多くの男性の悩みの一つに「皮脂量の多さ」が挙げられるのではないでしょうか?
皮脂の量が多いことによるトラブルは、ニキビだけではありません。
皮脂は、時間の経過とともに酸化していきます。
この酸化が原因で、体臭がきつくなったり、肌の老化が進んでしまうのです。
この記事でご紹介する皮脂の酸化や防ぐ方法を参考に対策をとっていきましょう。
皮脂の分泌の仕組み
男性の場合、皮脂の過剰な分泌が肌トラブルを招くことが多いでしょう。
皮脂は、ケアを怠ったまま時間が経過することで、酸化してしまうことがあります。
皮脂の酸化は、肌の荒れや劣化、そして臭いを発生させる原因にもなりかねません。
このように、肌トラブルをもたらすことにもなる皮脂ですが、一体どのようにして分泌されているのでしょうか。
皮脂は皮脂腺から分泌されます。
皮脂腺は、毛穴の入り口部分に存在しており、その毛穴から毎日約1~2gほどの皮脂がつくられています。
皮脂の主な成分はワックスエステル、スクワレン、トリグリセリドなどの油分です。
この油分を含んだ皮脂は、毛穴を通って皮膚の表面に押し出されます。
そして、その皮脂が汗と混じることで、体の表面を守る皮脂膜となってくれるのです。
皮脂は、過剰に出すぎるとニキビの原因となり、排除しすぎると敏感肌や乾燥肌になってしまいます。
肌の働きを正常にして肌トラブルを防ぐためには、常に肌の表面に適正な量の皮脂膜が覆われていることが大切です。
皮脂には、肌を守る大切な役割があるのです。
肌トラブルを防ぐ皮脂の大切な役割
正常な皮脂の分泌は、肌トラブルを防ぐためには必要不可欠です。
皮脂が肌表面を覆ってくれていることで、常に肌が守られているのです。
皮脂には主に3つの働きがあります。
1.保護機能
肌は刺激にとても敏感です。
手でこすったり、髪の毛が触れるだけでも、炎症を起こしてしまいます。
しかし、皮脂に覆われていれば、少しくらいの刺激ならば肌を守ってくれます。
2.保湿機能
皮脂には乾燥を防ぐ機能があり、肌表面の水分量を維持してくれる働きがあります。
肌の水分不足を防ぎ、しわやニキビの予防にも役立ちます。
3.抗菌機能
肌の表面は弱酸性に保たれていることが大切です。
なぜなら、カビや細菌などは弱酸性の環境では繁殖することができないからです。
肌を弱酸性にするためには、常在菌と皮脂の力が必要です。
常在菌が皮脂を分解することで脂肪酸が発生し、肌が弱酸性へと変化するのです。
このように、皮脂は肌を守るために欠かせないものです。
しかし、必要以上に皮脂の分泌量が増え、そのケアを怠り続けると、皮脂は酸化を進めてしまいます。
皮脂は時間が経つと酸化する
皮脂には本来肌へのダメージを防ぐための、大切な役割があります。
けれども、皮脂は時間が経つことで酸化し、肌へ様々な悪影響を与えます。
それでは、なぜ皮脂が酸化するのかについてお話ししていきます。
私たちの体の中には、活性酸素と呼ばれる成分があります。
活性酸素は、適正量であれば老廃物の処理や殺菌作用などの体に良い働きを持っています。
しかし、この活性酸素が増えすぎることで、健康な細胞までも破壊してしまうことがあるのです。
活性酸素は、皮脂と結びつくことで酸化という現象が起きます。
この酸化によって、細胞を傷つける原因ともなる過酸化脂質を作り出し、肌の老化や臭いなどを引き起こしてしまいます。
皮脂の酸化までにかかる時間はおおよそ5~6時間とも言われていますが、酸化が進んでしまった肌にはどのような影響が出てくるのでしょうか。
酸化による影響
肌は皮脂の酸化が進むことで、様々な悪影響を引き起こします。
