もともと体毛が濃い人だけでなく、以前はそうでもなかったのに、年齢を重ねるにつれ体毛が濃くなって悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。
髪の毛は薄くなるのに、ヒゲや脇毛などのいわゆるムダ毛だけが濃くなるのはどうしてなのでしょう。
そのメカニズムを知るとともに、どうすれば体毛だけが濃くなることを防げるのか、濃くなった場合の対処法についてお伝えしていきます。
体毛が濃くなるのは年齢と共に増える男性ホルモンの働き
男性の髭や体毛が濃くなり始めるのは思春期の頃からですが、その年代を過ぎたあとも緩やかなペースで濃くなり続ける人は多いようです。
年齢とともに体毛が濃くなるだけでなく、生える範囲も広がっていくことが多く、そうなると不潔な印象を与えてしまうなど悩みのもとになってしまいます。
また、上手に処理しておかなければ、身だしなみを整えることのできない、だらしない人間という風に見られる可能性もあります。
このように、きちんとしたケアをしなければ、イメージダウンにつながりかねない体毛は、どうして加齢とともに濃くなっていくのでしょうか。
逆に同じ毛であるにも関わらず、頭髪だけが薄くなっていくのはどういうメカニズムによるものなのでしょうか。
その最大の要因は、加齢とともに男性ホルモンのバランスが崩れてくることにあります。
そして、ホルモンバランスが崩れる原因は加齢や生活習慣の乱れによるところが大きいようです。
では、どのように対処すればホルモンバランスを崩さないようにできるのでしょうか。
メカニズムを理解した上で、その方法について考えていきましょう。
男性ホルモンとは
まず男性ホルモンについてです。
性別に関わらず、人の体内には男性ホルモンと女性ホルモンの両方が分泌されています。
このうち、男性ホルモンは体毛を濃くしたり筋肉を成長させる役割を担っている物質で、思春期にこの男性ホルモンが多く分泌されることで体毛が濃くなります。
女性ホルモンは体内の臓器を調節したり管理したりする物質で、髪の毛が伸びることにも関係していると言われています。
男性の場合、年齢を重ねるにつれ男性ホルモンの分泌量が増えていく傾向にあります。
本来、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスは保たれた状態にありますが、加齢などの要因で男性ホルモンの分泌量が優位になると、体毛がより濃くなるというわけです。
ホルモンバランスが崩れ、体毛が濃くなる理由
では、ホルモンバランスが崩れ、体毛が濃くなるのは、どのような理由によるものなのでしょうか?
考えられる理由としては、遺伝や生活習慣が挙げられます。
ホルモンバランスが崩れる際、男性ホルモンに含まれるテストステロンという物質が増えることが分かっています。
この増え方は遺伝によるところが大きく、年齢を重ねることで体毛がより濃くなっていく人とそうでもない人に分かれるのは、このような理由によるのです。
また、生活習慣によってホルモンバランスが崩れる場合、その原因としては喫煙、睡眠不足、慢性的なストレス、運動不足、不規則で偏った食生活などが考えられます。
とくに喫煙や過度のストレスは、テストステロンを大きく増加させる要因となる可能性が高いと考えられています。
濃くなる体毛!どのように処理するのが一番いい?
年齢とともに体毛が濃くなるのはある程度仕方のないことです。
では、濃くなってしまった場合にどのような処理を行うのが正しいのでしょうか。
まず自宅でお金をかけずにできる方法として頭に浮かぶのは、毛抜きなどで抜く、カミソリで剃るという方法ではないでしょうか。
しかし、これらの方法は結果的に肌にダメージを与えたり、より濃く見せてしまうことになりかねないため、あまりおすすめの方法とはいえません。
あまりお金をかけず、自宅で簡単に処理したいという方は除毛クリームを検討されてはいかがでしょうか。
毛を溶かす効果のあるクリームを塗るだけなので、自宅で比較的手軽に行うことができ、また、カミソリやシェーバーで剃った場合に比べ、次の毛が生えてくる時間が長くなるというメリットもあります。
ただし、除毛クリームはタンパク質を溶かす働きもあるため、皮膚がヒリヒリしたり軽い炎症を起こしたりする可能性もあり、効果も一時的というデメリットもあることは覚えておきましょう。
逆に多少の費用をかけてでも綺麗に処理したいと考える方には、脱毛サロンやクリニックでの脱毛という方法もあります。
脱毛サロンでは色素に反応するレーザー光を皮膚に照射して、毛の根元の発毛に関わる組織を破壊して脱毛を行います。
脱毛=女性のイメージが根強かった時代もありましたが、体毛に関するエチケットを気にして脱毛をしている男性は増加傾向にあるのです。
体毛は濃くなるのに頭髪は薄くなる!その理由とは
年齢を重ねると体毛は濃くなるのに、頭髪は逆に薄くなっていくという方も多いのではないかと思います。
ここでは、体毛と薄毛の関係についても少しお話ししておきましょう。
体毛を濃くする要因である男性ホルモンは、もちろん頭髪の濃さにも影響を与えます。
本来、テストステロンが増加すると体毛だけではなく髪も濃くなります。
しかし、血液中のテストステロンが酵素と結びつくとジヒドロテストステロンという物質が生成され、そのジヒドロテストステロンが薄毛を引きおこす働きをしてしまいます。
40代から50代の男性はジヒドロテストステロンが生成される割合が高まることが分かっており、この年代になると生え際が後退したり薄毛となったりする人が増える原因となっています。
つまり、テストステロンが増えることで体毛が濃くなり、さらにジヒドロテストステロンに変化する割合も増えていくため薄毛も同時に進行するという現象が起こるのです。
年齢で諦めないで!崩れたホルモンバランスを回復する方法
では、ホルモンバランスを改善するにはどのような対策を取れば良いのでしょうか。
対策としては、体の内側からの改善と外側からの改善が考えられます。
体の内側から改善する方法としては、ホルモンバランスを安定させる効果のある食材を摂ることが有効です。
といってもズバリ効果のある食材というものは存在しません。
野菜を食べることでビタミンやミネラルを摂る、魚からDHAやEPAを摂取するといった、結局はバランスのよい食事を行うことが、ホルモンバランスを保つ最善の方法ということです。
そこまでの食事が用意できないという方は、サプリで代用することもひとつの方法です。
体の外側からできる対策とは、生活リズムを安定させるということに尽きます。
過度の喫煙や飲酒は控えるようにすること、睡眠時間を確保すること、食事を決まった時間に取るようにすることなどによって自律神経は安定し、ホルモンバランスも良い状態を保つことができます。
その他にも、ストレスを溜め込まないようにすることもホルモンバランスの改善に効果的でしょう。
このような対策を行い、年齢と共に体毛が濃くなるのを少しでも防ぐようにしましょう。
栄養バランスのとれた食生活と生活リズム
体毛が濃くなる理由に男性ホルモンのバランスや働きが大きく影響していることは理解していただけたかと思います。
年齢とともに体毛が濃くなるのには個人差があるとはいえ、多くの人が避けることはできません。
ただ、規則正しい生活でストレスを溜め込まないことや、食生活を改善してバランスよく栄養を摂取することで、ある程度はホルモンバランスを正常に保つことも可能となります。
既に濃くなってしまった体毛を適切に処理するとともに、栄養バランスのとれた食生活と規則正しい生活リズムを保つように心がけていきましょう。