頭の形は人によっていろいろあり、また、人種によっても違いがあります。
ハチが張っていたり絶壁だったり、人によって悩みも異なるでしょう。
中でも後頭部の絶壁を気にしている方は多いのではないでしょうか。
絶壁の原因にはどんなものがあるのでしょうか。
また、治し方はあるのでしょうか。
今回は、後頭部の絶壁について詳しく見ていきましょう。
後頭部が絶壁になる原因とは?
人の頭蓋骨の形は、先天的な生まれついての形と、赤ちゃんの頃の寝る姿勢で決まると言われています。
まずは、それぞれの要因について詳しく見ていきます。
●先天的な要因
人種や遺伝によってあらかじめ決まる頭の形と、赤ちゃんが生まれる前の子宮での環境が関わっています。
遺伝について例を挙げると、アジア人は頭が横に広くて、顔が平たい頭蓋骨になることが多いです。
生まれる前の環境については、母親の子宮が狭い場合や、双子で子宮が狭くなってしまう場合に、頭が圧迫されて頭蓋骨が変形する場合があります。
また、産道が狭かったり、出産に長時間かかった場合や、分娩のときに吸引した場合にも、頭蓋骨が変形することがあるようです。
●後天的な原因
後天的な変形は、生まれて3ヶ月程度から目立ってくることが多いようです。
自分で寝る姿勢を変えることができない赤ちゃんは、個性や好みで左右のどちらかを向いて寝ます。
その際に、ずっと同じところを下にして寝ていると、その方向に頭の形がゆがんむことがあるようです。
また、4ヶ月程度から首が座った赤ちゃんは、仰向けで寝ることも多くなるでしょう。
その時に後頭部が下になっていることが多いと、絶壁になる可能性が高くなると言われています。
また、赤ちゃんの頭の変形には、大きく分けて3つの種類があります。
●斜頭症
比較的多い症状で、同時に首の向きが斜めになっていたり、首に何か問題のある場合が多く、首がいつも同じ姿勢になるために起こります。
片側の耳が見て分かるほどに前方へずれていたり、頭の片側がへこんでいたりする特徴があります。
●短頭症
いわゆる絶壁という症状で、頭蓋骨が前後に短く、幅が広くて頭頂部が高い、また、顔が平らなど、いくつか特徴があります。
アジア人によくみられる頭の形です。
●長頭症
頭が前後に長くて、とがっている頭蓋骨です。
病気が原因のこともあるため、レントゲンを撮ることもあります。
頭の形がどのように決まったかを学んだところで、次項では、治し方があるのかについて見ていきます。
後頭部の絶壁の治し方はある?赤ちゃんの対処法ならコレ!
では、頭蓋骨の変形の治し方はあるのでしょうか。
赤ちゃんの頭蓋骨は生まれてすぐは柔らかく、7~8ヶ月程で固くなるとされています。
そのため、固くなる前であれば、いびつな頭の形も治るといわれています。
それでは、赤ちゃんの頭蓋骨の変形を防ぐにはどうすればいいのかというと、赤ちゃんの頭の向きがいつも同じ向きにならないように気をつかうといいでしょう。
あおむけ寝の時には、ドーナツ枕を使うのもいいかもしれません。
また、赤ちゃんが枕を取ってしまうようであれば、背中にタオルを挟む方法もあります。
赤ちゃんがいつも自ら同じ方向を向いてしまうのであれば、そちらを向けないように壁を作ってあげることで、向き癖を治すことができるかもしれません。
他にも、赤ちゃんの興味のあるものを使って向きを変えるなど、後頭部ばかりが下にならないように、嫌がらない程度で工夫してみましょう。
赤ちゃんの頭蓋骨の変形を直す方法は分かりました。
では、大人の絶壁はどのようにすれば治るのでしょうか。
はっきり言ってしまうと、大人の絶壁の治し方はありません。
骨格的なものですから、どうしても絶壁を治したければ、美容整形をするしかないのです。
どのような施術をするかというと、アパタイトという人工樹脂を使って、後頭部の形を作る手術になります。
しかし、手術となるとリスクもあり、美容整形のため保険がきかず、費用も馬鹿になりません。
絶壁は諦めるしかないのでしょうか。
絶壁の治し方はない?!ないなら隠してしまおう!!
絶壁の治し方はないのだと落ち込む前に、なぜ絶壁が気になるのかを落ち着いて考えてみましょう。
「人からどう見られるか」というのが、絶壁を気にする大きな要因ではないでしょうか。
頭蓋骨を治すのは容易ではありません。
しかし、髪型に工夫をすることで見た目を変えて、絶壁を隠すことはできるのです。
絶壁の方の髪形の悩みには、次のようなものがあります。
・後頭部にボリュームが出ないのでカッコ悪い
・後頭部がつぶれていると、ハチが張って頭も大きく見える
もし絶壁を隠したいのであれば、こまめにカットなどの手入れをしましょう。
髪を伸ばしっぱなしにしておくと、伸びた髪がトップのボリュームを減らし、襟足が長くなると、後頭部の絶壁がさらに目立ってしまいます。
そうすると、いくらスタイリングに時間をかけても絶壁は隠せません。
男性でも女性でも、ショートの場合こまめにカットしないと、形が崩れてしまいます。
それは、絶壁であろうとなかろうと関係ありません。
「自分は絶壁だから頻繁にカットしなくてはならない…」とマイナス思考になるのではなく、オシャレを保つにはこまめな手入れは必要なのです。
では、実際にどんな髪形が合うのか詳しく見ていきましょう。
後頭部に丸みを出して絶壁を隠す!!
