石鹸で髪を洗う石鹸シャンプー。
市販のシャンプーよりも髪や頭皮への負担が少なく、また時間をかけて傷んだ髪を修復していく効果があると言われています。
本当に石鹸シャンプーはそこまでの優れた効能を持っているのでしょうか。
通常のシャンプーとの違いや、石鹸シャンプーを行うメリットやデメリットについて学び、自分に合った洗髪方法を見直すきっかけにしてみましょう。
髪の健康に効果?石鹸シャンプーと普通のシャンプーの違いは何?
石鹸シャンプーという言葉を耳にしたことはないでしょうか。
髪の毛や頭皮の健康を気にする人が取り入れているという石鹸シャンプー。
文字通り、シャンプーの代わりに石鹸で洗髪を行うというものです。
多くの方は洗髪にはシャンプーを使用していると思いますが、石鹸を使用するとどのようなメリットがあるのでしょう。
最大のポイントは、石鹸とシャンプーそれぞれに含まれる成分の違いによる、髪や頭皮に与えるダメージの違いです。
石鹸は動植物由来の成分でできているため、シャンプーよりも肌や髪に優しいことはよく知られています。
しかし、それであればもっと前から石鹸シャンプーが話題になり、切り替える人が増えても良さそうなものです。
まだまだ少数派である石鹸シャンプーにはどんなメリットとデメリットがあるのか。
もう少し詳しく掘り下げて、今後の選択の参考にしましょう。
石鹸とシャンプー、成分や製造方法の違い
まずは石鹸とシャンプー、それぞれの成分や製造方法の違いについて学びましょう。
石鹸は、動植物の油脂と水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを反応させて作ります。
天然成分を原料としているので、肌や髪に優しいと言われています。
固形石鹸以外に液状になった液体石鹸もあります。
これに対しシャンプーは、水と界面活性剤をベースに、コンディショニング剤や防腐剤、香料といったその他成分を加えて作られています。
界面活性剤とは洗浄成分のことで、この成分によって洗浄力や泡立ちなどを調整しています。
石鹸に比べると刺激が強く、頭皮にダメージを与えやすいのが特徴です。
界面活性剤の種類によって頭皮への刺激が少ないものもありますが、値段が高い、泡立ちが悪い、洗浄力が弱いといった点でデメリットを感じる人もいるようです。
石鹸でシャンプーしてみると…その違いに驚愕!
肌や髪に優しいとなれば、石鹸によるシャンプーに軍配が上がりそうですが、石鹸シャンプーにも問題点があります。
実際に洗ってみるとすぐに体感できますが、洗髪時の泡立ちの悪さ、洗髪後のきしみ、乾かした後のパサパサ、ゴワゴワした感じが、シャンプーを使用した場合と明らかに異なります。
この洗髪後の髪質の違いに驚く方が多いのですが、実はここに石鹸とシャンプーの持つ特徴の違いがあるのです。
シャンプーを使っている多くの人は市販のものを使用されていると思います。
この市販のシャンプーの多くは合成シャンプーで、このシャンプーを長く使っていると、配合されている添加物等で髪のキューティクルがダメージを受け、髪の水分量が減って髪がパサパサになっていくのです。
しかし、一般的なシャンプーには合成ポリマーなどの人工コーティング剤が含まれており、これがダメージを受けた髪をカバーするため、手触りや肌触りを良くしているのです。
石鹸で洗髪を行うと、洗浄力の強い石鹸がコーティング剤を洗い流し、ダメージを受けた素の状態の髪の毛が現れるため、きしみやパサパサ感を感じるようになるというわけです。
石鹸でシャンプーする場合の注意点
石鹸で髪を洗う場合、シャンプーで洗う場合と比べて何か注意することはあるのでしょうか。
まず、石鹸はアルカリ性なので、髪を洗うことによって髪全体がアルカリ性になります。
アルカリ性になると髪のキューティクルが開き、髪は非常に脆い状態となってしまいます。
この状態で髪をゴシゴシこすると髪自体が傷ついてしまいますので、優しく洗う必要があるのです。
また、石鹸カスが残りやすくなりますので、すすぎはシャンプーの場合より丁寧にしっかり行わなければなりません。
もし石鹸カスが残ると頭皮に汚れを残しているのと同じ状態となり、頭皮にとって良くない環境を作ってしまうからです。
さらに気をつけなければならないのは、石鹸はシャンプー以上に洗浄力が高いため、頭皮の皮脂をしっかり落とすという点です。
シャンプーに比べて泡立ちが少ないという違いもあるため、つい洗いすぎてしまう人が多いのですが、石鹸は1回の洗髪でしっかり皮脂を落としてくれますので、洗いすぎると必要な皮脂まで落としてしまうことになりかねません。
洗い過ぎにならないよう注意する必要があります。
また、アルカリ性になった頭髪を中和するため、リンスも弱酸性のものを使用することも忘れないようにしなければなりません。
石鹸とシャンプーを比較!メリットとデメリットは?
