舌がかゆい!我慢できないそのかゆみはいったい何が原因?

舌がかゆいことありませんか?

舌のかゆみは、掻くこともできず、我慢のならない何ともいえない不快感がありますよね。

その舌のかゆみは、何が原因で起こっているのでしょう?

舌のかゆみの原因として、主なものは「アレルギー」ですが、その他にも原因があることが解明されています。

こちらでは、「舌がかゆい」という症状の原因について、「アレルギー」を中心に、他の原因についてもお話ししていきます。

舌がかゆい!その主な原因「口腔アレルギー症候群」

野菜や果物を食べた後、「舌がかゆい」という症状が出ることはありませんか?

これは、食した野菜や果物に対する、アレルギー反応と考えられます。

「口腔アレルギー症候群」と呼ばれる病気です。

口腔アレルギー症候群は、基本的に口の周りに症状が出やすく、舌のかゆみの他に次のような症状が現れます。

●舌…かゆみ、腫れ、ピリピリした痛み、不快感

●喉…かゆみ、腫れ、イガイガした痛み

●唇…腫れ、発赤

この症状は、アレルギーとなる野菜や果物を食べた後、15分以内に現れます。

時には口の周辺だけでなく、目や鼻にも症状が発生し、重篤な場合にはアナフィラキシーショックを起こします。

口腔アレルギー症候群の原因は、野菜や果物に含まれるアレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)にあります。

アレルゲンは元々、野菜や果物などの植物が持つタンパク質で、植物が病原菌や傷害、ストレスから自分の身を守るために生成された物質です。

このアレルゲンを、アレルギー体質の人が摂取してしまうと、身体が異物と認識し、口内の粘膜でアレルギー反応を起こしてしまうのです。

口腔アレルギー症候群の場合、体内のIgE抗体(アレルギー物質に対する抗体)がアレルゲンに対抗し、粘膜や皮膚の直下の細胞内で反応を起こします。

アレルゲンは、消化される過程で壊れるため、主に口内のみ反応を起こし「舌がかゆい」などの症状が出るのです。

舌がかゆい!その原因となるアレルギーと「花粉症」には深い関係が!?

近年、国民病とも呼ばれる「花粉症」は、日本人の3~4人に1人の割合で発症しています。

この花粉症患者の中には、前項でお話しした口腔アレルギー症候群を併発することが多く、その割合は10人に1人といわれています。

花粉症に加えて、「舌がかゆい」などの口腔アレルギー症候群までも発症してしまうのは、辛いですよね。

しかし、花粉症と口腔アレルギー症候群には、切っても切れない関係があるのです。

この2つの関係をお話しする前に、まず花粉症を発症するメカニズムをご説明しましょう。

花粉症は、

・花粉を吸入する

・花粉に対して体内に抗体が作られる

・再び花粉の飛ぶ環境にさらされ吸入する

・反応を起こす

というメカニズムで発症します。

このように、花粉に対して反応を起こす花粉症の人が、果物や野菜でもアレルギー反応を起こしやすいのは、なぜなのでしょう?

その原因は、特定の野菜や果物に含まれるアレルゲンの構造が、花粉の構造と非常によく似ているからです。

抗体が元々の抗原(反応を起こす原因物質)以外の別の抗原にも結合することを「交差反応」といいます。

身体は、野菜や果物の摂取を花粉の侵入と勘違いして、すでに体内に作られていたIgE抗体が交差反応を起こし、アレルギー症状を引き起こすのです。

舌がかゆい!その原因食材と花粉の具体的な関係

前項でお話ししたように、「舌がかゆい」などの口腔アレルギー症候群を引き起こす「食材」と「花粉」には深い関係があることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

花粉症を引き起こす原因の花粉には、さまざまな種類があります。

その花粉の種類によって、口腔アレルギー症候群を引き起こす果物や野菜も異なります。

こちらでは、アレルギー症状を引き起こす「花粉」と「食材」の関係を細かくみていきましょう。

≪関係の深い主な「花粉」と「野菜・果物」≫

【スギ、ヒノキ】

・トマト

【シラカンバ、ブナ、カバノキ】

・りんご
・もも
・さくらんぼ
・梨
・苺
・ビワ
・キウイ
・ピーナッツ
・ニンジン
・セロリ
・馬鈴薯

【イネ科のカモガヤなど】

・トマト
・メロン
・オレンジ
・すいか

【ヨモギ】

・りんご
・セロリ
・キウイ
・にんじん

【ブタクサ】

・メロン
・すいか
・バナナ
・ズッキーニ
・きゅうり

舌がかゆい!原因食材は加熱すれば食べられる?!

