子供の頃にはそんなことなかったのに、気が付いたらエラにお肉が付き始めている、なんていうことは珍しくありません。
しかし、毎日の生活の中できちんと対策を実施することができれば、エラの膨らみやたるみを落とすことは可能です。
今回は、その原因の解説と、解消のためのマッサージの方法などをご紹介します。
エラの肉はなぜ大きくなるのか
エラの肉とは、咬筋と呼ばれる筋肉のことです。
これは、だいたいエラの真上のあたりに位置する筋肉で、食べ物を噛むときに使われます。
そして、このエラが大きくなる理由というのは、ずばりこの咬筋が発達しているためであるとされています。
特に生まれた時から、エラが張っていたわけではない場合は、骨格の問題も考えられますが、咬筋によるものである確率が高いです。
エラを触ってみて、こりこりした筋がわかると思いますが、これが咬筋です。
また、咬筋が大きければ大きいほど、まだまだ小顔に見せる余地が残っているということにもなるので、今の時点で大きいからといって落ち込む必要はありません。
しかし、同時に咬筋が大きいほど、重力によってエラのたるみを作りやすいとも言えるので、触ってみてはっきりわかる場合は、早めの対策が必要です。
食いしばりの解消でエラの肉を小さくできる?
咬筋の発達の原因として考えられるのは、食いしばりと歯ぎしりです。
こう言うと、日常生活のそんな些細な癖くらいで、エラの大きさが変わるほどの変化があるのかと不思議になるかもしれませんが、実は理由があります。
走ったり、泳いだりというような運動によって筋肉に負荷をかけるのと、食いしばりや歯ぎしりによって筋肉に負荷をかけるのとでは、その後の筋肉の状態に違いがあります。
身体を動かすと代謝が上がり、血行が良くなりますが、継続的に一方向にのみ負荷をかけ続けるとその逆のことが起こります。
重い荷物を長時間持っていたり、長距離のドライブをしたときなんかに、肩が凝ったりしますが、咬筋にも同じことが起こるのです。
まして、この食いしばりの癖というのは、パソコンなどに没頭しているときや、何かストレスを抱え込みそれを考え続けているときなど、様々な場面で一日に何度も行ってしまう上、およそ自分の体重と同じくらいの負荷がかかるとも言われています。
寝ている歯ぎしりも完全に無意識化で行っていることであるがゆえに、非常に強い負荷が継続的にかかってしまっているようです。
朝起きて、あごが震えるほど疲労していたり、首のあたりが妙に痛むという人は、歯ぎしりを行っている可能性があります。
また、この咬筋の凝りが日常的に解消されない状況が続いてしまうと、どうしても他の筋肉との連携が上手くいかないこともあってか、年齢の割にたるみやすくなってしまうとも言われています。
咬筋の過剰運動を控えてエラの肉のたるみを解消する
寝たら肩凝りもいくらかましになるのと同じように、咬筋の凝りも使わないように意識すれば、徐々に緩和されていくようになっているようです。
だからといって、ものを食べないようにするとか、あまり噛まずに食べるようにするとなると、別のところで弊害が出てくるのでなかなか難しいでしょう。
意識すべきは、普段何も食べていないときに、上下の歯を接触させないことです。
改めて意識してみるとわかりにくいかもしれませんが、本来歯は上下で接触していない状態が正しいポジションです。
また、歯が噛み合っている状態を作り出さないための一つコツとしては、舌の位置を意識することです。
舌が上あごに付いている状態を作ります。
歯と歯の間に少しだけスペースを空けるように努力し始めると、またそれだけで疲れますが、舌を上あごに付けておくだけなら、そんなに苦労もしないはずです。
舌には舌の筋肉があって、それがあごを疲れさせないように上手くつっかえ棒のような役割をしてくれるようにできているのです。
考えてみれば些細なことですが、この習慣がエラの肉のたるみを少しずつ解消していくことにつながるのです。
エラのたるみを解消するマッサージ
エラ付近、つまり咬筋をマッサージするなら食事後が最適です。
マッサージといえば、とにかく入浴中にやるのがセオリーのように言われますが、こと咬筋に関しては違うタイミングで行いましょう。
というのも、マッサージの効果を最大限に引き出すには、その付近の筋肉が活性化されて、血行が良くなっている状態のときに行うのが一番だからです。
咬筋の場合は、もちろん、朝、昼、晩の食事をした後になります。
また、食事をして筋肉が活性化していれば、一時的に少しだけ肥大化していますから、咬筋を見つけやすいはずです。
やり方としては、口を軽く開き、耳の少し下あたりのポッコリした部分(咬筋)を指二本ほどで、円を描くように押してやります。
一回につき1分ほど続けるのを目安にします。
一回や二回の実施でどんどんエラの肉のたるみが無くなっていくというわけではありませんが、普段咬筋を酷使している人ほど、凝りが解消される際の気持ち良さを体感できるでしょう。
エラのたるみをなくすには寝具の見直しも
寝ている間に歯ぎしりをしてしまうのは、枕が身体に合っていないという可能性が考えられます。
肩の高さや首の長さなど人による微妙な個人差に対応できず、無理な負荷がかかっている場合があります。
あるいは、起きている間には気にならないものであったとしても、無意識化において身体の力を抜いた時や、寝返りを打つときに、ストレスになっているかもしれません。
そしてそういった様々な要因から、人は歯ぎしりをしてしまうようです。
しかし、マットレスや敷布団一式買い直すというのはなかなか経済的にも難しい、そもそもそこまでしなければならないのかという気持ちもあるでしょう。
もし上記の内容に少しでも心当たりがあるなら、枕だけでもオーダーメイドで探してみるのが良いかもしれません。
今より少し高い枕を買うだけで、エラの肉のたるみの緩和ができるばかりか、歯ぎしりの解消にまで繋がると考えれば、検討する価値はあります。
ただし、それさえ難しければ、マウスピースという選択肢もあります。
歯ぎしり防止用のものがドラッグストアなどで1,000円前後で売っています。
中には口臭防止機能が付いているものもあるので、一度くらいは試してみてもいいかもしれません。
ボトックス注射によってエラのたるみを解消させる
歯ぎしり、食いしばり治療のためのボトックス注射というのがあります。
これは、ボトックス注射によってタンパク質の一種を緊張している筋肉に注射をすることで、一定期間その緊張をほぐすという治療法です。
寝るときにマウスピースを付ける必要がないので、マウスピースを付けると熟睡できないという人や、早急な効果を期待したい人におすすめです。
一般的には注射を打ってから三日ほどで効果を感じることができるようです。
理論的には、咬筋の緊張状態を緩和させる状態を長く作り出せれば、自然と凝りは解消され、エラの肉のたるみというのも徐々に目立たなくなっていく、非常に理にかなった方法と言えます。
注射に恐怖を覚える方であっても、約10分間の施術となっており、体感時間はさほど長くないでしょう。
エラを小さくするとはすなわち咬筋を酷使しないこと
エラが大きくなったり、その肉にたるんでしまうというのは、原因として咬筋の凝りによるものが大きいということなのです。
そしてそのためには、歯ぎしりや食いしばりの癖を、いかにして直していくかというところに尽きるようです。
まずは食後のマッサージと、マウスピースを試してみるのが始めやすいでしょう。