男性の中には、生え際の後退によるM字ハゲに、頭を悩ませている人も少なくないと思います。
「前髪の生え際が後退するにつれ、成長していた産毛も、以前のように伸びない気がする…」
その前髪の後退によるM字ハゲの改善に、実は産毛が重要な鍵をにぎっているのです。
この記事では、M字ハゲのと産毛の関係性について、詳しくご説明していきます。
なぜか伸びない前髪の産毛!そもそも産毛とは?
そもそも「産毛」とは一体どういうものなのでしょうか?
基本的に、生まれたばかりの赤ちゃんの顔や手に生えている、柔らかい薄毛を「産毛」と言います。
私達の髪の毛の場合では、一般的に、生えたばかりの細く短い髪の状態を「産毛」と呼んでいますよね。
もう一つの呼び方として、このような髪の毛は「新生毛(しんせいもう)」とも言います。
人の髪の毛には、古くなった毛が抜けて、新しい毛が生えてくることを繰り返す「ヘアサイクル」があります。
その際、健康的な頭皮環境であれば、抜ける髪の毛の量よりも、新たに生えてくる新生毛の量が多くなり、薄毛になる可能性が少ないです。
しかしながら、常に新しく生えてくる新生毛は、ふわふわでとてもデリケートにできています。
例えば、植えたての植物の苗と同じことで、新生毛も頭皮という土壌に根がしっかりと張れていません。
それゆえに、生まれたばかりの新生毛は刺激に弱く、簡単に抜けてしまいます。
そのため、完全な太い髪の毛になる前に抜けないように注意が必要です。
では、おでこの生え際の産毛が伸びない、もしくは、前髪の産毛が増えて後退気味にあるということは、一体どういう状態になっているのでしょうか?
それについて、次項で詳しくご説明していきます。
前髪の産毛が伸びない?M字ハゲはなぜ起こる?
「生え際の産毛が伸びない…」
「前髪の産毛が増えて、前髪が後退したような気がする…」
今まではちゃんと太い前髪があったのに、気が付いたら前髪の産毛が伸びない、あるいは産毛が広がってきてしまったように感じる方は多いのではないでしょうか。
生え際の産毛が増えて「M字ハゲ」になっているのだとすれば、それはAGA(男性型脱毛症)の可能性があります。
AGAとは、成人男性に多く見られる薄毛のことで、特徴としては、主につむじハゲのような頭頂部から、M字ハゲのような前頭部にかけて現れます。
AGAの原因としては、男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン(DHT)」、別名「脱毛ホルモン」とも呼ばれるホルモンが、ヘアサイクルを崩して脱毛症を引き起こすと言われています。
つまり、ヘアサイクルの過程で育つはずの産毛が、ヘアサイクルが乱れることで、成長がストップしたままになってしまいます。
その結果、産毛が増える原因に繋がります。
ヘアサイクルの機能不全は、最悪の場合、二度と髪の毛を作り出すことができない頭皮環境になってしまう恐れもあるので、決して軽視はできません。
では、そのヘアサイクルの仕組みとは、一体どのようになっているのでしょうか?
次項で詳しく見ていきましょう。
産毛とヘアサイクルの仕組みを知ろう!
先に述べたように、へアサイクルとは、文字通り、髪の毛が生えては抜けることを繰り返す周期のことです。
人体で言えば、「新陳代謝」と同じで、古くなった皮膚細胞が「老廃物」や「垢」となって剥がれ落ち、新しい皮膚細胞に生まれ変わることを繰り返すことです。
この現象と一緒で、髪の毛にも生まれ変わるサイクルがあります。
髪の毛にも1本1本それぞれに寿命が存在し、一定の期間を過ぎると抜け落ち、新しい髪の毛が毛乳頭(髪を生成する司令塔)から生成され、同じ毛穴から生えてきます。
健康なヘアサイクルは、以下のように三段階に分かれています。
・成長期約(2~6年)
新しい毛が生まれ、コシのある太く長い髪に成長していく
・退行期(約2週間)
髪の成長が徐々に弱まっていく
・休止期(約3~4か月)
髪の成長が完全にストップする
以上が、ヘアサイクルの簡単な説明になります。
健康的な頭皮環境の場合、一般的に、1日あたり50~100本もの髪が抜けて生え変わっています。
しかし、AGA(男性型脱毛症)の場合は、産毛が満足に伸びないまま休止期を迎え、その産毛は抜け落ちてしまいます。
この状態が前髪の生え際に起きてしまえば、やがて「M字ハゲ」になってしまう可能性があるのです。
しかし、逆に言えば、後退した生え際に産毛が生えてくるということは、まだ成長の改善が見込めると言うことです。
では、その産毛を太く長い髪の毛に成長させるために、AGAの根本的な原因を踏まえて、改善策を探っていきましょう。
前髪の伸びない産毛を育てるために!生活習慣を見直そう!
