つむじの薄毛をなくす方法とは?植毛手術について知ろう!

人から指摘されて初めて気づくつむじの薄毛は、自分の目では直接見ることができないため、自分から気づくことは難しいですよね。

そのつむじハゲをなくすために、様々な方法を試してみるも、効果が見られないという方も、少なくはないでしょう。

そこで今回は、つむじハゲをなくす手段の一つ、植毛手術についてスポットを当てていきます。

なぜつむじハゲになるのか?つむじハゲのメカニズム

つむじハゲは、なかなか自分では気づくことができないため、指摘されて気づいたときには、症状が悪化している場合があります。

つむじハゲをなくす植毛手術について知る前に、つむじハゲについてしっかりと理解していきましょう。

まず、つむじハゲのほとんどは男性型脱毛症(AGA)が原因です。

AGAは男性に多い薄毛の症状で、早い人には思春期を過ぎた頃から現れ始めますが、AGAの根本的な原因としては、主に遺伝や乱れた生活習慣にあります。

そして、AGAを引き起こすものとして、男性ホルモンが関係しています。

男性ホルモンの一種に、「テストステロン」があります。

もともと「テストステロン」には、筋肉量を増やしたり、性欲をアップさせたりする働きがありますが、自主的に脱毛を促す機能はありません。

しかし、「5αリダクターゼ」という還元酵素が「テストステロン」と結びつくことで、「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化します。

このDHTこそが脱毛の諸悪の根源なのです。

この内容は難しい話なので、分かりやすくまとめてみましょう。

①「テストステロン」+「5αリダクターゼ」=「ジヒドロテストステロン(DHT)」が生成される

②「DHT」が細胞内の受容体と結びつき「TGF-β」を生成

③脱毛信号を伝達する「TGF-β」が「FGF-5」に脱毛を促す

④「FGF-5」が毛乳頭(毛の司令塔)や毛母細胞(髪の毛の元)に、脱毛の指示を出す

このように、男性ホルモンが結合や変化を繰り返して、AGAに繋がり進行していきます。

主に生活習慣の乱れにより、ホルモンバランスが崩れてしまうことが、このような引き金になるのですが、では次に、原因になる生活習慣についてご説明していきます。

つむじハゲの原因は乱れた生活習慣にアリ!

前項で述べたように、男性脱毛症(AGA)はホルモンバランスの乱れにより、ハゲる原因となるジヒドロテストステロン(DHT)が増えてしまい、つむじハゲを誘発することが分かりましたね。

では、ホルモンバランスの乱れや、AGAの進行を早める原因である、生活習慣について見ていきましょう。

AGAを促す生活習慣は、主に4つに分けられます。

①偏った食生活

これは、身体の健康全てに通じることですが、健やかな髪の毛を作る上でも、十分な栄養を摂ることが重要です。

脂分や塩分が多かったり、外食ばかりに偏るのは禁物です。

特に、ビタミン、ミネラルやアミノ酸(魚介類、牛乳・乳製品、豆類、肉類)、亜鉛(カキや魚など)といった、髪に良いとされる栄養素をバランス良く摂りましょう。

②睡眠不足

睡眠中に最も活発になるので、睡眠が十分に取れなければ、髪の発毛や成長に影響が出てきてしまいます。

少なくとも、1日6時間は眠れるように、質の高い睡眠を心がけましょう。

③喫煙

ニコチンには、毛細血管を収縮させる働きがあるため、血行不良の原因になります。

髪の元になる栄養分は、血液を通して運ばれていくので、血流が悪くなると、十分な栄養が頭皮に行き渡らなくなります。

その結果、髪の発毛や成長を妨げ、つむじハゲの引き金になってしまいます。

④ストレス

ストレスが蓄積されると、男性ホルモンが盛んに分泌されます。

前項で述べたように、男性ホルモンは脱毛の元になる「ジヒドロテストステロン(DHT)」を作り出してしまいます。

以上が、AGAを進行させかねない生活習慣になります。

つむじハゲを悪化させないためにも、これらの習慣を見直す必要がありますね。

しかし、これらの生活習慣の改善は、日々の積み重ねが重要なので、発毛の改善に繋がるまでに時間がかかります。

そこで、確実につむじハゲをなくす方法として、「植毛手術」が挙げられます。

つむじハゲをなくす植毛手術!植毛手術ってどんなもの?

