頭の形って、気になりますよね。
特に、短髪の方や、潔くスキンヘッドの方の場合、はっきりと分かります。
頭の形で昔からよく言われているのが、後頭部が出てると賢い、おでこが広いと頭がいい、ということだと思います。
近年の研究では、何が正しいとされているのでしょうか。
後頭部が出てると賢いの?頭の形のタイプ
まず、頭の形について、「後頭部が出てると賢い説」を考えてみましょう。
頭の形は、後頭部の長い長頭、普通の長さの中頭、頭が小さい短頭とに分けられます。
頭を真上から見たときに、どんな形かで判断され、形質人類学の計測項目の一つとされています。
日本では、縄文人が長頭、北東アジア人が短頭の傾向がある、と言われてきました。
他にも、彫りが深く四角い顔が縄文人、面長でのっぺりしているのが北東アジア人だとされています。
現代の日本においては、耳の上が張り出し、後頭部が平らな短頭タイプが多いです。
一方、黒人や白人は長頭タイプが多いようです。
また、日本人でも地域によって違い、近畿地方あたりには短頭が多く、日本海側や北九州、離島には長頭が多いという研究結果が報告されています。
こうした、国や地域によって差がある頭の形ですが、もし「後頭部が出てると賢い説」が真実なら、日本人よりも外国人の方が賢い人が多い、ということになります。
日本人としては、少し切ないですよね。
しかし、これに反論する研究結果がありますので、次項からご紹介します。
後頭部が出てる・大きいからといって賢いとは限らない説
頭が大きかったり、後頭部が出てると賢いのか、ということについては、様々な研究が行われてきました。
ルックスと能力の関係については、世界共通で興味があることなのですね。
ちなみに、1836年、ドイツの解剖学者フリードリヒ・ティーデマンの研究では、脳の大きさと知能は関連性があるとのことでした。
現在、頭の形と賢さには関係があると言われるのも、まったく何も根拠がないわけではないのです。
しかし近年、オーストリアの研究で、それに反対する研究結果が出ました。
研究したのはウィーン大学の国際的チームで、最新のMRIなどの脳撮影技術を駆使し、8,000人の被験者の協力のもとで調査を行いました。
その結果、年齢や性別にかかわらず、脳の体積と知能の関係はわずかで、大きさよりは構造が重要である、ということが分かったらしいのです。
例えば、動物で考えると、一番大きな中央神経系を持つのはマッコウクジラです。
また、体の体積に対して一番大きな脳を持つのは、トガリネズミです。
しかし、人間の方がこれらの動物よりも知能が高いことは明らかですよね。
また、脳の男女差を比較すると、女性の方が小さい傾向にありますが、知能に大きな差があるわけではありません。
こうしたことからも、脳の大きさと知能の高さに密接な関係がないことはうかがえます。
頭が大きい赤ちゃんは賢いという説がある
脳の大きさと知能に関係はない、という研究結果についてお伝えしましたが、人間の赤ちゃんの場合は違うようです。
イギリスのバイオバンクの研究結果によると、赤ちゃんは生まれたときに頭が大きい方が賢い傾向がある、ということなのです。
初めから頭の大きさと知能の関係について調べていたわけではなく、遺伝子や知能と、健康との関係を研究しているうちに、このことを発見したそうです。
また、認知能力と健康状態、体型や脳の大きさは、遺伝子的な影響を受けているという研究結果も出ています。
生まれたときに頭が大きい子、健康な遺伝子を受け継いでいる子は、成績優秀で想像力豊かで、学位をとることも多いということです。
この研究結果に至るまでに、イギリスのバイオバンク(37歳~73歳の50万人規模のデータ保有)のデータ10万人分の調査が行われました。
血液や尿、唾液などの情報から総合的に研究が行われたということで、信憑性は高い結果だと言えます。
こんな研究結果を知ると、全国のママさんは自分の子供の頭が大きいか、後頭部は出てるか、他の子と見比べたくなるかもしれませんね。
おでこが広い・出てると賢いの?