前述のとおり、花粉の種類によって口腔アレルギーを引き起こすアレルゲンが異なることが分かります。

花粉症は、病院の血液検査で、何の花粉に対して反応が強いか調べることができます。

前記のような花粉で花粉症の症状が出る人は、食べる野菜や果物に注意が必要です。

実際に「舌がかゆい」などの症状がでる場合には、病院を受診し、野菜や果物に対するアレルギー検査を受けることをおすすめします。

アレルギーの原因と判明した際には、基本的には避けるのが一番です。

ただ、口腔アレルギーを起こすアレルゲンは、熱に弱い性質があります。

そのため、加熱により食べられる可能性もあります。

アレルギーの多い人でも、反応がでないのならば、ビタミン摂取などのためにも前記のような食材を取り入れたいものですよね。

加熱した食材を試したい場合には、必ず症状の現れ方など病院で相談してから、摂取するようにしましょう。

ただし、生野菜や果物は避けた方が無難です。

ラテックスアレルギーの人にも花粉症と同じ反応が?!

花粉症の人は、「舌がかゆい」などの症状を起こす口腔アレルギー症候群になりやすいことをお話ししてきましたが、「ラテックスアレルギー」の人にも同じ交差反応があるといわれています。

ラテックスとは、ゴム手袋などの製品に使われる素材で、このゴム製品にアレルギー反応を起こす人がいます。

その中の半分程度の割合の人がある食材を摂取すると、口腔アレルギー症候群を起こします。

これを「ラテックス-フルーツ症候群」といいます。

口腔アレルギー症候群を引き起こす食材には、

・キウイ
・バナナ
・栗
・アボカド

などがあります。

舌がかゆいなどの口腔アレルギー症候群を引き起こすだけでなく、喘息やじんましん、重篤な場合にはアナフィラキシーショックを起こすこともあります。

花粉症の人だけでなく、ラテックスアレルギーの人も、「舌がかゆい」などの症状がみられた場合には、野菜や果物を疑い、病院でその原因の特定行うことをおすすめします。

アレルギー以外の原因とは?

これまで、「舌がかゆい」症状の主な原因と考えられる、アレルギーについてお話ししてきました。

舌がかゆくなる原因として、その他に2つのことが挙げられます。

それは「ビタミン不足」と「ストレス」です。

まずは、ビタミン不足と舌のかゆみの関係についてご説明します。

ビタミン不足で、さまざまな障害が出る症状を「ビタミン欠乏症」といいます。

ビタミン欠乏症は、食事からのビタミンの摂取量が不足している時や、消化管の手術などで栄養の吸収傷害がある時に起こります。

舌のかゆみや違和感など、舌の炎症を起こすビタミン欠乏症には、次のようなものがあります。

・ビタミンB2欠乏症
・ビタミンB6欠乏症
・ビタミンB12欠乏症
・葉酸欠乏症
・ニコチン酸欠乏症(ペラグラ)

このようなビタミン欠乏が原因の場合には、適量のビタミン剤の摂取で、症状の改善が期待できます。

病院や薬局で相談してみましょう。

もう1つ、舌がかゆい原因として、「ストレス」が考えられます。

舌は、身体の不調が顕著に現れる器官です。

ストレスや疲れで、身体に不調が出ている時、内臓の不調や唾液の分泌量の低下などで、口内環境が悪化し、細菌の溜まる舌苔が増えたり、舌が乾燥することがあります。

そのような原因から、舌のかゆみを引き起こすこともあるのです。

舌がかゆい原因が何かしっかり突き止めよう!

「舌がかゆい」という症状は、想像以上に不快なものです。

お話ししてきたように、主な原因は、生野菜や果物のアレルギーです。

アレルギーの場合には早めの検査を、ビタミン不足やストレスが原因と考えられる場合には、生活を見直してバランスのよい食事とストレス発散を心がけましょう。

舌がかゆい、その症状は身体からの何らかのサインです。

しっかり原因究明して健康な身体づくりをしましょう。