脂肪でボッコリと突き出たお腹は、見た目が悪いばかりでなく、健康面にも重大な影響を及ぼします。
場合によっては、お腹の脂肪が原因で重い症状になってしまう、というようなことも。
ここでは知られざる「脂肪の恐怖」を学びながら、無理なくお腹を引っ込める効率的な脂肪の落とし方をご紹介します。
無理のないダイエットに挑戦して健康な肉体を取り戻しましょう!
お腹の脂肪の落とし方を知らないと生命の危険に晒される!?
脂肪は、人間が生きていくためには必要な栄養素です。
極端な話、もしも体脂肪率が0%だったとしたら、健康な生活は送れません。
とはいえ、やはり余分な脂肪はとりたいものです。
特に、お腹のまわりについた脂肪は、見た目が悪いだけでなく、健康にも様々な悪影響を及ぼすことが知られているのです。
皆さんもメタボリックシンドロームという言葉を聞いたことがあるでしょう。
脂肪でポッコリとお腹が出た人は、高血圧・肥満症・高脂血症・糖尿病など、いくつかの生活習慣病を抱えている可能性が非常に高く、その危険な状態を「メタボ」と呼ぶのです。
メタボ…つまりお腹が出た人は、複数の生活習慣病によって動脈硬化を起こしやすいことが分かってきました。
動脈硬化は、そのまま進行すると、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞といった重大な疾患の原因となります。
つまり、お腹がポッコリと出た状態を放置しておくと、生死に関わってくるのです。
突き出たお腹をポンポンと呑気に叩いている場合じゃありません。
いますぐにお腹まわりについた脂肪の落とし方を学んで、健康な肉体を取り戻しましょう。
お腹がポッコリと出てしまう元凶は内臓脂肪にあった
実は、脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪という二つの種類があることをご存知でしょうか?
皮下脂肪とは、読んで字のごとく皮膚の下にある脂肪のこと。
お腹まわりはもちろん、腕・お尻・太腿などにつきやすい脂肪で、指でつまむことができます。
男性と比較すると、女性の方が蓄積しやすい脂肪だと言われています。
一方の内臓脂肪は、女性よりも男性の方が蓄積しやすいのが特徴。
腹筋の内側の内臓につく脂肪で、落とし方を知らず量が増えるにしたがって、お腹がポッコリとせり出してくるのです。
メタボリックシンドロームの別名は、内臓脂肪症候群。
つまり、この内臓脂肪こそがさまざまな生活習慣病を引き起し、アナタの生命を脅かす元凶なのです。
さて、それでは内臓脂肪を減らすにはどうしたらいいのでしょうか。
続いては、その落とし方を解説します。
食べ過ぎなければお腹の脂肪が増えることはない
肉体についた余分な脂肪を、大雑把に式で現すと以下のようになります。
(摂取したカロリー)-(消費したカロリー)=(余分な脂肪)
要するに、余ったカロリーが脂肪となって蓄積されていくわけですね。
お腹についた内臓脂肪の落とし方は、理屈としてはいたって単純。
食事などで摂取するカロリーの量を減らし、運動などで消費するカロリーの量を増やせば、脂肪は減っていくのです。
まずは摂取するカロリーを減らす食事法から、内臓脂肪の落とし方を考えていきましょう。
当り前ですが、最も大切なのは食べ過ぎないこと。
お腹がパンパンになるまで食べたりせず、腹八分で抑えましょう。
それでは満足できないという方には、よく噛んで食べることをオススメします。
噛めば噛むほど満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを抑えることができるからです。
米・パン・麺類・果物・インスタント食品など、糖質の多い食品は、特に食べすぎないよう注意したいものです。
規則正しくバランスのよい食生活を心がけるのも大切。
間食は避け、一日三食を、なるべく同じ時間帯に摂るようにしましょう。
また、午後10時以降、遅い時間帯の食事は避けた方が賢明です。
夜間は体内に脂肪を溜め込む酵素の働きが活発になるからです。
内臓脂肪を減らすのに効果的と言われる食べ物には、豚肉・青魚・海藻類・ヨーグルト・トマト・緑茶などがあります。
一時期流行したキャベツダイエットのように、野菜をたくさん食べるようにするのもいいでしょう。
もちろん、過度の飲酒や喫煙は避けた方がいいのは言うまでもありません。
内臓脂肪の落とし方でまず第一に筋トレを推奨する理由
年齢や生活環境によって多少の変動はありますが、成人男性が一日に必要とする摂取カロリーは2000~2300kcalと言われています。
現在、お腹のまわりについている脂肪を減らすには、運動などによって、これを上回るカロリーを消費しなければなりません。
