飛行機に乗る際には、必ず手荷物検査が行なわれます。
検査中に止められて、持ち込み不可の物を没収されたり、細かく調べられるのは、周囲の視線も気になりますし、搭乗までの時間も有意義に使えなくなってしまいますね。
「到着したらすぐに仕事があるので、機内で歯磨きをしたいけれど、歯磨き粉を持ち込んでも大丈夫なのか」という疑問をお持ちのビジネスマンの方のために、手荷物の制限についてのお話をしていきます。
飛行機に手荷物として持ち込めない物がある理由とは?
飛行機に乗る前に、空港のチェックインカウンターでスーツケースやキャリーバッグなどを預ける場合は、「預け手荷物」と言います。
また、機内に持ち込む荷物のことは、「機内持ち込み手荷物」などと言われています。
どちらも、X線検査機を通すことなどにより、荷物の中に「危険物が入っていないか」を調べるために検査されます。
荷物だけではなく、飛行機に乗る人間も金属探知機のゲートを通るなどの検査を受けて、危険と思われる金属類などを身につけていないかどうかの検査をされます。
どうしてそんなに念入りに手間のかかる検査をするのかというのは、ご存知のように、テロやハイジャックだけではなく、万が一の大きな事故を防ぐための重要な手続きになるのです。
飛行機内に持ち込める荷物には、様々な制限がある物がありますが、次章からは、気になる「歯磨き粉」などの液体の制限についてのお話をしていきます。
国内線では歯磨き粉を飛行機内に手荷物として持ち込める?
飛行機の手荷物検査は厳しいと言われていますが、国内線の場合は、国際線のような液体の細かい持ち込み制限がなく、「歯磨き粉」もそのまま持ち込むことができます。
液体に関しての制限としては、次のようになっています。
【国内線に持ち込んでもOKな飲み物】
・お酒(ビール・一升瓶・焼酎・日本酒・ウイスキー・ワイン)
・ジュース(コーヒー・紙コップ・タンブラー・パックジュース)
・お茶
・栄養ドリンク
・ミルク(魔法瓶・哺乳瓶・水筒・ベビーミルク・お湯)
【国内線に持ち込みがNGな飲み物】
・5L以上の物
・アルコール度数が24%以上の物(預け荷物にするのは可能)
・アルコール度数が70%以上の物(預け荷物としても不可)
・危険とされる物
このように挙げてみましたが、みなさんが普段生活している中で飲んでいるような飲み物に関しては、問題なく国内線の飛行機内へ持ち込むことができますので、安心して検査を受けても大丈夫でしょう。
国内線飛行機での歯磨き粉以外の日用品の持ち込み制限
前章では、国内線の飛行機に乗る際には、ほとんどの飲み物を手荷物として持ち込むことができ、歯磨き粉も持ち込むことが可能であるというお話をしました。
この章では、歯磨き粉以外の日用品の持ち込み制限についてお話しします。
歯磨き粉以外に、国内線の飛行機内に持ち込むことができる日用品は、次の通りです。
●化粧水・乳液・ファンデーション・クリーム・香水・シャンプー・リンス・トリートメントなど
●制汗スプレー・日焼け止めスプレー・ヘアスプレー・虫よけスプレーなど
●爪切り・裁縫セットのミニハサミ(先の尖っていない物のみ)・T字型のカミソリ・100円ライター(1つのみ)・マッチ(1つのみ)
このように、幅広く持ち込むことができる物はありますが、量には決まりがあります。
1容器につき500g、または500ml以内で、合計2Lまでは持ち込むことが可能となっています。
また、ヘアスプレーや虫除けスプレーは、1容器0.5kgまたは0.5L以下で、一人につき2kgまたは2Lまでという制限があります。
そして、虫除けスプレーは持ち込み可能ですが、害虫駆除用の殺虫剤は、預け荷物としても持ち込み荷物としても飛行機内へは持ち込むことはできません。
量には制限がありますが、通常の生活で使用している程度の物であれば、規定をこえることはあまりないでしょう。
国際線は厳しい?!歯磨き粉を手荷物として飛行機内に持ち込める?
