近年は、日曜大工がDIYとも呼ばれるようになり、時間の空いたときに自分好みの家具や雑貨の作成や、ちょっとした補修などすることが手軽にできるようになりました。
そこで遭遇する悩みのひとつに、接着剤が皮膚について取れなくなってしまったときの対処法です。
今、困っている方もこれからDIYを始めようと思っている方も、皮膚についた接着剤の取り方をぜひ参考にしてみてください。
慌てないで!皮膚に接着剤がついたときにしてはいけないこと
皮膚に接着剤がついてしまっても慌てずに落ち着いて、取り方を考えましょう。
自分で接着剤を取ることが無理な皮膚の場所もあります。
正しい対処方法を知っておくことで、皮膚への負担を最小限におさえることが可能です。
以下のような誤った対処をしないよう注意しましょう。
【自分で落とそうとする】
瞼や唇などの皮膚が弱い部分についた場合は、自分で接着剤を取ろうとすると危険な場合があります。
接着剤を落とさずに、接着剤を持参してすみやかに医師の診察を受けましょう。
【とっさに拭き取る】
皮膚に接着剤がついてしまうと、慌ててしまいますよね。
とっさに拭き取るということは、一番やってしまう可能性が高い方法ではないでしょうか。
「接着剤が完全に乾く前だから」と、さっと拭けばいいと思うかもしれませんが、禁物です。
とっさにティッシュや紙などで拭き取ろうとすると、ティッシュの繊維や紙くずが皮膚につくことになるだけでなく、化学反応により「発熱・発煙」を伴い、やけどを負う危険があるためです。
【無理やりはがす】
拭き取ることと同時に絶対にしてはいけないことが、「皮膚同士を無理やりはがすこと」です。
男性は力もあるため、とっさに離してしまいたくなりますが、皮膚がはがれてしまう可能性があるため、しないようにしましょう。
【あせって落とす】
皮膚に接着剤がついてしまったことで、慌てて取ろうとすると皮膚を傷つけてしまうことになります。
自宅で正しい方法で落とす場合でも、あせらずに時間をかけて行いましょう。
皮膚についた接着剤の取り方【お湯】
自宅で簡単にできる方法として、まずは「お湯」を使う取り方をご紹介します。
お湯でしたら、誰でも簡単に用意できるので気軽に試すことができます。
慌てて取らなくても大丈夫な皮膚の場所でしたら、入浴時に行うこともできます。
お湯につけたからと無理にはがして取るのではなく、自然に取れるのを待つくらいの気持ちで時間をかけて取る方法となります。
①40度以上の少し熱めのお湯を用意します。
②接着剤がついた皮膚の部分をお湯に15分以上浸します。
③ゆっくりと揉みほぐします。
④白っぽくなり始めたらゆっくりとはがします。
⑤接着剤の残りかすがある場合は、軽石などでこすります。
落ちにくい場合は、②のお湯に石鹸を溶いて併用してみましょう。
また、上記の方法で取りきれない接着剤は、数日の入浴で自然と取れてくるでしょう。
皮膚についた接着剤の取り方【除光液】
除光液にはアセトンという有機溶剤が含まれており、接着剤をはがすために有効な成分となります。
ネイルの手入れに使う除光液は、男性にはあまり馴染みがないかもしれませんが、100円ショップや薬局などで気軽に購入することができます。
しかし、除光液の中には、まれにアセトンが含まれていないことがありますので、接着剤を取るために購入する際は成分を確認するようにしましょう。
使用上の注意としては、皮膚の狭い範囲で行うことと、目や口には使えないことです。
接着剤をとるためにアセトンは有効な成分ですが、皮膚にとっては刺激となりますから、最後はしっかりとケアすることが重要です。
自宅に除光液があり、即効性を求めるときにはおすすめな取り方になります。
①コットンに除光液を含ませ、接着剤がついた皮膚の部分に当て、染み込ませます。
②数分置き、接着剤が白くなってきたら、ゆっくりとはがします。
③落としきれない接着剤は爪用のやすりを使ってやさしくこすり落とします。
