2016年9月にアメリカの食品医薬品局であるFDAが一部殺菌剤入り薬用石鹸の販売禁止措置を発表しました。
これを受けて日本でも厚生労働省がFDAの指摘する19成分を使用した薬用石鹸に関して、成分切り替えの指導を出しています。
根強い人気の薬用石鹸ミューズですが、このFDAの措置及び厚生労働省の指導を受けて、果たしてミューズの含有成分は変わったのでしょうか。
敏感肌で手先が荒れ気味な男性は、成分に注目してみましょう。
そもそも薬用石鹸成分騒動のきっかけとは?
2016年9月アメリカにおいて、食品医薬品局であるFDAがトリクロサンやトリクロカルバンなど19種類の成分(殺菌剤)をあげ、これらを含有する抗菌石鹸(薬用石鹸)の販売禁止措置が取られました。
・抗菌石鹸(薬用石鹸)が一般的な石鹸よりも感染予防に秀でているという科学的根拠がないこと
・耐性菌を生み出す危険性や、中でも成分の一つであるトリクロサンは、使い続けると健康への危険性があること
この二つが、この措置の理由として発表されています。
これを受け我が国日本でも、指摘された19種の成分を使用した薬用石鹸に対して、厚生労働省が成分切り替えの指導を通達しております。
しかし、これらの措置や指導は、いずれも薬用石鹸に限定されたもので、これ以外の日用品(歯磨き粉、シャンプー、化粧水など)はその対象から外れています。
つまり、出された指導は一部薬用石鹸に適用されたものの、それ以外の日用品においては適用されておりません。
結局、対象となる19種類の殺菌剤(トリクロサン、トリクロカルバンなど)は依然として使われ続けているのです。
これによりトリクロカルバンを有効成分として使っていた薬用石鹸ミューズに注目が集まることになりました。
アメリカ、日本で指摘された19種の薬用石鹸成分はこれ!
日本ではトリクロカルバンを有効成分として使っていた薬用石鹸ミューズを筆頭に注目が集まったこの指導ですが、では一体19種類の成分とは何を指してのものなのでしょか。
次にあげるものが、FDAが発表した19種類の有効成分になります。
【Cloflucarban】クロフルカルバン
【Fluorosalan】フルオロサラン
【Hexachlorophene】ヘキサクロロフェン
【Hexylresorcinol】ヘキシルレゾルシノール
【Iodine complex(ammonium ether sulfate、polyoxyethylene sorbitan monolaurate)】ヨウ素複合体(アンモニウム、硫化、ポリオキシエチレンソルビタンラウリル酸塩化合物)
【Iodine complex(phosphate ester of alkylaryloxy polyethylene glycol)】ヨウ素複合体(リン酸、アルキラリロキシポリエチレングリコール化合物)
【Nonylphenoxypoly(ethyleneoxy)ethanoliodine】ノニルフェノキシポリ(エチレノキシ)エタノリジン
【Poloxamer-iodine complex】ポロキサマー(ヨウ素複合体)
【Povidone-iodine 5 to 10 percent】ポビドンヨード(ヨウ素5~10パーセント品)
【Undecoylium chloride iodine complex】アンデコイリウム塩化物ヨウ素複合体
【Methylbenzethonium chloride】メチルベンゼトニウムクロリド
【Phenol(greater than 1.5 percent)】フェノール(1.5パーセント以上)
【Phenol(less than 1.5 percent)16】フェノール(1.5パーセント未満)
【Secondary amyltricresols】2級アミルトリクレゾール
【Sodium oxychlorosene】ナトリウムオキシクロロセン
【Tribromsalan】トリブロムサラン
【Triclocarban】トリクロカルバン(トリクロロカルバニリド)
【Triclosan】トリクロサン(トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル)
【Triple dye】トリプルダイ(ゲンチアナバイオレット,ブリリアントグリーン,アクリフラビン)
以上です。
全てを覚える必要はありませんが、トリクロカルバン・トリクロサンは代表的な殺菌成分ですので、覚えておくとよいでしょう。
特に注意したいトリクロサン!薬用石鹸ミューズではこの成分は不使用
アメリカ・日本で起こったこの騒動で、特に危険とされた成分がトリクロサンです。
では、このトリクロサンとは一体どのような成分なのでしょうか。
もともとは医薬部外品に指定される「薬用石鹸やうがい薬、洗剤、歯磨き粉、化粧品」などに使用されています。
つまり、一般的な家庭用抗菌剤なのです。
トリクロサンの持つ作用の一つに、エノイル酵素と結びつき脂肪酸の合成を阻害することでの抗菌作用があります。
人体への影響はないとされていますが、科学的立証に欠けています。
経口や皮膚から簡単に人間の体内に入り込めるので心配されているのです。
ある調査機関の研究では、人間の尿や血液、鼻水、母乳などあらゆる所からこのトリクロサンが検出されました。
ここで注視すべきが母乳で、これにより母から子への感染が懸念されています。
このトリクロサンを筆頭とした懸念される化学物質が成分として、いまだに多くの日用品に使われています。
購入の際には注意しましょう。
さて、これにより注目されてしまったのが薬用石鹸ミューズなのです。
これまではトリクロカルバンは有効成分として使用されていました。
しかし、トリクロサンに関しては、過去に遡ってもその使用はありません。
薬用石鹸ミューズサイドの対応!成分の切り替え!
