意外と他者からチェックされているのが、耳周りです。
耳垢が溜まって見えているようでは、好印象はもたれませんよね。
だからこそ、常に清潔にしておきたい場所でもあります。
お風呂上りなどに誰もが気軽にやっている耳掃除。
実は、固い耳垢が取れないと強引に掃除してしまうと、傷めてしまうことになります。
今回は、耳垢掃除についてお話ししていきます。
耳垢はいらないものなの!?
耳垢が沢山溜まっているのを目にするのは、気持ちの良いものではありませんね。
特に女性は、男性に清潔感を求めるので、そういった細かい部分もよく見ています。
女性だけでなく男性も大抵の人が、耳垢は不潔で、固いし取れない厄介なものだと思っているでしょう。
しかし、それは大きな間違いです。
誤解している人も多いので、ここで耳垢についての知識を深めておきましょう。
基本的に耳垢は、耳道の3分の1の外側部分に溜まります。
会話や食事などで顎を動かすことにより、自然と耳の外へと移動していくのです。
嫌われ者の耳垢ですが、抗菌効果や潤滑剤のような役目を果たしてくれています。
大切な鼓膜を老廃物から守ってくれているのです。
頼りがいのあるガードマンみたいですよね。
天然の潤滑油を供給してくれるありがたいガードマンを、私達は頻繁に綿棒や耳かきでせっせと除去しているのです。
詳しいことは後述しますが、実は耳掃除をしない方が耳の健康のためにはベターなのです。
耳垢の掃除のし過ぎに要注意
耳の穴や耳の中の壁は、顔や手足と同じ皮膚でできています。
皮膚は新陳代謝によって古くなったものが垢となり、はがれ落ちますよね。
それは耳の中でも同じことがおきています。
それが私達がいつも呼んでいる「耳垢」の正体なのです。
耳には自浄作用がありますし、何よりも、たった1日耳掃除をしていないだけで、沢山溜まってしまうということはありません。
ゆえに、耳掃除は基本的にはしなくて良いのです。
よくよく考えてみると、動物の中で耳掃除をしているのは人間だけなのです。
前項でお伝えしたように、そもそも耳垢には耳の中を守る大切な役目があります。
自浄作用が備わっているにも関わらずやたらに耳掃除をすることで、耳垢を外耳道の奥に押し込んでしまうだけでなく、鼓膜や外耳道を傷つける原因にもなりかねないのです。
耳掃除をするとしたら、2週間に1度程度で十分です。
次項では、よく起こりがちな「耳垢が固い!取れない!」といった耳垢トラブルの原因についてお話しします。
耳垢が固い!取れない!耳垢が多くなる原因
さて、ここでは「耳垢が固い!取れない!」といった状態になったり、耳垢が多くなる原因についてお伝えします。
●耳掃除のやりすぎ
これは意外かもしれませんが、耳垢が多くなる原因の一つに、耳掃除のやりすぎが考えられます。
あまり手をかけすぎてもそれが刺激になってしまい、かえって逆効果になるのですね。
耳掃除によって耳垢を奥に押し込んでいることもあります。
●耳垢が自然に外に排出されにくい
耳の形も人それぞれのように、外耳道が狭い男性もいます。
そういうタイプの人は、根本的に耳垢が溜まりやすいです。
また、カサカサした乾燥タイプではない、湿り気のある耳垢タイプの人は、重さがある分排出されにくいため、耳垢が溜まりやすいと言われています。
無理に自分で耳掃除をしようとせずに、耳鼻咽喉科で定期的に耳掃除をしてもらった方が賢明です。
耳垢を柔らかくする薬剤を使って洗浄、吸引してくれますよ。
●耳掃除が嫌い
男性の中には耳掃除が苦手で嫌いな人もいるはずです。
固い耳垢は素人では取れないです。
やはり、耳鼻咽喉科で安全に除去してもらいましょう。
耳垢が詰まって固いし取れない!もしかして耳垢栓塞?
