ふと鏡を見てみると、舌に歯型がついていることはありませんか?
ボコボコと舌に跡がついていると、病気ではないかと気になってきますよね。
舌に歯型がつく原因は様々ありますが、むくみや食いしばりといった要因もあるようです。
こういった原因がある場合、どのような改善方法があるのでしょうか。
舌をみればその人の体調がわかる
自分以外の人の舌を見る機会が少ないせいか、正常な舌の状態がどのようなものなのか詳しくは分かりませんよね。
正常な舌は、薄いもも色をしていて、表面には白い舌苔がうっすらとついています。
この機会に、ご家族やパートナーの舌を見せてもらい、確認してみてください。
適度な厚みがあり、舌の表面が潤っていれば健康的といえるでしょう。
実は、舌を見れば、その人の健康状態が分かってしまいます。
東洋医学では舌診を重視していることから、舌はその人の体質や体調を映すバロメーターとも言えるのです。
もし、舌に歯型がついていたら、何かの病気ではないかと心配になりますよね。
舌の側面にギザギザとした跡がつくことを、「歯痕舌(しこんぜつ)」や「舌圧痕(ぜつあっこん)」といいます。
これらの状態は、概要でもお伝えした通り、むくみや食いしばりといった原因によって発生します。
舌に歯型がついてしまう原因と改善方法を、ひとつずつ見ていきましょう。
舌に歯型がつくのはむくみが原因?!
舌に厚さがあり、話しにくいと感じたことがある人は、普段手足がむくみやすくないですか?
話しにくいのは、むくみのためかもしれません。
また、むくみが原因で舌に歯型がつくこともあるのです。
手足がむくみやすい人は、舌もむくみやすい傾向があるので、チェックしてみてください。
それでは、むくみの原因について探ってみましょう。
▼冷え性
冷え性は女性に多いとされる症状ですが、男性であっても隠れ冷え性である場合が多々あります。
手足の末端が冷えると血流が悪くなってしまって、むくみを引き起こしてしまいます。
▼水分代謝
体内の血の循環がうまくいっていないと、同様にリンパの流れもよくない状態となるため、水分の吸収と排出のバランスが崩れてしまいます。
すると、体内に老廃物が蓄積されていって、舌をはじめとする体中がむくんでしまうのです。
適度な運動を行うことで、身体の基礎代謝をアップさせて対策をしましょう。
▼疲れ
仕事などで疲労がたまっていると、消化機能が低下してしまって、免疫力にも影響が出てきます。
こういった体の不調は、舌の状態にあらわれてくることもあるようですよ。
舌に歯型がついていることを見つけたほかにも、体の変化や気になる症状があれば、医療機関を受診してみましょう。
舌のむくみは、体からのSOSかもしれません。
むくみを解消するために行いたいこと
舌のむくみが、内臓疾患が原因によるものでなければ、生活習慣を見直してみましょう。
まずは食生活からです。
むくみを引き起こす食事とは、ずばり塩分の多い食事です。
塩分を控えめに調理したり、カリウムを多く含んでいるバナナやほうれん草といった食べ物を摂取しましょう。
カリウムは、むくみの改善に効果的といわれていますよ。
また、体を温めて血行を促す食品も摂りましょう。
ニンジンやゴボウ、カボチャといった食材をたっぷり使って、味噌汁にして頂くと体が温まります。
そして、重要なのが運動です。
冷え性である人に共通するのは、筋肉量の少なさでもあります。
いきなり激しい運動を行ってしまうと怪我をしたり、運動が続かないといったことにもなりかねませんので、日常で取り入れやすい運動を行いましょう。
体が硬い人は、ストレッチをするだけでも血行が良くなり、むくみの改善につながりますよ。
舌に歯型がある人は、むくみを改善してみてくださいね。
むくみが原因でなければどうして舌に歯型がつくの?
舌に歯型がつく原因にはたくさんあるとお伝えしましたが、むくみが原因でない場合もあります。
例えば、食いしばりが要因となっているケースです。
通常、口を閉じていても上下の歯には隙間があるため、歯と歯が噛み合わさることはありません。
個人差はあるにしても、上下の歯がかみ合わさる時間は1日に20分前後でしょう。
しかし、なかにはこの時間をはるかに超えるほど、日中食いしばってしまう人もいらっしゃいます。
人は、緊張する場面に直面したときやストレスを感じたときに、無意識に歯を食いしばってしまいます。
特に、神経質な人は食いしばりやすい傾向があり、それによって舌に歯型がついてしまうのです。
なるべく歯を食いしばらないように意識してみましょう。
また、日中だけではなく、睡眠時に起こる「歯ぎしり」も、舌に歯型がつく原因になっています。
歯ぎしりはストレスからくることもありますので、趣味や好きなことをして上手にストレスを発散してください。
しかし、寝ているときに歯ぎしりを止めるように意識することは難しいですよね。
そのようなときは、ナイトガードを使ってみるのもおすすめですよ。
歯ぎしりを抑えられると、肩こりや頭痛といったお悩みの解消にもつながります。
舌の位置が低いと歯型がつく?
むくみや食いしばりといった原因のほかに考えられるのは、舌の位置や大きさが関わっています。
通常であれば、上顎に舌の先がついている状態が正しい舌の位置です。
しかし、「低位舌」といって、舌の筋肉が低下していると下顎に舌が落ちているため、歯型がつきやすくなってしまいます。
また、低位舌になると舌に歯型がつくだけでなく、気道が狭くなることから睡眠時無呼吸症候群であったり、口が乾いてしまって口臭が気になったり、虫歯になりやすいといった傾向があるのです。
舌の筋力の衰えは、フェイスラインがたるんで老けて見えたり、二重顎になったりと、外見にも影響してきてしまいます。
そこで、舌の筋力をつけるためのトレーニングを行ってみましょう。
やり方は簡単で、口を閉じて、歯と歯茎の間に舌を入れます。
次に、円を大きく描くイメージで、舌を右にまわしてください。
右にまわしたら、今度は左にまわします。
舌の筋肉を使うということを意識して行うことがポイントです。
舌の一部に歯型がつくのは歯並びが関係している?
舌に歯形がつくことに舌の位置が関係しているとは、なかなか気づきませんよね。
筋力アップのトレーニングを積んで、シャープなフェイスラインも手に入れましょう。
舌の位置に続いては、舌の大きさです。
むくみが原因ではなく、成長ホルモンの異常によって舌が大きくなっている場合もありますので、専門医に相談してみましょう。
また、生まれつき舌が大きめの人もいらっしゃるようですが、舌に歯型がつくといったことは稀なケースのようです。
考えられることとしては、急な体重の増加が原因となる場合もあります。
体重の増加と共に舌に歯型がついているようであれば、疑ってみてもいいかもしれませんね。
食事内容の見直しや適度な運動を心がけて、健康的な体重を維持してみましょう。
また、歯並びについても例外ではありません。
歯並びが悪ければ、舌が歯にあたることもあります。
舌の一部に歯型がついているのであれば、歯並びが原因かもしれません。
歯並びの改善は矯正などで行うこともありますが、日常生活に問題がなければ、先急いで治療する必要性はないでしょう。
舌は体のバロメーター
舌につく歯形ですが、一度気になると、その原因が何なのか気になりますよね。
自己判断は、体からのSOSを見逃してしまう場合もあります。
舌についた歯型以外にも気になることが少しでもあれば、医療機関を受診して医師に相談してみましょう。
そのうえで、改善できることは積極的に行ってくださいね。
舌は体のバロメーターでもあります。
歯磨きをするついでに、舌の状態も見てみてくださいね。