糖質制限を行わなければならなくなった人や、健康を維持するため糖分の摂取を控えたいと考える人が増えています。
しかし、一口に糖質制限と言っても、正しい知識のもとに行わなければ却って健康を損ねる可能性もあります。
正しく糖質制限を行うために基礎知識を身に付け、家庭でできる簡単メニューを学ぶとともに、長く続ける秘訣についても考えていきましょう。
いざ糖質制限!何に気をつければいいの?
糖質制限を行う際の基本的な考え方は、糖質や炭水化物の摂取量を減らし、タンパク質を多く摂る食事に変えていくというものです。
しかし、一般的な食事には炭水化物や糖類がたくさん含まれています。
これらは意識して減らさなければ、糖質制限の基準をクリアするのはかなり難しいと言えます。
また、正しい知識のもとに行わなければ健康を害することもあるため、まずは正しい糖質制限方法について学ぶことが大切です。
糖質制限と聞くと、よく「カロリーを控える」とイメージする人がいますが、糖質制限はダイエットとは別物。
カロリーを減らすことを目的としていません。
カロリーを減らすことに重点を置くとタンパク質など必要な栄養素まで減らしてしまうことになり、体調の悪化を招く恐れがあります。
あくまでも取りすぎている糖質量を減らすことが目的で、痩せるためのダイエットとは違うことをしっかり理解しなければなりません。
また糖質制限で重要なことは、タンパク質をしっかり摂ることです。
タンパク質は筋肉や臓器、ホルモンや酵素、免疫物質などを作るために必要な栄養素です。
糖質を減らしたいがために、タンパク質を含む食品まで減らしてしまわないよう注意しなければなりません。
そのためには、どの食品にどんな栄養素が含まれているか、食べて良い物、悪い物を覚え、メニュー作りに活かすことが重要になってきます。
知ってて損なし!糖質の高い食品、低い食品とは?
メニューを作る前に、まずは糖質の高い食品、低い食品を理解しましょう。
糖質の高い食品の代表格は穀物、パン、麺類などの炭水化物です。
その他には、イモ類、根菜類、果物、砂糖、アルコール、ジュース、加工食品などが挙げられます。
野菜の中でも甘味の強いかぼちゃ、人参、たまねぎなどは糖質が高い部類に入ります。
これらの食材は摂り過ぎないよう注意が必要です。
逆に糖質制限を行っていても食べて良いものは、肉、魚、卵、乳製品、豆類、豆腐、海藻、きのこ類、葉野菜、こんにゃくなどです。
これらをしっかり頭に入れて、糖質の低い食品を選んで摂取するようにしましょう。
とはいえ、「野菜だけ食べる」というような、特定の食品を偏って摂取するやり方はお薦めできません。
栄養バランスを保たなければ健康を損ねてしまいますし、何より、同じものばかりを食べ続ける状態を維持するのは、メンタル的に難しく、長続きしないからです。
また、意外と見落としやすいのが調味料です。
ソース、ポン酢、ケチャップなどは意外と糖質が高いので、うっかり使いすぎないよう気をつけましょう。
砂糖や料理酒などについては、最近、糖質オフの商品が出ていますので、それらをうまく利用するのも賢く糖質カットする方法です。
味に変化をつけるという意味では、焼き海苔、キムチ、梅干、鯖の水煮缶などを上手に使うのも良いでしょう。
家庭で簡単にできる糖質制限メニューはこれ!
では実際にどのようなメニューが糖質制限に有効なのか、「家庭で簡単にできること」を前提に、食材別にご紹介していきましょう。
まずは肉類。
鶏肉はもちろん豚肉、牛肉など肉類は糖質がほとんどなく、タンパク質も豊富なので、肉と野菜を組み合わせたメニューは王道と言えます。
いずれも焼く、蒸す、炒める、お鍋に入れるといった形で手軽に調理できます。
おすすめメニューは、豚しゃぶサラダ、牛肉野菜巻き、鳥団子鍋など。
コスト的な面に目をつぶればローストビーフも立派な糖質制限メニューです。
肉類以外では卵料理がお薦めです。
定番の目玉焼きやゆで卵から野菜入りオムレツまで、卵はさまざまな食材と相性がよく、バリエーション豊富なメニューを作ることができます。
魚系では、鰹のたたき、しめ鯖、タコマリネ、アボガドと鮪のわさび醤油あえなど、居酒屋で見かけるメニューも糖質制限のメニューになります。
野菜をメインにしたメニューもたくさん考えられます。
サラダはもちろんのこと、温野菜やキノコのホイル焼き、カリフラワーソテー、もやしのナムルなど、こちらもバリエーション豊富に用意することができます。
ただし、野菜メインの料理の場合はあっさりした味になりがちなので、味付けに使用する調味料を使いすぎないよう注意しましょう。
意外と多い!市販されている低糖質商品
とはいえ、糖質の高い食品を一切排除し、糖質の低いものばかりを食べ続けるというのは想像以上に強い意志が必要となります。
特にパンやご飯、甘いものを完全にシャットアウトするのはかなり難度が高いでしょう。
そんな時に効果を発揮するのが糖質をカットした低糖質のパンや麺、甘味料などです。
ブランパンや糖質ゼロ麺、シュガーカット、ラカントなどがこれにあたります。
代替品であるため、本物そのままの味とはいきませんが、一昔前に比べるとかなり美味しいと感じられる物が増えてきています。
また、別の食材を使って本物そっくりなメニューを作り上げる方法もあります。
例えば、おからパウダーを使ったハンバーグ、白滝のパスタ、こんにゃくのステーキなどがこれにあたります。
これらの代替品を上手に使うことも、糖質制限を長く続けるコツのひとつと言えるでしょう。
糖質制限メニューがトレンド!外食ではこんなものも
最近では、外食産業が低糖質に特化したメニューに力を入れ始め、ひとつのカテゴリーとしての評価を獲得しつつあります。
くら寿司の「シャリ野菜」や「ラーメン麺抜き」、リンガーハットの「野菜たっぷり食べるスープ」など、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
また、糖質をゼロにしたジュースやビール、お菓子なども次々と販売されています。
すべての食事を糖質制限したメニューで、しかもすべて手作りするのはかなりの意思と根気がいる作業です。
あまりにもストイックになりすぎると、ストレスが溜まっていつか爆発してしまうことも考えられます。
時には割り切って、このような低糖質メニューや商品を上手に利用し、ストレスを軽減することも長く続けられる方法です。
糖質制限メニューで気をつけたいポイント
強い意志の力が必要とされる糖質制限の食生活ですが、これを続ける際に気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。
①主食(ご飯、パン、麺類など)は控えめにするが減らしすぎず、減らす目安はいつもの半分くらいとする
②タンパク質や脂質、食物繊維はしっかり取って、栄養のバランスを崩さないこと
③三食きちんと取り、糖質は毎回の食事においてバランスよく減らすこと
④間食はできるだけ控えるようにすること
⑤主菜に高タンパクなものが摂れるメニューを
いずれも、糖質を減らしながら健康な体を維持することを目的としています。
糖質を意識しすぎるあまり、栄養バランスを崩して健康を損なうということがないように、くれぐれも注意しましょう。
無理は禁物!結局は長く続けた人の勝ち
糖質制限を行う上で大切なことは、正しい知識を持って、健康を損なうことなく、無理せず長く続けられるようにすることです。
一気に制限のハードルを上げるのではなく、時間がかかっても無理ない範囲で長く続けていくことが、結局体質改善への近道だということを理解しましょう。
そして、自分独自の方法やルールを確立していくことを目指しましょう。