それは、肌の老化だけではなく、臭いを放つことにもなりかねません。
それでは、その影響についていくつかご紹介していきます。
・ニキビ
ニキビは皮脂の過剰分泌により、毛穴が塞がれることで起こります。
毛穴にたまった皮脂は酸化により過酸化脂質を作り出し、その部分に炎症を引き起こします。
・毛穴の黒ずみ
皮脂は酸化すると黒く変色します。
毛穴のポツポツとした黒ずみも、酸化した皮脂の詰まりによる影響です。
・臭い
酸化により発生する過酸化脂質には、強い臭いを放つという特徴があります。
そのため、過剰に分泌された皮脂が空気に触れて酸化することで、嫌な臭いを発生させるのです。
男性の気になる加齢臭も、皮脂の酸化が大きな原因となっています。
この他にも、シミやシワ、くすみ、たるみなど、酸化は肌の老化のスピードを速めてしまいます。
肌への悪影響も多い酸化ですが、防ぐためには何か方法はあるのでしょうか。
皮脂の酸化を防ぐ洗顔方法
皮脂は適正な量を保たなければいけません。
そのためには、毎日の正しい洗顔を継続しましょう。
洗顔で心掛けるのは、酸化を防ぐために、古くなった皮脂だけを洗い流すということです。
洗顔量を使って洗顔を何度も繰り返すと、肌の乾燥を招きます。
すると、肌は乾燥から守るために過剰に皮脂を分泌して、その皮脂が毛穴に詰まり酸化するという悪循環になってしまいます。
皮脂が酸化し過酸化脂質にならないようにするためには、酸化に至るまでには5~6時間かかるということを覚えておく必要があります。
この時間を覚えて、5~6時間開けて洗顔しましょう。
タイミングとしては、朝・昼・夕にぬるま湯だけで洗顔することがおすすめです。
なぜなら、肌に必要な皮脂は水に溶けにくく、不必要な過酸化脂質は水に溶けやすいという性質があるためです。
これなら、肌に必要な皮脂だけは残して、酸化により変化してしまった過酸化脂質だけを洗い流すことができます。
ですが、年を重ねて粘着性の増した皮脂や毛穴の奥に詰まった皮脂には、やはり洗顔料が必要です。
どうしても皮脂汚れが気になる人は、一日の内一回だけ洗顔料を使って洗顔を行うようにしましょう。
皮脂の酸化を防ぐと臭いも防げる
皮脂の酸化は嫌な臭いも発生させます。
年を重ねるとともに、加齢臭が気になってくる男性も多いのではないでしょうか。
これは、年を重ねることで皮脂の粘着性が増し、酸化に対する抑制力も低下するために起こる現象です。
臭いを防ぐためには、日頃のケアが大切です。
まずは、毎日お風呂に入り、体を清潔に保つようにしてください。
特に、頭には皮脂腺が集中しているので、頭皮をマッサージするように洗髪し、臭いの素となる皮脂の詰まりを洗い流しましょう。
そして、食生活も見直してみてください。
酸化による臭いを予防するためには、活性酸素の働きを抑制してくれる抗酸化作用を持った食べ物を積極的にとることが必要です。
抗酸化作用は野菜や果物(ビタミンC)・ナッツや魚卵(ビタミンE)に多く含まれています。
その他にも、食物繊維を多く含む発酵食品の納豆なども、臭いを防ぐためには効果的と言われています。
自分では気づきにくいものですが、もしかしたら既に嫌な臭いを発しているかもしれません。
周囲の人に対するエチケットとしても、今から臭いへの対策を始めてみましょう。
皮脂の酸化を防ぐためには生活習慣を見直そう!
皮脂は、放っておくと酸化してしまいます。
皮脂が酸化すると、肌へのダメージは大きなものとなるでしょう。
また、酸化した皮脂は嫌な臭いを発生させることもあります。
皮脂の酸化を防ぐためには、過剰に分泌した皮脂はこまめに洗い流し、食生活も抗酸化作用を持った食品を取り入れるように工夫をしましょう。