頭皮のかさぶたを剥がす癖が直せずに、悩んでいる方は意外と多いです。
かさぶたを剥がす感覚が病みつきになってしまい、ダメだと分かっていても止められずにいると、頭皮に深刻なダメージを与えてしまいます。
では、かさぶたの原因と、その治療法について考えてみましょう。
頭皮のかさぶたを剥がす癖はどうして直らないの?
まず、頭皮のかさぶたを剥がす癖がついてしまう理由についてです。
なんとなく気持ちがいいから、という理由で頭に手をやる癖がある方は、さすがに血が出たり、かさぶたなどを発見したら止めることでしょう。
頭皮に良くないのは明らかだからです。
ただそれでも、どうしても止められない場合、対処しなければならない問題を抱えているのかもしれません。
その原因として、まずは、やはりストレスが挙げられます。
日頃から、知らないうちに溜まっているストレスによって、頭を掻いてかさぶたを剥がしてしまうこともあるのです。
また、これもストレスにつながることですが、言いたい事を言えずに我慢していたり、感情を抑制しすぎている方にも見られる行動のようです。
心理学的に見て、抑圧されている状態のときに頭を掻いたりする癖がある方は多いと言われています。
そして、これも心理状態のことですが、不安神経症の一つの症状でもあります。
血が出てしまうほど強く頭を掻き、頭皮を傷つけてしまう方は、特に心配な状態です。
剥がす癖を直したい!頭皮のかさぶたの原因①
頭皮のかさぶたを剥がす癖を直すために、かさぶたの原因について、一つずつ説明していきます。
●脂漏性皮膚炎が原因
かさぶたが黄色い場合には、脂漏性皮膚炎が考えられます。
脂漏性皮膚炎というのは、皮脂が分泌しすぎてしまい、マラセチア菌というカビの仲間が大量に頭皮に繁殖し、炎症を起こす状態です。
頭皮の他に、顔にもできることがあります。
鼻のわきや、眉毛のあたりにできやすく、耳の中にもできます。
加齢臭に似た臭いや赤み、かゆみ、痛みなどが主な症状で、つい掻いてしまいます。
症状が悪化するとジュクジュクしてただれたような状態にもなります。
また、抜け毛も起こりやすくなります。
これには、さまざまな原因がありますが、免疫力の低下や皮脂を落としきれていない場合に、現れやすくなります。
生活環境が変わったり、ホルモンバランスが乱れたり、ビタミンB群などの栄養不足が原因とも言われます。
頭皮のかさぶたの原因②
●菌が原因
かさぶたが白いなら、白癬菌の可能性が高いでしょう。
頭皮が白くなるので、「シラクモ」と言われることも多いです。
白癬菌は水虫の原因菌で、頭部白癬になると、かゆみやフケ、赤み、抜け毛が起こります。
この他、黄色ブドウ球菌が原因のこともあります。
黄色ブドウ球菌は頭皮のかさぶたを剥がす癖がある場合、爪についてしまいますが、その手で食べ物を食べると食中毒のリスクもあります。
●傷が原因
頭をどこかにぶつけたり、頭皮を何かで傷つけたときに、自然とかさぶたになるということです。
この場合は、血の色が混じった赤黒いかさぶたです。
この場合は、そのまま治って自然にかさぶたが剥がれれば完治しますが、かさぶたを剥がしてしまい、それが癖になると、傷口から菌が入って炎症を起こしてしまいます。
かさぶたの状態になるとかゆみがともなうので、かさぶたを剥がす癖がついてしまうという方も多いのです。
●合わないシャンプー、カラーリング、パーマ
頭皮が強い刺激を受けて炎症を起こし、頭皮が傷み、かさぶたができることもあります。
頭皮のかさぶた・炎症の原因と治療法①
このように、頭皮のかさぶたの原因はさまざまですが、まず大切なこととして言えるのが、症状を発見したら早めに皮膚科に行くことです。
市販薬や、以前に似た症状で処方してもらった薬を勝手に付けると、間違っていた場合、炎症が治らないかもしれません。
