満員電車の中・エレベーターの中の狭い空間の中で強く感じる中高年齢層の妙な臭いは、女性から敬遠されがちです。
同性の男性でも気になることもあるかと思います。
その臭いの中には、頭皮からの悪臭もあります。
実際に頭皮からの悪臭に悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。
実は、この頭皮の悪臭は、油成分の「皮脂」が原因だともいわれています。
そこで、今回は、悪臭の原因と除去対策についてご説明します。
頭皮の悪臭の原因!油成分が引き起こす?
今現在、頭皮の悪臭に悩まされている方もいることかと思います。
そこで、対策法の前に、まずは頭皮の悪臭の原因を知っていきましょう。
頭皮の悪臭の原因は、油成分(皮脂油)の分泌の多くが凝固することで起こるとされています。
頭皮は、人体の中で皮脂腺(油成分)が非常に多く、皮脂の分泌が活発な部位です。
油分が非常に多いとされている部位としては、鼻から額にかけてのTゾーンがあり、頭皮はこのTゾーンの約2倍もの皮脂腺があるといわれているのです。
この頭皮の皮脂の分泌は、男性ホルモンが影響しています。
そして、男性は女性と比較すると、頭皮から分泌される油成分「皮脂」が凝固してベタつきやすいです。
このことが、悪臭につながる原因となるのです。
ただし、分泌された油成分の「皮脂」がすぐに悪臭を放出するのではありません。
油成分の「皮脂」が凝固することに、原因があります。
この凝固する仕組みとしては、油成分「皮脂」と汗が混じり合った成分が、空気中の酸素と結合して酸化されることによって、凝固していきます。
このように時間が経過して、油成分の変異により悪臭を放出するのです、
そのため、悪臭対策としては、まずこの油成分である皮脂を除去することが必要です。
頭皮の悪臭を防ごう!適度な油脂成分の除去がカギ
ここまでで、頭皮の悪臭の原因が油成分の「皮脂」にあることは、わかっていただけたかと思います。
しかし、毎日洗髪していても、頭皮が臭う場合もあります。
この場合は、毛髪ケア方法に原因があるかもしれません。
頭皮の油成分「皮脂」を除去するため、洗髪時にゴシゴシ力を入れていませんか?
洗髪後に、毛髪を簡単に拭い乾かさずに放置していませんか?
上記の習慣に覚えがある方は、悪臭を放つ原因を自ら作っている可能性があります。
油成分の「皮脂」を過剰に除去することは、悪臭につながるの原因になりまかねません。
頭皮脂は、悪い意味だけでなく、ちゃんとした良い効果も持っており、汗と交じり合い「皮脂膜」となり、皮膚を保護する役割があるのです。
また、頭皮肌表面を弱酸性に保持し、雑菌の繁殖を抑制する役割があります。
そのため、油成分「皮脂」を過剰に除去すると、除去した皮脂を補うため分泌が過剰になってしまうのです。
これが悪臭の原因にもなるので、必要以上に洗浄力の強いシャンプーの使用は避けた方が良いともいえるでしょう。
また、強い刺激により頭皮地肌・毛髪が傷つくと、細菌が混入する可能性があります。
このように過剰に皮脂を除去しようすることは、却って逆効果にもなりかねないのです。
また、毛髪の生乾きによる雑菌の繁殖も悪臭につながりやすいです。
頭皮・毛髪が生乾きの状態は、頭皮に菌が繁殖する・毛髪に空気中の臭い成分が吸着しやすくなります。
そのため、洗髪後は自然乾燥せず毛髪・頭皮から水分をしっかりと除去することが重要になります。
頭皮の悪臭の原因は湿疹・皮膚炎の可能性もある!
頭皮の悪臭の原因は、実はまだ他にもあります。
頭皮の乾燥、頭垢が多い、毛髪の生え際がベタつく、赤変する、痒みを生じるなどの際は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。
脂漏性皮膚炎は、油成分の「皮脂」の分泌が多い方が発症しやすい、皮膚炎のことで、頭皮・鼻周辺・額・耳部の皮脂の分泌が特に活発な部位に発症します。
発症の原因としては、常在菌(マラセチア菌)の異常繁殖です。
マラセチア菌は、油成分「皮脂」を栄養源にしており、正常な頭皮にいる常在菌です。
また、悪玉菌の細菌ではなく、酵母菌でカビやキノコが仲間の真菌類の一種です。
しかし、油成分「油脂」の栄養素と合成し、異常増殖してしまうと常在菌を悪玉菌に変異させてしまいます。
この影響により、有毒な脂肪酸を排泄し、悪臭を放つきっかけとなってしまうのです。
また、この脂漏性皮膚炎の治療法としては、ステロイドが効果的ともいわれています。
そして、顔には軟膏タイプ、頭皮には液体タイプを使用するのが良いとされています。
ただし、注意点もあり、ステロイドの副作用を考えて弱めのステロイドにしなくてはいけません。
このことから、一度、皮膚科の受診をすることをお勧めします。
また、自分でも、適度な皮脂の除去や生活習慣の見直しで予防できるともいわれています。
洗髪のし過ぎが表皮保護機能を除去する?
