エラは遺伝によるもので、なくすことなんてできないと言われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
エラが張ってしまうというのは、生まれ持った骨格にもよりますが、多くの場合は筋肉の凝りが原因であると言われています。
そして、凝っている筋肉をマッサージでほぐしてやれば、目立つような形で張ったりすることはありません。
正しいマッサージを行うことで、大部分のエラ張りは解消できるのです。
エラ張りをなくすには?まずエラ張りを知ることから
エラのこりこりした部分というのは、実は関節や骨ではなく、筋肉でできています。
そしてエラ張りの原因のほとんどは、そのエラの筋肉、つまり咬筋の凝りによるものなのです。
咬筋というのは咀嚼するための筋肉の一部で、ものを噛むときに大きく動きます。
また、エラ張りをしている人ほど、この咬筋が過剰に発達してしまっているようです。
マッサージを受けられていない肩凝りと同じで、この非常に発達した咬筋がしこりのように固まってしまい、顔のパーツの中で悪目立ちをしてしまうという理屈になっています。
ちなみにこの咬筋が凝り固まると、中には頭の骨や表情筋がそれに引っ張られるような形で、本来の位置からずれてしまい、その結果として頬骨が他に比べて前方に出て見えたりすることまであるようです。
咬筋が凝ってしまうのには、二つの癖が起因しています。
一つは、集中して何かに取り組んでいる際に奥歯を噛み締める癖、もう一つは、寝ている際に歯ぎしりをする癖です。
というのも、食事中に咬筋を動かして咀嚼をするのと、無意識で歯を食いしばる動作というのは、筋肉の状態が全く違うのです。
ものを噛むときの動作が、筋肉が伸びたり縮んだりするのに比べ、ただ奥歯を噛み締める動作というのは筋肉が硬直したままになってしまい、血行が悪くなるのです。
また、歯を食いしばる癖というのは、自分の体重以上の負荷がかかると言われています。
特に眠っている間、無意識のうちに行う歯ぎしりは、力を制御することができないので、起きているときとは比較にならないほど大きな力を使ってしまっています。
人間一人分の体重が毎晩、あるいは何かに集中する度に起こっているとわかったら、使い過ぎで凝ってしまうというのも納得がいくというものです。
凝りをなくすには、生活習慣の見直しも大切なポイントの一つです。
エラ張りが長期間にわたって続くとたるみの原因にもなる
健康な筋肉は、ゴムのように自由に伸び縮みするものですが、凝りによって硬化しているというのは、弾力を失った状態なのです。
咬筋がそのように弾力を失って、上手く機能しない状態が続くと、他の筋肉などが引っ張られることにつながり、顔のバランスをなくす原因になりかねません。
そればかりか、ほうれい線が生まれやすくなったり、下がった顔のお肉があご周辺に集まり二重あごになってしまう可能性もあります。
筋肉が凝ってしまうというのは、血液やリンパの流れが悪くなっているということでもあるため、顔がむくみやすくもなります。
また、溜まった老廃物によって顔がたるみやすくなるということでもあります。
エラ張りは、単に顔のシルエットを変えてしまうだけではなく、老けた印象を作る原因にもなってしまうため、気づいたときから早急なマッサージ等、対応が必要となります。
エラ張りをなくすには舌を使った内側からのマッサージ
舌回し運動をやることで、硬化した咬筋を内側からほぐすマッサージ効果が得られます。
舌回し運動は、顔中の様々な表情筋をいっぺんに鍛えることができるので、咬筋の凝りによって弊害的に生じた他の筋肉の歪みも同時になくすことができます。
また、舌回し運動によってリンパ節を刺激することにもなるので、むくみを解消やたるみ予防の効果も期待できます。
やり方は簡単で、口を閉じながら歯茎の外側をなぞるように、舌をゆっくりと時間をかけて回すという動作を、時計回り、反時計回りでそれぞれ20回ずつ行います。