特に、脂漏性皮膚炎に効くステロイド(副腎皮質)系の塗り薬は、菌が原因の炎症に塗ると、かえってひどくなってしまいます。
かさぶたの色などで、ある程度の判断はできますが、必ず専門医に見てもらった方がいいでしょう。
問診の際に、かさぶたを剥がす癖があることも伝えてください。
では、それぞれの原因別の治療について、どんなことが行われるのか簡単にご説明します。
〇脂漏性皮膚炎
前述しましたが、ステロイド薬で治療します。
ステロイド薬は、なるべく短期間での使用が推奨されています。
長期間にわたって使うと副作用のおそれがあるからです。
ただ、治りきっていないうちに塗るのをやめてしまうと、かゆみが再発してしまいます。
きちんと、医師に相談しながら使うことが大切です。
また、ステロイド薬で炎症を抑えつつ、抗真菌薬を併用する治療が行われることも多いです。
ちなみに抗真菌薬に似た成分の入ったシャンプーもあり、それを使って徹底的に治す方法もあります。
さらに、飲み薬も処方される場合があります。
かゆみ止め効果のある抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などが一般的です。
頭皮のかさぶた・炎症の原因と治療法②
〇白癬菌
白癬菌が原因で、頭部にかさぶたができて、剥がす癖がついてしまった場合、やはり皮膚科で薬を処方してもらいます。
抗真菌薬を塗る他、テルビナフィンやイトラコナゾールなどの飲み薬で、頭皮の奥まで侵入した白癬菌を撃退するのです。
見た目では治っているように見えても、完治してはいないこともありますので、治療は自己判断で止めずに、医師に相談しましょう。
〇傷
これは、そのまま触らないでいられれば自然と治ります。
〇合わないシャンプー、カラーリング、パーマ
もしかしたら、心当たりがある場合もあることでしょう。
シャンプーを替えたり、行き慣れない美容院にいったりしたすぐ後に、頭皮に違和感を感じたら、そのせいだと思うのは自然なことです。
ですが、もしかしたら他の原因かもしれませんので、ひどい場合は皮膚科に行くのが賢明です。
ただ、頭皮を掻く癖がついていなかったり、症状が軽い場合などは、シャンプーを低刺激のものに替えたり、触らずに様子を見てもいいでしょう。
かさぶたを剥がす癖を直す努力!生活の中での改善点
それぞれの治療法を見てきましたが、どの場合でも言えることは、薬だけに頼るのではなく、生活習慣や癖も改善する、ということです。
頭皮のかさぶたを剥がす癖が治らないなら、爪を短く切って、寝ている間に掻かないように手袋をするというのも一つの対策になります。
綿手などでもいいのですが、「寝る時かかない手袋」という商品もありますので、ご検討されてもいいでしょう。
また、頭皮の脂が多い方は洗浄力の高いシャンプーで毎日、丁寧に洗ってきちんとすすぎましょう。
もし乾燥しがちな方は、洗いすぎに注意して、しっとりタイプのシャンプーを選んでください。
そうした方は、必ずしも毎日、洗髪する必要はありません。
そして、栄養はしっかりとってください。
ビタミンをしっかりととり、バランスのいい食事をして、睡眠不足にも気をつけ、なるべくストレスを溜めない生活を心がけましょう。
その他、飲酒やタバコ、糖分の過剰摂取や刺激の強い食べ物などは、頭皮の皮脂を分泌させやすくしますので、ご注意くださいね。
頭皮のかさぶたは体からのサインかも!?
頭皮のかさぶたの原因と治療法について、ご説明しました。
かさぶたを剥がす癖がある方は、自分を律して直していってください。
頭皮の炎症がひどくなって抜け毛が増え、みすぼらしい頭になってしまうような事態は避けたいですよね。
このような頭皮トラブルは、日頃の疲れやストレスをそのままにしている場合にも起きやすいことです。
体が「少し休んだら?」というサインを出しているのかもしれませんよ。