかきだしましょう。
最後に粘着綿棒や綿の綿棒でしあげます。
耳垢の掃除で注意することは?
耳の穴には、快感を生じさせる「迷走神経」があり、耳かきで触ることで気持ちがよくなります。
そのため、つい頻繁に行ってしまいがちですが、自分で耳を掃除するときに気を付けなくてはならないのが、奥へ押し込まないようにすることです。
そして、奥まで掃除したいという気持ちは我慢しましょう。
耳垢は外耳道の皮膚の働きにより、自然と排出する自浄作用があるため、奥まで耳垢をとる必要はありません。
そのため、入り口から1センチを目安に掃除するようにしましょう
耳の穴は薄い皮膚のため、気持ちいからとがりがりとこすったりすると細かい傷がついてしまい、外耳炎などを引き起こす原因となる場合があります。
自分の耳垢のタイプに合わない耳掃除の道具を使うことで、耳の奥に耳垢を押し込んでしまったり、外耳炎になってしまうと痒みが出ます。
痒みのため、連日耳掃除をしてしまうようになり症状を悪化させてしまうこともあります。
そのような状態になった場合は、迷うことなく耳鼻咽喉科を受診しましょう。
耳掃除のやり過ぎは禁物です。
頻度としては、1か月で1回~2回、所要時間は2~3分を目安にしましょう。
耳掃除のついでに加齢臭を防ごう!
耳の掃除についてはご説明してきましたが、耳周りのケアは身だしなみとしてとても大切です。
特に男性は40代を過ぎると耳の後ろから加齢臭が発生するといわれています。
意外かもしれませんが、男性の加齢臭は耳掃除や耳周りを手入れすることで防ぐことができます。
先にもご説明しました通り、耳の中には汗腺があり、耳の後ろには加齢臭の発生源があるため、きちんとケアすることで清潔感を増すことができます。
定期的に自分に合った道具を使って耳掃除をすることに加えて、耳毛を処理することも習慣化させましょう。
自分ではなかなか気が付きにくい部分ですが、耳の内側や外側は年齢を重ねると耳毛が太く長い毛になるこもあります。
耳毛は自分でカットすることは難しいため、耳掃除ついでにイヤーサロンを使ってみるのもおすすめです。
自分でできるケアとして、お風呂あがりに耳の入り口を綿棒やタオルを使って耳垢を取り除くことを心掛けましょう。
また、耳の後ろから出る加齢臭は、毎日のボディケアを無添加の石鹸やボディーソープを取り入れることで予防することができます。
少しの気を使うことで、男性としての爽やかな印象と清潔感を与えられるでしょう。
耳掃除は正しい方法で行いましょう
耳掃除は快感が得られるため、つい回数を重ねたり、奥まで掃除したくなりますが、耳の健康を考えると控え目に行うことが耳のためになります。
きれいにし過ぎることが、耳の自浄作用を低下させてしまうことにもなりますから、適度に行うことを心掛けましょう。
デリケートな部分ですから、自分での耳掃除に不安がある場合は、イヤーサロンや耳鼻咽喉科にお任せするのも一つの手です。
自分に合う方法で耳掃除を行いましょう。