これに対し薬用石鹸ミューズの製造会社であるレキットベンキーザー・ジャパン株式会社(アース製薬は販売提携先となる)はどのような対応を行ったのでしょうか。
まずは、ホームページ上において、「トリクロカルバンを含む当社石鹸製品について」と題した発表をしています。
内容としては、心配を与えたことへのお詫びとともに、該当成分であるトリクロカルバンが含まれるミューズ固形石鹸に関して該当成分の切り替えを提示しております。
対象となるのは、「ミューズ固形石鹸レギュラー」と「ミューズ固形石鹸マイルド」の二品目で、いずれもトリクロカルバン含有商品です。
それ以外の商品には、トリクロカルバンは含有していないこと、トリクロサンに関しては石鹸商品には何年も前からその使用をしていない旨も付けくわえられています。
この発表に則り、この問題に関連する二品目の成分切り替えを随時行い、懸案事項の収束に向かっているようです。
また、この騒動との関係は定かではありませんが、六十年以上の歴史を持つ薬用石鹸ミューズのデザインの刷新や新デザイン商品の発売なども行っています。
このように、新たなイメージへの切り替えが進められてるのです。
やはり使いたい薬用石鹸ミューズ!除菌成分によるその殺菌効果!
これまでに、
・薬用石鹸には人体に有害な成分が含まれている可能性があり、それらの改善指導があること
・薬用石鹸ミューズの固形タイプ二種類もそれに該当し、成分変更対応を行っていること
この点についてご説明してきました。
不安な点はありつつも、やはりこの薬用石鹸ミューズには根強い愛用者が沢山いるのもまた紛れもない事実です。
では、何故そこまで薬用石鹸ミューズが愛されているのでしょうか?
それは、その成分による圧倒的な除菌・殺菌力によるものです。
その驚くべきデオドラント効果は、感動レベルと称されることもあるほどです。
ただし、ゴシゴシと強く擦っての洗浄は危険です。
これは、薬用石鹸に限ったことではありません。
肌への強烈な刺激が、肌のダメージへの蓄積や肌を守るべき皮脂の減少にも直結してしまいます。
過剰な洗浄に、薬用石鹸の成分が加わると肌への負担はとても大きくなってしまいます。
薬用石鹸であれば、強く擦らなくても臭いの原因となる汚れや悪玉菌を充分に落とすことができます。
薬用石鹸ミューズの牙城は、ちょっとやそっとでは崩れないようです。
薬用石鹸ミューズ使用時の注意点!敏感肌の人は気を付けよう!
薬用石鹸ミューズには、危惧されることがありつつも根強い人気があることは既にご説明しました。
ただ、ミューズの特徴でもある強い殺菌力には化学添加物の成分も含有されています。
それ故に、薬用石鹸ミューズ使用における注意点も知っておく必要があります。
【敏感肌の人は注意!】
特殊成分により肌に刺激があります。
足の臭い消しに使う場合は、他の部位に比べて皮膚が厚く丈夫ですのでそれほど心配はありませんが、脇や首筋、耳の裏などに使用する場合には敏感肌の人は注意してください。
刺激が強すぎると感じてしまうかもしれません。
実際に、「肌が乾燥してきた」「肌荒れになった」などの声もあがっているのも事実です。
仮に使用して、「ヒリヒリする」「痛みがある」「発疹がでた」などの症状があれば、すぐに使用を止めてください。
また、その場合は皮膚科の診断を受けることをおすすめします。
それでも薬用石鹸ミューズを使いたいという方には、肌の刺激を考え成分を抑えめにしたミューズマイルドを使われてはいかがでしょうか。
こちらも、肌に不安がある人に愛用されています。
薬用石鹸ミューズの使用は自分との相談で
薬用石鹸ミューズには、その成分から殺菌には充分な殺菌効果はありますが、危険性の危惧も同様にあることは今までご説明してきました。
ミューズの殺菌効果や体臭予防効果で爽やかさUPも可能です。
ただ、成分変更で危険性は取り除けたとしていますが、100パーセントの断言はできません。
肌への負担も考慮しつつ、薬用石鹸ミューズの使用を考えてみてはいかがでしょうか。