後頭部の絶壁を隠したいのであれば、「後頭部のボリュームを出して頭の丸みを作り出す」というポイントを押さえましょう。
後頭部にボリュームを出すコツは、襟足を短くカットすることです。
刈り上げて首元をすっきりさせることで、逆に後頭部に丸みが出て見えるのです。
また、ツーブロックにするのも絶壁を隠すにはおすすめです。
トップと後頭部をふんわりさせるようにスタイリングすれば、見た目で絶壁は分かりません。
ツーブロックは仕事柄抵抗があるという方は、ソフトツーブロックといって、さりげなく入れる方法もあります。
ソフトツーブロックは大人っぽい印象になりますから、おすすめですよ。
また、あまりショートすぎるのは苦手という方は、ミディアムもおすすめです。
ナチュラルウェーブで、サイドをツーブロックにしておけば、気分でチラ見せしたりと、アレンジもしやすいでしょう。
また、束感のあるミディアムヘアなら、ふんわりとランダムに動きが出せて、カッコよくもかわいくもなれます。
ひし形のフォルムのマッシュヘアなら絶壁のカバーだけでなく、小顔にも見せてくれます。
絶壁だと、ショートヘアーは頭の形が出てしまうと思って避けがちですが、髪の長さを調整することによって、逆に頭の形をきれいに見せられます。
カットのみでもデザイン次第でボリュームを出すことはできますが、スタイリングなどが苦手な方や、朝時間をかけられない方などは、パーマをかけるのもいいでしょう。
美容師は髪のプロです。
治し方がないと悩むよりも、プロに相談して髪形を変えてみてはいかがでしょうか。
ヘアスタイルやスタイリングで絶壁は隠せるのです。
治し方がないならスタイリングで絶壁を隠す!
カットやパーマでヘアスタイルを整えたら、次はスタイリングです。
治し方がない絶壁をカバーするようにプロの手でカットしてもらっても、翌日再現できないのでは意味がありません。
スタイリングのコツを見ていきましょう。
まずは、ドライヤーの使い方です。
朝起きた時に後頭部の髪がつぶれていたり、寝癖がついていたら台無しです。
しっかりと髪を根元まで濡らしてください。
その後、タオルドライしたら、ドライヤーの風を下から当てていくのがポイントです。
逆立てるように軽く上に引っ張りながら乾かしましょう。
そうすることで、しっかりと髪の根元を起こして後頭部のボリュームを出します。
かなりボリュームが出て、爆発したようなクセがつくと思いますが、それでいいのです。
この後に使うワックスやスプレーの重みでちょうどよくなるので、心配しないでください。
ワックスなどのスタイリング剤ですが、分量に気をつけましょう。
つけすぎると、べたついたり、重みで髪がつぶれたりしてしまいます。
まずは適量を取り、よく手のひらに馴染ませます。
そして、髪の根元からジグザグにつけていきます。
決してなでつけるように上からつけないようにしましょう。
最後に、くしゃくしゃともみ込むようにつけて、髪をふんわりさせます。
毛先をつまむようにつけると束感が出せるので、動きを出すのもいいですね。
スタイリング剤が足りないようなら少しずつ加えるようにします。
絶壁の人向けヘアケア剤とは?
最後に、スタイリング剤やシャンプーについて見ていきましょう。
スタイリング剤は、カットによって絶壁がカバーできているなら、ハードなジェルタイプのものもいいでしょう。
ウェット感が出て、男らしい雰囲気になります。
キープ力もあるので、仕事中など、髪を直せないときでも崩れにくいでしょう。
パーマをかけていたり、ふんわりとボリュームを出したいときは、軽めのワックスをつけて形を整えたら、スプレーなどでキープするのがおすすめです。
シャンプーは、ノンシリコンで補修成分のあるもの、また、洗浄成分の強すぎないものを選ぶようにしましょう。
シリコンは傷んだ髪を保護したりつやを出したりする成分ですが、皮膜効果が高いので、髪に残留しやすいものでもあるのです。
ですから、後頭部の髪がペタッとつぶれてしまうが嫌であれば、シャンプー選びは気をつけたいところです。
治し方がない絶壁ですが、ここまでご紹介した通り、ヘアスタイル、スタイリング、ヘアケアで隠すことができます。
そもそも、世の中には、きれいな頭の形をしている人のほうが少ないものです。
美容師の中にも絶壁の人はいますが、うまく隠しているので気付かないことが多いでしょう。
思い切ってプロに相談すれば、きっと親切に教えてくれるので、悩んでいるよりは、1歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
髪のプロ!美容師に頼って脱絶壁!!
絶壁の原因や、カバーの仕方についてご紹介しましたが、いかがでしたか。
頭の形ひとつとっても、悩みは人それぞれにあると思います。
ですが、解決法はきっとあります。
治し方がないからとふさぎ込んでいてはもったいないですし、それがストレスになり、別の悩みが生まれてしまうかもしれません。
プロのアドバイスを聞いたり、インターネットで調べたりと、方法もいろいろあります。
自分に似合うスタイルをぜひ見つけてみてください。