繰り返しお伝えしますが、私達人間には顎を動かすことなどで耳垢を自然に排出させるシステムが備わっています。
そのため、耳掃除は本来必要ないと主張する専門医もいます。
ところが、全く耳掃除をしないと、ある病気になってしまう可能性があるのです。
それは「耳垢塞栓(じこうそくせん)」です。
固い耳垢などで耳の奥が塞がれてしまいます。
耳垢栓塞の症状は、
・耳が詰まっている感覚がある
・耳が痛い
・聞こえの感覚や聴力が落ちた気がする
・耳鳴りがする
・痒み、臭い、分泌物がある
・咳が出る
などがあります。
子どもに多い病気ですが、大人の男性でも正しい手入れがされていないとなる可能性があります。
耳垢塞栓は耳掃除の際に、耳垢を奥に押し込んでしまい取れない状態が何度も繰り返されることによって起きる場合もあります。
また、耳垢を取り過ぎて乾燥し、細菌やカビが繁殖することで慢性的に炎症を起こす「慢性外耳炎」と呼ばれる病気もあります。
いずれも耳鼻咽喉科へ受診してください。
固い耳垢が取れない耳垢栓塞を事前に予防しよう
耳垢栓塞に、知らず知らずになっている男性もいるかもしれませんね。
聞こえが悪くなると、仕事にも支障が出てしまいます。
「耳垢が多くなったな」「固い耳垢が取れない、または取れにくくて溜まっているな」と感じたら、耳垢栓塞になってしまう前に予防策をとりましょう。
その方法を以下にご説明します。
●耳垢を柔らかくする
市販されているベビーオイルを数滴、外耳道に入れます。
そうすることで固い耳垢は柔らかくなり、排出されやすくなります。
●耳洗浄をする
耳垢の蓄積や栓塞を予防する手段として「耳洗浄」が有効と言われています。
身体は毎日洗っても、耳の中を洗うという意識はなかったですよね。
意識して見てみると、ドラッグストアなどでも家庭用の洗浄キットが販売されていますよ。
そちらを利用するのももちろん良いですが、簡単に洗浄できる方法があります。
それはお風呂場のシャワーを使うことです。
シャワーのお湯に向かって耳を傾けて、耳の中にお湯を溜めてください。
お湯が耳に溜まったら、頭をクルンとひっくり返しましょう。
お湯と一緒に耳垢が排出されるそうですよ。
●定期的に耳鼻科で掃除してもらう
予防対策としては、やはり専門医への定期的な受診が最もおすすめです。
耳掃除をする際のコツ
最後に、家で耳掃除をする際のコツをお伝えします。
●耳掃除は月2回までに抑えること
何度もお伝えしますが、やり過ぎは禁物です。
もちろん、力を込めて耳掃除するのはもってのほかですよ。
●耳掃除は穴の入り口から約1cmくらいまで
誰もが一度は誤って、耳の奥深くにまで耳かきを入れてしまい、痛い経験をしたことがあるでしょう。
幼い頃にそういった経験をして、耳かきがトラウマになってしまった人もいるのでは…。
耳掃除によって耳垢を奥深くにある鼓膜の方へ押し込んでしまうと、大事な鼓膜を傷つけてしまう恐れがあります。
そういった危険を避けるためにも、耳の入り口から約1cmくらいを目安にして掃除しましょう。
●外耳道の壁を強く擦らない
ついやってしまいがちですが、耳かきや綿棒で強くこすっていませんか。
耳垢を取ろうと必死になってしまい、力加減がうまくできなくなってしまうことも実際には多いです。
その結果、外耳道の皮膚を傷つけてしまい外耳炎を引き起こす場合があります。
あくまでも優しく行いましょう。
また、ガードマンとしても活躍してくれる耳垢を、全て除去してしまわないように気をつけてくださいね。
もしも耳の違和感や耳が詰まった感じがなかなか取れない場合や、固い耳垢が詰まっているとき、もしくは耳だれが出てきたら、早めに耳鼻咽喉科へ受診することをおすすめします。
正しく耳掃除をして耳の病気を予防しよう
耳の中や耳周りのケアは、清潔感を保つためにも大切な身だしなみの一つです。
耳の後ろからも加齢臭が出てくるため、ボディーソープなどで耳の後ろを毎日しっかり洗いましょう。
しかし耳掃除に関しては、備わっている自浄作用を妨げないためにも、基本的には必要ありません。
耳掃除をする場合は、耳の入口に出てきた耳垢を払い出す程度にとどめておきましょう。