「後頭部が出てると賢い説」の他に有名なものとして、「おでこが広いと賢い説」があります。
なぜ、おでこが広いと知能が高い、と言われるようになったのでしょうか。
単純に見た目で、おでこが広かったり出ていると頭が良さそう、ということがあるかもしれませんね。
ちなみに、脳の中でもおでこの位置に当たる前頭葉は知能と関わる重要な部分です。
「フィネアス・ゲージ」の症例が知られていますが、事故にあい頭蓋骨に鉄棒が刺さり、前頭葉の一部が傷ついてしまった方が、事故前とは人が変わってしまった、というケースがあったようです。
つまり、前頭葉は人格や知能、社会性を決める大切な部分だということです。
「おでこが広いと賢い説」が正しい、というよりは、やはり、脳の構造が決め手になるのでしょう。
もし、この説が正しいとすると、生え際が後退していくにしたがって、どんどん頭が良くなる、ということになりますので、脳科学にうとい筆者でも、信憑性がないことは分かります。
過去の、IQが高い有名人や偉人の肖像画を見ても、頭が良くておでこが広いのか、年をとって広くなったのかは分かりませんよね。
おでこの形と人相学
ルックスと賢いかどうかを結びつける要素として、「後頭部が出てる」ということの他に有名な、「おでこが広い」ということの信憑性について書きましたが、人相学ではどうなのでしょうか。
人相学は、西洋の占いと東洋の占いがあり、それぞれの占い方を調べました。
●西洋の見方
人相学だけではなく骨相学から考えると、おでこの形がよく、広いのは知性の象徴。
知的で論理的な思考能力があることのあらわれ。
こんな風に読まれるようです。
ちなみに骨相学では、「後頭部が出てると幸せになれる」と言われてきたこともあり、赤ちゃんの頭の形を整えようと、たくさんのママさんたちが苦心してきたことでしょう。
●東洋の見方
おでこが広いと強運で、知性にあふれリーダーシップもあり、周囲からの尊敬も集める。
形やシワも重要。
いかがでしょうか。
おでこが広い人にとっては、嬉しい内容ですね。
隠さずに出す方がいい、と占いで言われるのも、おでこが運気を決める重要なポイントだと考えられているからなのでしょう。
後頭部が出てる人の意外なお悩みって?
最後に、後頭部が出てる方のお話に戻りますが、後頭部が張り出していることで、悩んでいる方もいるようです。
頭の形が良く、モデルのようにきれいに出ているならともかく、歪んでいて大きかったり、大きすぎたりすると、短髪の方は気になります。
ロングヘアでも、アップにした時に後頭部にボリュームが出すぎたり、帽子の形によっては似合わなかったり、様々なお悩みがあるようです。
頭の形が絶壁なのがコンプレックスな方にとってはうらやましいかもしれませんが、それぞれ理想は異なります。
他にも、意外なお悩みとしては、「枕が合わない」ということがあります。
あおむけで寝ることが多く、後頭部が出てる人は、枕の形や硬さが合わずに、寝ても疲れがとれないことがあるのです。
枕が合わないことによって、肩こりや頭痛を引き起こすこともあります。
後頭部が出てる場合は、まくらの中央部が低いほうがいいようですが、なんとなく違和感を感じる方もいるかもしれません。
後頭部が出てるとかっこいい、賢いと言われることも多く得なようですが、このような悩みを抱えることもあるのですね。
ルックスと知能の関係は万国共通の話題
赤ちゃんの場合、生まれたときに明らかに頭が大きいと知能が高くなるようですが、体とのバランスも関係してきます。
それだけでなく、体の形のよさも健康状態と密接な関係があり、手足が長くきれいなほど能力も高い傾向にあります。
そういう意味では、「見た目が良い=健康的である=知能が高い」という法則が成り立つと言えるでしょう。
ルックスと中身の関係は、世界各国、共通の話題であり、これからも研究されていくのでしょうね。