目安としては、一日3セットほど行います。
この運動を行うことで、さらにエラが張ってしまうのではないかと心配になるかもしれませんが、前述した通り、寝ている間の歯ぎしりとはかかる負荷が異なります。
何よりも筋肉を硬直させるのではなく、伸縮させる運動であるため、発達するといっても巨大化する懸念がないのです。
咬筋の凝りをなくすマッサージ
マッサージというと、一般的にはお風呂の最中やその前後に行うのが良いとされています。
咬筋については食事をした後に最も筋肉の伸縮によって血流が活性化されているため、食後に実施することを心がけるのが最も望ましいと言えるでしょう。
特に、食いしばりや歯ぎしりの癖を持つ人なら、筋肉がほぐれていることが実感でき、気持ち良ささえ感じるかもしれません。
やり方としては、口を大きく開いたさいに、耳のすぐ前に出てくる出っ張りを探して咬筋の位置を確認し、口を閉じてからその部分を拳でぐりぐり押してやります。
強くやり過ぎると人によっては痣になってしまう可能性があるので、力加減に注意しながら、30回程度を目安にぐりぐり動かします。
それが終わったら、軽く口を開き、両手で挟み込むようにエラを押さえ、内側に押さえつけるように10秒間キープします。
もちろん、終わった瞬間に凝りをなくすことができたかどうかは実感できませんが、すくなくともマッサージ後の気持ち良さは残ります。
これを感じることができたなら、上手くできたと考えていいでしょう。
リフトアップ効果も期待できるエラをなくすマッサージ
三つ目に、最も簡単な方法でマッサージします。
やり方としては、手の付け根部分で、顎からこめかみにかけてのフェイスラインを押し上げてやるだけです。
目安時間は、一回につき一分ほどです。
エラに沿うように手を動かすのがコツで、ついつい歯ぎしりをたくさんしてしまった朝などに行うと、緊張した凝りをなくすことができたのを実感できるでしょう。
ただし、人によって、あるいは時間帯によって肌の調子は異なるので、あまり強くやり過ぎて肌を傷つけないように注意が必要です。
乾燥肌の場合なら、保湿系クリームを塗ってから行うのがいいでしょう。
重力の影響をたくさん受けた一日の終わりと、起床後にそれぞれ行えると、タイミングとしてはベストです。
エラをなくすためにはマッサージでほぐした咬筋に再び凝りを作らないこと!
エラをなくすためのマッサージでいくら凝りをほぐしても、原因である食いしばりをやめなければ元も子もありません。
食いしばり癖をやめるためには、奥歯同士をくっつけないように常に意識をしておくことですが、これは少々難しいかもしれません。
奥歯を直接意識するよりも、舌を正しい位置に置くというふうに意識をした方がいいでしょう。
というのも、舌の位置が下がって奥に沈み込むことで、咬筋に力が入りやすくなり、結局何かのきっかけですぐに食いしばってしまうことになるのです。
正し位置というのは、舌が上あごにピッタリ付いた状態のことを指します。
日中にこれを意識することができれば、徐々に夜寝ているときや、何かに集中しているときでもその位置が動きにくくなり、結果的に無意識的に咬筋に力が入りがちな状況から下方されていくのです。
また、睡眠中にストレスがかかりやすい状態にあると、どうしても食いしばり癖の改善は難しいと言えます。
枕があっていないとか、マットレスが古くなっているなどということがあれば、これを機会に買い替えを考えてみるというのもいいかもしれません。
エラをなくすにはマッサージと生活習慣の見直しが重要
エラをなくすためには、まずは緊張した咬筋の凝りをほぐしてやることが重要です。
歯ぎしりや食いしばりの癖によって、生まれたしこりを取り除いてやり、次にそれを予防する対策を取ることができれば、最初の効果は数週間ほどで見られます。
日常生活で無意識にやってしまっている癖の見直し、咬筋まわりのマッサージを習慣づけてみましょう。