歯磨きをするときや人と会話をするとき、舌苔が気になるという方は案外いらっしゃるのではないでしょうか。
舌苔があると、口臭の原因ともなります。
その舌苔、少ない人と多い人がいるのはなぜなのでしょうか。
口臭の元でもある舌苔ができる原因を知り、自分でできる「舌苔対策」=「口臭対策」をしていきましょう。
口臭の原因!舌苔とは何?
口臭や舌苔を気にしてしまい、人と喋ることが億劫に感じてしまうことはありませんか。
口臭の原因とも言われている舌苔とは、そもそもなんなのでしょうか。
舌苔は、細胞や食べかすのような汚れなどに細菌が繁殖したもののことを指し、その名の通り、舌に苔が生えたようにみえるものです。
大体、舌苔の色は白いものが一般的ですが、黄色や黒色、紫色のものもあります。
舌苔があると口臭がしてしまうのは、口臭の主な原因の1つである「硫化水素」が関わっていると考えられています。
硫化水素は、舌に付着した汚れに細菌が繁殖することで、その汚れが腐ってしまい発生します。
舌苔は汚れなどに細菌が繁殖したものなので硫化水素が発生しやすく、口臭がしてしまうということなのです。
この舌苔ですが、実は舌苔の量が少ない人と多い人とが存在します。
その差はいったいなんなのでしょうか。
舌苔が少ない人と多い人の違いは?
舌苔は、少ない人もいれば多い人もいます。
その差には、下記のような5つの要因があります。
①唾液が少ない
②口呼吸をしている
③免疫力低下
④いびき
⑤喫煙
これらが当てはまる場合は、舌苔が多い確率が高いと言えます。
その中で、①と②の唾液が少なかったり口呼吸をしている場合は、「ドライマウス(口腔乾燥症)」の可能性があります。
ドライマウスは口の中が乾燥している状態ですので、舌の上にある細菌がさらに増殖しやすい環境です。
細菌が増えると舌苔が多くなる原因となりますので、結果として口臭も強くなるということにつながります。
③の免疫力低下は、ストレスなどが原因で起こってしまいます。
ストレスをためてしまうと自律神経にも影響を及ぼし、唾液が少なくなってしまうことも考えられます。
唾液が少なくなることは、さきほどお話ししたドライマウスにもつながりますよね。
④のいびきに関しても、口呼吸をしているわけですから、やはりドライマウスの原因ともなります。
⑤の喫煙も、タバコを吸っている間は口呼吸をしていて、さらに、タバコに含まれるタールが舌に付着してしまいますので、それが舌苔の原因となるのです。
舌苔が多い原因①
舌苔が多くついてしまう原因を、さらに掘り下げてまいりましょう。
さきほどお話しした5つの原因の他に、舌苔が多い人は下記のようなことが考えられます。
■硬い食べ物をあまり食べない
硬いものをあまり食べずに柔らかいものばかり食べていると、咀嚼の回数が減ります。
咀嚼の回数が減ると唾液の分泌量が減少しますので、口の中が乾燥してしまう状態となります。
■飲酒
アルコールを摂取すると、口の中が乾燥しやすい状態となります。
■水分をあまり摂らない
水分を摂らないと、十分な唾液量を作ることが難しくなります。
口の中に十分な唾液量がないと、口の中が乾き、舌苔ができる原因となるのです。
■睡眠不足
睡眠不足だと、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
自律神経のバランスが乱れると、唾液をたくさん出すと言われている「副交感神経」より、唾液が出にくくなると言われている「交感神経」が多く働くことになります。
唾液が出ないと口の中が乾燥するということなので、やはり舌苔の原因となるのです。
舌苔が多い原因②
舌苔が多い人には、これまでお話ししてきた他にも原因があると考えられています。
■舌乳頭が長い
生まれつき、舌の表面の舌乳頭(糸状乳頭)と呼ばれるものが長い方がいらっしゃいます。
舌乳頭が長いと、そこに汚れなどがたまりやすくなってしまうので舌苔が多くなる原因となるのです。
また、生まれつきではなく、胃腸が弱っていることが原因で舌乳頭が長くなってしまう方も存在します。
そのような方は、胃腸の調子を整えるように心がけましょう。
なるべく、規則正しい食生活を送るようにしてくださいね。
■歯磨きの仕方
歯磨きがきちんとされていないと、細菌がさらに増殖する原因となります。
細菌が増殖すると舌苔も増えますので、口腔内環境は常に清潔にするようにしましょう。
特に、寝る前の歯磨きは入念に行うようにしてくださいね。
このように、舌苔が多くなる原因はさまざまです。
舌苔でお悩みの方でこれらの項目に該当する場合は、それぞれの解決策にあわせて対応していきましょう。
気になる舌苔を取る方法
舌苔が多い人は、誰かと会話をするとき恥ずかしい気持ちになるかもしれません。
できることなら、舌苔を綺麗に掃除してしまいたいですよね。
その舌苔を綺麗にするには、「舌ブラシ」を使用するという方法があります。
舌ブラシは、ブラシが扇形に広がっているものでドラッグストアなどで購入することができます。
舌ブラシの使い方は下記の通りとなります。
①舌をできるだけ出し、舌苔が付着している部分を鏡でよく確認してください。
②舌ブラシを水で湿らせ、ブラシを舌の後方から前方へ当ててください。
このとき、力は入れないように気をつけてくださいね。
③舌に当てた舌ブラシをよく水で洗います。
④汚れが舌ブラシにつかなくなるまで、これらを繰り返します。
ただし、舌ブラシの使用は1日1回だけにするようにしてくださいね。
1日1回以上行うと、舌の粘膜を傷つけてしまう可能性があるためです。
また、「舌ブラシ」ではなく「歯ブラシ」を使って舌をブラッシングするのも舌の粘膜を傷つけてしまう原因となりますので、避けるようにしてくださいね。
舌苔が多い方必見!舌苔を減らす秘策
舌苔ができる原因も分かり、舌苔を減らす努力をしたいものの、「日々の生活が忙しく睡眠時間がなかなかとれない」「付き合いで飲酒は避けられない」など、生活習慣を変えることが難しいという方もいらっしゃることでしょう。
そのような方におすすめの方法があります。
それは、納豆や山芋などの「ネバネバ食品」を食べることです。
ネバネバする成分には細菌の動きを抑える働きがあるので、舌苔が多い人はすすんで食べるようにしてみましょう。
次に、キウイフルーツやパイナップルなどを食べることです。
舌苔は汚れ(食べかすなど)に付着した細菌などで、タンパク質です。
キウイフルーツやパイナップルなどには、タンパク質を分解する酵素が含まれているので舌苔を綺麗にする性質があるのです。
最後におすすめしたいのは、「上顎に舌を擦りつける」ということです。
上顎に舌を擦りつけることで、舌をそこまで刺激せず舌の表面についた舌苔をとることができます。
また、舌を動かすことは唾液をより多く出すことにもつながりますので、ドライマウスにも効果が期待できます。
これらは、普段の食事に足してみたり、ふと気がついたときにするということだけで舌苔を改善できるかもしれませんので、舌苔でお悩みの方は是非とり入れてみてくださいね。
舌苔を減らして口臭を防ごう
舌苔は、見た目の悪さだけではなく嫌な口臭の原因ともなります。
舌苔ができてしまう原因はさまざまですが、その原因によって対策方法は異なってきます。
自分はどの場合に当てはまるのか、舌苔ができてしまう原因を突き止め、改善対策を行いましょう。
舌苔がなくなれば、人との会話にも自信が持てるようになるかもしれませんよ。