汗をかいたとき、体から雑巾のような臭いを感じたことはありませんか?
また、男性の中には、体臭が普段から雑巾のような嫌な臭いがすることで、悩んでいる方も多いでしょう。
その悩みを解決するには、まずはその嫌な臭いの原因を突き止め、対策を打っていくことが必要です。
そこで、この記事では、体臭が雑巾臭くなる原因から対策まで、詳しくご説明していきます。
体臭が雑巾のような臭いに!原因その①モラクセラ菌
なぜ体から雑巾のような嫌な臭いがするのか、ご存知でしょうか?
2011年に発表された花王株式会社の研究結果によれば、雑巾のような体臭の原因には、「モラクセラ菌」が大きく関わっていることが分かりました。
「モラクセラ菌」とは、日常生活において、私達の周りのあらゆる場所に存在する常在菌の一種です。
この菌は、部屋干しの洗濯物に付いたタンパク質などを好物とし、それを餌に増殖していきます。
それによって、衣類から雑巾の臭いが放たれ、その臭いが体臭の原因になっているのです。
ただ、雑巾のような臭いの体臭は、その全てが衣類臭によるものに限らず、不衛生な頭皮や髪の毛、実際に体からの悪臭も含まれていることがあります。
したがって、雑巾のような臭いの体臭は、基本的には衣類臭によるものが大きく、それと合わせて、体臭が実際に嫌な臭いを放っていることが原因となっているのです。
では、雑巾臭の原因が1つ分かったところで、他の原因についても見ていきましょう。
体臭が雑巾のような臭いに!原因その②汗について
前述したように、体臭の雑巾のような臭いは、必ずしも衣類臭だけに限らず、様々な原因が元になっています。
特に、日々の乱れた生活習慣が積み重なることで、体から悪臭を放つことも少なくありません。
では、その原因についてご説明していきましょう。
①汗
汗が嫌な臭いを放つ理由としては、「血行不良」と「肝機能の低下」が挙げられます。
・血行不良
血行不良になることで、汗を出す「汗腺」にまで酸素や栄養を送ることができなくなります。
そうなると、汗腺は発汗させるために「解糖系」というエネルギーを放出し、酢酸や乳酸、アンモニアなどの有機物が血中に増えていきます。
そして、このアンモニアが汗となって排出されることで、雑巾のような臭いを生み出します。
・肝機能が低下
肝機能が低下すると、肝臓で分解されるはずのアンモニアが血中に混ざり、その血液は体中に行き渡ります。
血液を原料に作られている汗は、それによってアンモニア濃度の高い汗となって、体外へ排出されます。
②肝機能低下による病気
肝臓は、人体のデトックス機能としての役割を担っているのですが、過剰なアルコールの摂取や乱れた生活によって、機能不全に陥ります。
そうなると、解毒されなかった毒素は、血液と共に体内を巡るようになり、それが汗に含まれて排出されます。
また、このような乱れた生活習慣を続けることで、脂肪肝や肝硬変を引き起こす恐れがあります。
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれるように、病気を患っても自覚症状がないケースが多いです。
そのため、体から雑巾のような悪臭がする場合は、肝機能が低下しているサインかもしれません。
できるだけ早く病院を受診してみましょう。
では引き続き、体臭の原因についてご説明していきます。
体臭が雑巾のような臭いに!原因その③ワキガについて
体臭から雑巾のような臭いがしてしまう原因として、「ワキガ」も大きく関わっています。
「ワキガ」とは、汗腺のアポクリン腺から分泌された汗が、強烈な臭いとなって排出されるものです。
アポクリン腺は、特に脇に集中して存在しており、そこで排出された汗は、皮膚上の常在菌によって分解されることで、嫌な臭いを放ちます。
また、体質によってワキガの臭いも変化し、魚が腐った臭いだったり、雑巾のような臭いだったりと様々です。
その体臭が、ワキガなのか否かを判断するために、耳垢の湿り具合を確認する方法があります。
ワキガ体質の場合、アポクリン汗腺は耳の中にも発達しているため、耳垢が湿っている傾向にあります。
したがって、耳垢が湿っていれば湿っているだけ、ワキガ体質が強いことが分かります。
もし体臭が雑巾臭いと感じる方は、上記のような方法で、ワキガチェックをしてみることをおすすめします。
嫌な臭いの体臭を改善したい!まずは食生活の改善から
これまでに、体臭が雑巾のような臭いになる原因について、ご説明してきました。
モラクセラ菌による衣類臭を除けば、生活習慣の乱れが体の悪臭に影響している場合が大きいでしょう。
では、体臭を予防するための、生活習慣の改善策についてご説明していきましょう。
・食生活