ここまで読まれた方は、おそらく「石鹸シャンプーは想像以上に手間がかかる」と思われたのではないでしょうか。
それでも石鹸シャンプーを行うメリットとは何でしょう。
シャンプーと比較する形でその違いを見ていきましょう。
まず、石鹸シャンプーの大きなメリットは、自然由来の成分によって作られていることによる、肌や頭皮への負担の少なさです。
様々な添加物が含まれているシャンプーを使い続ける事によるダメージの蓄積を軽減させるだけでなく、石鹸シャンプーを使い続けることで髪を本来の健康な状態に戻していくことができるようになるのです。
また、シャンプーに勝るとも劣らない洗浄力を持ちながら、かなり安価であることも魅力の一つでしょう。
逆にデメリットとしては、洗い方やすすぎ方、洗髪後のリンスなど、気を遣うポイントが多いため、シャンプーよりも手間がかかることが挙げられます。
また、使い始めはどうしてもきしみやパサパサ感を強く感じるため、シャンプーのような爽快感を得られないところもマイナス要因と言えるでしょう。
髪と頭皮の健康のために石鹸シャンプーにトライ!
本当に自分の髪や頭皮の健康を考えるのであれば、多少の手間暇はかけても、石鹸シャンプーを行うメリットはありそうです。
実際に体験した人の意見を聞くと、やはりシャンプーで洗髪を行うのとは違い、最初に違和感はあるが、それを乗り越え続けていくと髪が健やかになることを実感できるそうです。
最低でも半年間我慢すると髪が徐々に修復されていき、やがてきしみやゴワゴワした感触はなくなっていくそうです。
いずれにせよ、最初の違和感を乗り越えられるかどうかが最大のポイントになりますので、まずは手持ちの固形石鹸(できれば無添加のもの)を使ってお試しし、続けるかどうかを判断するのが良いかと思います。
その上で続けられると判断した場合は、水に溶けやすく扱いやすい液体石鹸に切り替えるなどの工夫を行いながら、じっくりと髪を修復していくようにしましょう。
これまでの長年の習慣を変えるのはなかなか難しいかと思います。
しかし、髪と頭皮の健康を保つためには、努力や手間暇を惜しんでいては実現できません。
本当に髪や頭皮の健康を考える方は、一度やってみる価値はあるのではないかと思います。
やる価値はアリ!?お試しした上で判断を
石鹸を使ってシャンプーすることは、これまでの長年の習慣を大きく変えることでもあり、なかなかハードルの高いものかもしれません。
しかし、髪と頭皮を健やかに保てるという大きなメリットのある石鹸シャンプーは、多少の努力や我慢をしてでもやる価値のあるものではないでしょうか。
まずは、どのようなものなのか、手近にある固形石鹸を使って試してみた上で、続けられるかどうかを判断する形をとるのが最適でしょう。