これまで、国内線に乗る際の荷物の制限についてのお話をしてきました。
それでは、国際線の飛行機に乗る際には、歯磨き粉を手荷物として機内に持ち込むことはできるのでしょうか。
国際線の場合は、歯磨き粉や化粧品などの液体は、100ml以下の容器であれば持ち込むことが可能です。
それに加えて次のような決まりがあります。
●液体の入った容器は、ジッパー付の透明なプラスチック製の袋に入れる
●一人につき、縦横40cm以下の物を1袋まで
以上のようになっています。
この場合の「液体」とされている物を挙げておきます。
歯磨き粉・化粧水・乳液・クリーム・オールインワンジェル・シャンプー・リンス・トリートメント・絵具・インク・ライター・缶詰・こんにゃく・わさびなどのチューブ類・プリン・バター・ココナツオイルなど
以上のような幅広い種類の物が該当しますので、忘れずに荷物の中身の確認をしておくことが必要です。
国際線の飛行機での手荷物として持ち込めない物とは?
国際線の飛行機に乗る際の、歯磨き粉などの液体に関する荷物については先ほどお話しした通りですが、その他に、機内へ手荷物として持ち込めない物をご紹介します。
機内に持ち込むことができない物は、国内線の場合と基本的には同じ物となっています。
それに加えて、100ml以下ではない液体類、水筒、ワインなどの出国手続き前に購入した飲み物の持ち込みは禁止されています。
ただし、出国手続き後に空港内の免税店や自販機で購入した飲み物であれば、機内へ持ち込むことが可能という規定があります。
飛行機内へ手荷物として持ち込むことができない量の液体は、事前にスーツケースに入れてチェックインカウンターへ預けることをおすすめします。
また、荷物の制限についての詳細は、ご利用になる航空会社によっても違いがありますので、前もって調べておくとスムーズに搭乗することができるでしょう。
手荷物としても預け荷物にもできない危険物
歯磨き粉の機内持ち込みについては、国内線の場合も国際線の場合もおわかりいただけたかと思います。
国内線の荷物制限についてのお話の中で、殺虫剤はNGということを挙げましたが、それ以外で、飛行機に一切持ち込むことができない物についても取り挙げておきましょう。
【機内持ち込み手荷物にも預け手荷物にもできない物】
●高圧ガス
ライター用補充ガス・カセットコンロ用ガス・キャンプ用ガス・ダイビング用ボンベ・スプレー缶
●引火性液体
オイルタンク式ライター・オイルライター用燃料・ペイント類
●火薬類
花火・クラッカー・弾薬
●可燃性物質
徳用マッチ・炭
●酸化性物質
漂白剤・瞬間冷却剤・小型酸素発生器
●毒物類
殺虫剤・農薬
●その他
エンジン・リチウムバッテリー・液体バッテリー・水銀・加熱式弁当・放射性物質など
以上のように、爆発の恐れのある物や燃えやすい物や毒性のある物は、機内持ち込み手荷物としても預け手荷物としても禁止されています。
これらは、荷物検査で止められるからというだけではなく、飛行機の安全と自分の安全にも関わってくることですので、決して荷物に入れることのないように注意をしましょう。
国内線と国際線の荷物制限の違いを知り事前準備を忘れずに!
これまでお話ししてきたように、国内線の飛行機の場合は、液体などの機内持ち込み手荷物の制限は厳しくはありませんが、国際線になると、細かい制限があります。
今回お話したことをご参考にしていただいたり、ご利用になる航空会社のホームページを見るなどして、事前に確認をしてから入念に準備をしておくことをおすすめします。
そうすることにより、空港ではスムーズに動けて、飛行機でも快適に過ごすことができるでしょう。