日頃の食生活が、私達の体臭の元になっていると言っても過言ではありません。
例えば、脂肪やカロリーの高い食事が習慣化すると、アポクリン汗腺から分泌される汗も、臭いが強くなります。
特に、アポクリン汗腺は脇に集中しているために、脇から悪臭が放たれるようになります。
したがって、脂分の多い食事から、野菜を中心とした食生活に変えることで、体臭の原因を抑えることが期待できます。
忙しいと、どうしても外食に頼りがちになってしまいますが、できるだけ野菜メインの食事に切り替えていきましょう。
・ストレスを発散する
強いストレスは、免疫力低下に繋がる傾向が大きいです。
免疫力が低下すると、臭いの元となる物質を分解することができなくなるため、排出された汗は嫌な臭いを放ちます。
日常的なストレスを取り除くことは難しいので、趣味や睡眠などで、できるだけストレスを発散することを心がけましょう。
・適度な運動
運動不足は、発汗を促す汗腺機能の低下に繋がります。
汗腺機能は、発汗する際に、汗の余分な成分をろ過することで、質の良い汗を排出しています。
しかし、汗腺機能が低下してしまうと、余分な成分をろ過できずに、臭いのある汗を排出してしまいます。
そのため、適度な運動は、汗腺機能を鍛える上では最も効果的と言えます。
ウォーキングや軽いジョギングでも、十分な効果が期待できるので、少しずつ運動不足を解消していきましょう。
以上の生活習慣の見直しは、体臭の対策だけではなく、健康な体を作っていく上ではとても重要です。
1度に全てを改善していくことは難しいので、無理のないように1つずつ見直していきましょう。
では次に、モラクセラ菌による衣類臭の対策方法についてご説明していきましょう。
嫌な衣類臭をどうにかしたい!効果的な洗濯方法とは
前述したように、雑巾のような臭いの体臭には、モラクセラ菌による衣類臭も大きな原因の1つです。
特に、室内での部屋干しは、洗濯物の生乾きに繋がることが多く、雑巾のような嫌な臭いを発します。
この嫌な臭いを落とすには、粉末の酸素系漂白剤を使うことがおすすめで、臭いの原因となる脂汚れやタンパク質汚れを落とす効果が期待できます。
では、この頑固な臭いを落とす、効果的な洗濯方法をご紹介していきましょう。
①漂白剤をお湯に混ぜる
用意するお湯は、40度~60度が理想で、この温度によって効果的な殺菌に繋げられます。
ただし、熱湯を使用するのは避けましょう。
漂白剤の使用量については、以下の目安になります。
お湯1リットル:漂白剤5g
お湯2リットル:漂白剤10g
②つけ置き
漂白剤を混ぜたお湯に、臭いの気になる衣類を30分つけ置きします。
できるだけ蓋をして、お湯の熱を逃がさないようにしましょう。
③洗濯機にかける
30分経ったら、いつものやり方で洗濯機にかけます。
④乾燥
半乾きは嫌な臭いの元になります。
できるだけ部屋干しは避け、天気の良い日は外で乾かすようにしましょう。
以上が、漂白剤を使った効果的な洗濯方法です。
衣類の臭いが気になる方は、是非上記を参考にしてみてくださいね。
体臭を直接的に予防する!ミョウバン水で防臭しよう
前項では、衣類臭の原因から解決していく、漂白剤を使った効果的な洗濯方法をご紹介してきました。
この他にも、雑巾のような臭いの体臭を、直接的に予防する方法があります。
その体臭予防としては、「ミョウバン水」がよく使われており、体臭を効果的に抑えることができます。
「ミョウバン」は、水に溶けて酸性になることで、殺菌や消臭の効果が期待でき、古くから防臭剤として重宝されてきました。
さらに、組織や血管を縮める「収れん作用」もあるため、肌を引き締めることで、制汗を促すことができます。
では、ミョウバンを使った体臭対策の方法をご説明します。
①ミョウバンを水に溶かす
ミョウバンと水の比率は、「ミョウバン50g:水1.5リットル」です。
②ミョウバン水をスプレーなどに入れる
このミョウバン水を、スプレーなどに入れて、体臭が気になる際に使います。
また、ガーゼに浸して、脇などの臭いの気になる部分に使う方法も良いでしょう。
このように、ミョウバンを使うことで、簡単に体臭予防をすることが可能です。
是非、上記を参考に体臭対策を行ってみてください。
体臭を解決していくために
体から雑巾のような臭いがする原因には、モラクセラ菌による衣類臭、そして乱れた生活習慣や体質的な問題が大きく関わっていることが分かりましたね。
体からの嫌な臭いを解決するために、日々の食生活や運動不足などを見直し、少しずつでも改善していくことが重要です。
また、衣類の嫌な臭いは、漂白剤を使って効果的に撃退し、臭いを気にすることのない生活に変えていきましょう。