先に述べましたが、AGA(男性型脱毛症)の原因は、男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン(DHT)」が関与することによって、ヘアサイクルが乱れることにあります。
その他にも、AGAの進行を早めてしまう原因は、普段のの生活の中にあります。
では、その原因を順に見ていきましょう。
【乱れた生活習慣】
・ストレス
ストレスが蓄積されると、AGAの元になる男性ホルモンが活発に分泌されます。
できるだけ生活のストレスを軽減させ、趣味などで発散させていきましょう。
・偏った食生活
体の健康を維持ことと同様に、健康的な髪の毛を作る上でも、バランスのとれた栄養を摂取していくことが重要です。
脂分や塩分が多い食べ物や、外食ばかりに偏るのは控えましょう。
特に、ビタミン、ミネラルやアミノ酸(魚介類、牛乳・乳製品、豆類、肉類)、亜鉛(カキや魚など)といった、髪の生長に良い栄養素を普段の食事に取り入れていきましょう。
・睡眠不足
髪の成長は睡眠中に最も活発になります。
十分な睡眠ができなければ、髪の発毛や成長を妨げる可能性があります。
できるだけ、1日6時間は眠れるように、質の高い睡眠を心がけましょう。
・喫煙
ニコチンには、毛細血管を収縮させる働きがあるため、血流を悪くする元です。
血行不良になれば、髪に必要な栄養分を頭皮まで行き渡ることが困難になります。
喫煙はできるだけ控えていきましょう。
以上が、AGAを更に進行させかねない生活習慣です。
前髪の伸びない産毛を成長させ、薄毛を治していくには、まずは乱れた生活習慣から改善していくことが大事です。
また、薄毛を頭皮から改善していくためには、自分の頭皮に合ったシャンプー選びも大切です。
では次に、頭皮環境を整えていく、シャンプー選びについてご説明していきます。
頭皮環境を整えて薄毛対策!シャンプー選びが重要
この記事を見ているほとんどの人は、毎日シャンプーをして髪の毛を洗っていると思います。
しかし、実のところ、日頃しているシャンプーは、髪の毛や頭皮にダメージを与えています。
どんなに髪に優しいシャンプーを使っても、少なからず髪や頭皮の刺激になってしまうのです。
だからこそ、頭皮環境を整えるためには、自分に合ったシャンプーを選ぶことが重要になります。
反対に、刺激の強いシャンプーを使っている場合、日常的に髪や頭皮にダメージを与え続けることになり、フケや痒みといった、頭皮トラブルの元になります。
では、実際どのようにシャンプー選びをすればいいのかというと、まずは、自分の肌が「乾燥肌」か「脂性肌」のどちらであるかを判断してください。
一年を通して頭皮が乾燥している、もしくは乾燥したフケが出る人は、乾燥肌体質です。
乾燥した頭皮には、できるだけ刺激を抑えるようなアミノ酸系の弱酸性タイプを選ぶのがベターでしょう。
それに対して、常に頭皮や髪の毛が脂で湿っている、あるいはベタベタした汗をたくさんかく人は、脂性肌体質です。
そういった方は、ある程度洗浄力のあるシャンプーを選ぶと良いでしょう。
なお、上記を参考にシャンプーを変えても、フケや痒みが出るようでしたら、また頭皮に合ったシャンプー選びをしてください。
では次に、前髪の伸びない産毛の成長をサポートする、頭皮のマッサージ方法をご紹介していきます。
生え際後退を予防したい!血行改善の頭皮マッサージ法
頭皮を柔らかくほぐしていく頭皮マッサージには、毛根に髪の栄養を行き渡らせる血行促進の効果が期待されます。
また、AGA(男性型脱毛症)の原因であるストレス解消の効果も望めます。
では早速、頭皮マッサージの方法をご説明していきます。
①人差し指・中指・薬指の3本をこめかみのやや上に押し当て、頭皮をゆっくり上下に動かします。
②3本の指をそのまま上下に動かしながら、頭頂部までずらしていきます。
③頭頂部にたどり着いたら、百会(ひゃくえ)のツボを中指でまっすぐ下に押します。
百会のツボは、両耳を真直ぐ上がった線と、顔の中心である鼻を真直ぐ上がった線が、互いに交差するところに位置します。
④今度は、3本の指を額の生え際の中央に押し当て、最初と同じように頭皮を上下に動かします。
⑤3本の指をそのまま上下に動かしながら、こめかみまでずらしていきます。
⑥こめかみにたどり着いたら、手のひらの付け根(手根部)をこめかみに当て、押し回すようにマッサージしてください。
⑦最後に、5本の指先で頭皮全体をポンポンと軽くリズミカルに叩きます。
以上が、頭皮の血行に効果的なマッサージ方法になります。
マッサージを行う上では、決して頑固にならないように、優しくマッサージを行ってください。
前髪の伸びない産毛を成長させていくために、皆さんも是非やってみてくださいね。
産毛を健やかに成長させていこう
前髪の伸び悩む産毛の増加は、M字ハゲの前兆であるとともに、AGA(男性型脱毛症)の疑いもあることが分かりましたね。
しかしながら、まだ産毛が生えてきているということは、自分の生活習慣次第で、その産毛が育っていく可能性もあるのです。
髪の発毛や成長には時間がかかります。
あせることなく、無理のない長期的なAGA対策を行っていくことが、産毛を成長させていく近道と言えるでしょう。