つむじハゲをなくす方法としては、植毛手術の他にも、育毛剤や内服薬、頭皮マッサージなどが挙げられます。

しかし、これらの方法は人によって効果が出にくかったり、改善を実感するまでに時間を要するデメリットがあります。

一方で、植毛手術は、薄毛やハゲてしまった部分に、直接的に髪の毛を移植する方法です。

そのため、やはり確実につむじハゲをなくしたいのであれば、植毛手術が効果的な手段です。

植毛手術には、「自毛植毛」と「人工植毛」の二つの方法に分けられます。

・自毛植毛

自分の髪の毛を毛根ごと頭皮に移植する方法で、現在の移植治療では、この方法が主流になっています。

ホルモンの関係により発症する男性脱毛症(AGA)は、特徴として、主に前頭部から頭頂部がホルモンの影響を受けやすいと言われています。

そのため、AGAの影響が出にくい、後頭部などの毛組織を移植することができるのです。

移植した髪がしっかりと生着すれば、髪は今までのように成長していきます。

・人工毛植毛

ナイロンやポリエステルといった、化学繊維で人工的に作られた人工毛を、頭皮に移植する方法です。

自毛植毛は、移植する髪の毛が残っていないとできませんが、その一方で、人工毛植毛は、植毛する本数などに自由が利きます。

このように、植毛手術には二通りの方法がありますが、先に述べたように、現在の植毛のほとんどが自毛植毛になっています。

では、この二つの方法のメリット、デメリットをそれぞれにご説明していきましょう。

つむじハゲをなくす手術!人工毛植毛のメリット・デメリット

まず、人工毛植毛手術のメリット・デメリットをご説明していきます。

先に言ってしまうと、人工毛植毛はデメリット面が大きすぎるため、おすすめできるものではありません。

【メリット】

・髪の毛の量が少ない人でも施術できる

【デメリット】

・皮膚に炎症が生じるなど、拒絶反応を起こしやすい
・自毛のように成長しない
・毛根に汚れが溜まり、細菌が発生しやすい
・人工毛(異物)を埋め込むので抜けやすい
・切れた人工毛が頭皮に残り、感染の原因になる
・定期的なメンテナンスが必要で、高コスト(月2~3回)

以上のように、人工毛植毛には多くのトラブルが潜んでおり、たとえつむじハゲを移植でなくすとしても、頭皮環境には良くないため、最悪の場合、もともと生えている自毛にも影響が及ぶ場合もあります。

それが原因で、アメリカやカナダでは人工毛植毛を法律で禁止しています。

このことから、もしこれから人工毛植毛を検討しているのであれば、これらのデメリットをしっかりと頭に入れておく必要があるでしょう。

つむじハゲをなくす手術!自毛植毛のメリット

前項では、人工毛植毛はデメリットが大きく、頭皮環境の悪化を招く危険性があることが分かりましたね。

では次に、現在主流になっている自毛植毛手術のメリットを見ていきましょう。

・拒絶反応が起こりにくい

自分の髪を毛根ごと皮膚に移植するので、人工毛植毛のような拒絶反応は起きません。

現在の技術であれば、正着率も95%と高いです。

・男性脱毛症(AGA)の影響を受けづらい毛組織を移植できる

AGAは、脱毛ホルモンとも呼ばれる「ジヒドロテストステロン(DHT)」の作用によって、脱毛症を引き起こします。

このDHTを生成する「5αリダクターゼ」の多くは、つむじ周りなどの生え際に存在していますが、先ほど述べた通り、後頭部や側頭部などは5αリダクターゼから受ける影響は小さいです。

したがって、移植先が影響を受けやすいつむじ周りであっても、これらの毛組織を植毛することで、AGAの影響を抑えられると言われています。

・自然な仕上がり

移植した髪の毛が生着すれば、これまでと同様に成長していくので、全体的に不自然のないヘアスタイルになります。

以上のように、自毛植毛は主流になっているだけあって、つむじハゲをなくすには十分なメリットと言えます。

頭皮に異物を入れるわけでもないので、人工毛に比べれば安心もできますね。

つむじハゲをなくす手術!自毛植毛のデメリット

現在のほとんどの植毛は、自毛植毛の手法がとられていますが、少なからずデメリットもあるので、決して万能な方法であるわけではありません。

・植毛する髪の量に限界がある

自毛植毛は自分の髪の毛をを移植するため、広範囲の脱毛部をカバーするには限界があります。

・男性脱毛症(AGA)自体を治すわけではない

植毛が成功したからといって、AGAがなくなることには繋がりません。

移植した部分以外に、AGAの症状が出てくることもないとは言えません。

・生着しないで抜け落ちる

先に述べましたが、現在の植毛技術では、95%の生着率と言われてはいますが、生着しないで抜け落ちてしまう場合もあります。

自毛植毛で重要なのは、移植された細胞が、そのまま生命活動を維持できるかにあります。

・傷跡が残ることも

これは手術方法にもよりますが、メスなどで広い範囲に渡って頭皮を切り開いた場合、頭皮に傷跡が残ります。

近年では、メスを使わない方法が取り入れられているため、傷跡も最低限に抑えられます。

・費用が高額

自毛植毛は保険が適用されない、自由診療とみなされるため、手術費用は全額自己負担になります。

つむじだけに植毛する場合、おおよそ500本の髪の毛があればカバーできると言われており、平均して40~50万かかると思っていいでしょう。

ただ、病院によって費用が変動してくるので、確認が必要です。

以上のように、自毛植毛にしても、リスクやデメリットは少なからず出てきてしまいます。

確かに、確実につむじハゲをなくす方法の1つですが、メリットだけ見て決めずに、担当医とよく相談し、デメリットやリスクを十分把握しておきましょう。

リスクやデメリットをしっかりと理解しておこう

植毛手術は、あくまでも、薄毛やはげをカバーする1つの手段です。

現在では、自毛植毛という革新的な医療技術によって、植毛におけるリスクも随分減りました。

しかしながら、その医療技術に過信せず、失敗やリスク、デメリット面をしっかりと理解し、また、つむじハゲの原因なども踏まえた上で、つむじハゲを治していきましょう。