頭皮の問題としての皮膚疾患は、他にもあります。
それは、皮脂欠乏性皮膚炎(湿疹)です。
頭皮の乾燥が原因で罹患してしまい、乾燥肌・アトピー性皮膚炎の方に多く罹患する傾向にあります。
それでは、なぜ頭皮が乾燥するのでしょうか。
先ほどでもお伝えしたとおり、油成分「皮脂」で表皮の保護機能が働きます。
そのため、過度な洗髪をしてしまうと、この表皮保護機能を除去してしまい、低下します。
この表皮保護機能の低下が、乾燥を引き起こすきっかけになるのです。
特に空気が乾燥する冬場は、頭皮の乾燥を放置していると、洗髪の刺激で湿疹・皮膚炎を発症して痒みを生じる可能性があるので、特にこの季節では頭皮ケアを行いましょう。
もし、頭皮乾燥の状況を見直しても症状が継続する際は、早期に皮膚科を受診することをお勧めします。
油成分の「皮脂」の除去だけではない!生活習慣の見直しも悪臭予防になる
先ほど軽く触れましたが、生活習慣の改善によっても頭皮の状態の改善になります。
油成分の「皮脂」の除去だけではなく、生活習慣の改善にも努めましょう。
1. 肉中心の食生活を控えよう
頭皮の悪臭は、肉食中心の食生活が影響しているともいわれています。
食肉に多く含有する動物性蛋白質・脂肪を過剰に摂取すると、悪臭の元になる成分が体内に溜まり、体臭・頭皮から悪臭放出の原因になるとされているのです。
脂っこいもの常食すると、頭皮の油成分「皮脂腺」の働きが活発になり、皮脂の分泌量が増えてしまいます。
そのため、凝固した成分が悪臭を放ちやすいので、肉中心の生活は控えましょう。
2. 毛髪に必要な栄養素を補おう
毛髪・頭皮は蛋白質(ケラチン)で構成されています。
蛋白質(ケラチン)の生成は、亜鉛・鉄・ビタミンBで行われ、蛋白質を中心に、根菜類・海藻類・きのこ類が健康的な頭皮・毛髪を作ります。
また、ビタミンC・E・ポリフェノールの抗酸化食品の摂取も有効的です。
まだある!生活習慣の見直し
まだ生活習慣の見直しをするポイントがあります。
3. 飲酒・喫煙を控えよう
お酒は肝臓でビタミンBを活用して解毒しますが、同時に毛髪成分も肝臓でビタミンBを活用して成長します。
お酒の過剰摂取は、肝臓に負担を掛けて、頭皮・毛髪の成長を阻害してしまうことにつながります。
また、喫煙はニコチンを無毒化するため、大量の抗酸化成分を消費してしまいます。
そして、ニコチンは血流を悪化させるので、頭皮・毛髪へ影響し、悪臭を放出する手助けをします。
このように頭皮と毛髪の成長を阻害してしまうので、飲酒・喫煙は適度にしましょう。
4. 充分な睡眠をとろう
睡眠は、頭皮・毛髪を健康的な状態にします。
その理由は、睡眠中に成長ホルモンが分泌されるからです。
そのため、睡眠不足になると成長ホルモン分泌が低下しまいます。
血行不良・酸化ストレスにより頭皮状態が悪化して、悪臭放出に加えて脱毛の要因になりかねません。
しっかりとした睡眠をとるよう心掛けましょう。
このように、生活改善を心掛け、頭皮の油成分である「皮脂」の過剰分泌・成分凝固する原因を除去しましょう。
頭皮の油成分を除去して清潔保持!
頭皮から分泌する油成分の「油脂」が、悪臭を放つ原因につながります。
そのため、「油脂」を除去する以外には健康的な生活を目指しましょう。
①身体を清潔にすること
②バランスの良い食生活をすること
③飲酒・喫煙の嗜好品は程々にすること
④適度な運動して発汗させること
⑤十分な睡眠を取り男性ホルモン分泌を促すこと
この①~⑤項目は必須条件ではありませんが、身体を「清潔」に保つことが悪臭放出の重要な対応策になるので、頭皮の悪臭が気になる方は、生活習慣を見直してください。