④手をしっかりと洗い、ハンドクリームを塗ります。
皮膚についた接着剤の取り方【生活用品】
男性の場合、除光液が自宅にない場合も多いでしょう。
そのようなときは、生活用品を使う取り方で皮膚についた接着剤を取ってみませんか。
保湿剤もオイルも、肌に負担がかからないため、乾燥肌の方には特におすすめの方法です。
自宅にある場合はぜひ試してみましょう。
●保湿剤(ワセリン・ハンドクリーム・リップクリーム)
①皮膚についた接着剤の部分に保湿剤を塗ります。
②数分間マッサージをします。
③接着剤が完全にはがれるようにマッサージを続けます。
④しっかりと洗い、接着剤の残りと保湿剤を落とします。
●オイル(植物油・アーモンドオイル・ベビーオイル)
①ペーパータオルにオイルを含ませ、接着剤がついた皮膚の部分に当て、染み込ませます。
②1、2分馴染ませたら、こすります。
③ゆっくりとはがします。
④しっかりと洗い、接着剤の残りとオイルを落とします。
●歯磨き粉・小麦粉
こちらの取り方は、完全に固まっていない場合です。
①接着剤がついた皮膚の部分に歯磨き粉(または小麦粉)を塗ります。
②接着剤に擦り合わせるようにこすります。
③お湯でしっかりと洗い流します。
皮膚についた接着剤の取り方【はがし液】
はがし液が自宅にある場合は、すぐに使いましょう。
専門のはがし液を使うことで簡単に取ることができます。
また、DIYをするのであれば自宅にひとつ置いておくことをおすすめします。
100円ショップやホームセンターで購入できますから、接着剤とセットではがし液を買っておくと安心です。
手指にも安心して使える商品と取り方をご紹介します。
【コニシ アロンアルフア専用リムーバーはがし隊】
内容量:1本(10g)
参考基準価格(税別):250円
①皮膚についた接着剤の部分に2~3ミリの厚さに塗ります。
②3分ほど待ちます。
③布で拭き取ります。
④落ちるまで繰り返し①~③を繰り返します。
また、防錆潤滑剤(WD-40)やシリコン系の洗剤が自宅にある場合は、はがし液としても使えます。
それらを使用する場合の手順は以下になります。
①ペーパータオルに防錆潤滑剤を塗ります。
②皮膚についた接着剤の部分に、3~4分間ペーパータオルを当て、染み込ませます。
③接着剤が簡単にはがれる状態になっていたら、ゆっくりとはがします。
接着剤が皮膚につかないように予防しよう
接着剤が皮膚につかないように予防をする方法があります。
それは、「使用前にハンドクリームを塗ること」です。
ハンドクリームを塗ることにより、手に油分の膜を作ってくれるのです。
その膜があることで、もし誤って接着剤がついてしまったとしても、膜ごとはがれるため、簡単に接着剤をはがすことができます。
皮膚に接着剤がついたときの取り方よりも、はるかに簡単に取れるのでおすすめです。
万が一を考えて、接着剤を使う前にハンドクリームを塗ることを心掛けてみませんか。
また、接着剤が皮膚についてしまったときの取り方を実践したあとは、必ずハンドクリームを塗るようにしましょう。
最後に、接着剤が皮膚につく予防として軍手を使うという方法は、逆に危険なので絶対にしてはいけません。
軍手を使うことで、軍手についた接着剤が化学反応を起こし、急激に高温になることから皮膚にやけどを負ってしまう場合があります。
もし、やけどを負ってしまった場合は、無理やり軍手を取ることなく、十分に水や氷で冷やしてから医師の診察を受けましょう。
正しい対処法で慌てないようにしよう
接着剤が皮膚につくとまず慌ててしまいますが、一度落ち着いて考えることが大切です。
万が一に備えて、接着剤を購入するときは、はがし液やそれに代用できる除光液などを一緒に購入することをおすすめします。
さらに、予防をすることで皮膚の接着という危険を軽減できるので、「接着剤を使う前はハンドクリームを塗ること」を習慣化させてみましょう。