内臓脂肪の落とし方としては、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が効果的だと言われますが、ここでまず第一に推奨したいのが筋肉トレーニング(以下筋トレ)。
筋トレはジョギングなどの有酸素運動ではなく無酸素運動に分類されます。
無酸素運動とはいえ、体内のカロリーを消費することに違いはありません。
ですから、筋トレをすれば当然脂肪を減少させる効果が期待できます。
そして、それ以上に重要なのが、筋トレには基礎代謝の量を増やすというメリットがある点です。
脂肪を減少させるには、基礎代謝が重要な役割を担います。
基礎代謝とは、たとえ何も運動をしていなくても、生命維持のために消費されるエネルギーのこと。
成人男性の場合、基礎代謝によって一日1500kcalほどが消費されます。
30分のジョギングで消費されるカロリーが、せいぜい250kcal程度ですから、いかに基礎代謝が大きいかがお分かりいただけるでしょう。
基礎代謝は筋肉の量と比例して消費されます。
つまり、筋トレによって筋肉量を増やせば、その分だけ基礎代謝が上がり内臓脂肪が減っていくのです。
脂肪を減らしたいなら筋トレは必須だと心得ておきましょう。
体積の大きい筋肉を中心に鍛えるのが脂肪を落とす筋トレのコツ
お腹を引っ込めるために、集中的に腹筋運動をする人がいます。
まったく意味がないとは言いませんが、お腹の脂肪の落とし方としては、あまり効率的ではありません。
基礎代謝を上げるための筋トレでは、筋肉の量(筋体積)が大きい部位を中心に鍛えてあげるのがコツなのです。
体積が大きい筋肉は、下半身に集中しています。
大腿四頭筋・大殿筋・ハムストリングなどをスクワット系の筋トレで鍛えましょう。
上半身で筋体積が多いのは三角筋・大胸筋・上腕三頭筋など。
腕立て伏せやダンベルを使ったエクササイズで筋肉量を増やすことができます。
基礎代謝を上げる以外にも、いろいろな効果が期待できるのが筋トレのいいところです。
筋トレを始めると、脳下垂体から成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンには脂肪を燃焼させる効果があるばかりでなく、アンチエイジング効果や免疫力を高める働きもあったりと、嬉しいことばかり。
筋トレを生活の一部にすれば、内臓脂肪を減らしながら若返ることも可能なのです。
特に、中高年の男性の場合、加齢によって筋肉量がどんどん減っていきますので、筋トレで筋肉を増やすことは、いろいろな面で重要になってきます。
トライしてみる価値は十分にあると思いますよ。
短時間でも有酸素運動を続けていくのが適切な脂肪の落とし方
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動も、お腹の脂肪の落とし方としては有効な方法になります。
ところで、よく「有酸素運動は20分以上続けないと意味がない」などと言われたりしますが、この説は合っているのでしょうか。
人間の肉体のエネルギー源は、糖質と脂肪の二種類。
ジョギングをスタートした時点では、主に体内で利用しやすい糖質がエネルギー源として使われます。
そして20分程度走り続け糖質が足りなくなってくると、今度は脂肪が主なエネルギー源になるのです。
このように書くと「20分以上説」が正しいように思われるかもしれません。
しかし、糖質であろうと脂肪であろうと「運動によって消費されるエネルギー(カロリー)」という観点から見ると同じことなのです。
ですから、たとえ5分でも10分でも、走ったり歩いたりすれば、脂肪を減らす効果は見込めます。
もちろん、長時間有酸素運動を続けたら、それだけ脂肪が減少するのは間違いありません。
ただし、辛くて一日~二日で挫折してしまうのであれば、お腹の脂肪が減ることはないでしょう。
大切なのは、時間を気にすることなく、あまり無理のない範囲で毎日運動を続けること。
ジョギングやウォーキングでなくても構いません。
なるべく階段を登るようにしたり、目的地の一駅前で電車を降りて歩いてみたりと、ちょっとしたことから始めてみましょう。
「少しでもカロリーを消費するぞ」という意識が、お腹の脂肪を落とすには大切になってくるのです。
取り返しのつかない事態になる前にお腹を引っ込めよう
食事と運動によって、摂取するカロリーと消費するカロリーを調整する。
これがお腹についた脂肪の落とし方になります。
内臓脂肪が減ってくると身体も精神もシャープに変化していくことが実感できるはず。
ダイエットを始めた当初は、なかなか効果が出ずに辛い思いをすることもあるでしょう。
しかし、時間さえかければ、それほど難しいものではありません。
メタボリックシンドロームで取り返しのつかない事態になる前に、何としても突き出たお腹を引っ込めてしまいましょう!