男性が夏に洗髪を行う頻度はどのくらいが適切なのでしょうか。
頭皮の状態や体質の違いも踏まえて、自分にあった洗髪頻度について考えていきましょう。
また、夏場の洗髪について頻度以外に気をつけることや洗髪頻度が高い場合に起こる頭皮トラブル、正しい洗髪方法などについても理解を深め、頭皮の健康を保つ方法をあわせて学んでいきましょう。
夏の洗髪頻度を考える前に!知っておきたい洗髪回数の常識
夏は汗をかくことが多いので「頭皮を清潔に保ちたい、毎日洗髪してスッキリしたい」と考える方が多いのではないでしょうか。
冬に比べて洗髪の頻度を増やしている方もいらっしゃると思います。
しかし、洗いすぎは頭皮によくないという話も聞きます。
夏場の洗髪頻度はどのくらいが適切なのかについて考えてみることにしましょう。
現在、日本人が洗髪を行う頻度は、「毎日」が約70%、「1日おき」が20%と、ほぼ大半が毎日頭を洗っています。
これは他の国と比較してもかなり高い数値で、日本人の清潔に対する意識の高さを表していると言えます。
しかし、日本人の頭皮は刺激に弱く、乾燥しやすいため、特にシャンプーを使用する洗髪の回数が多いと様々な頭皮トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
したがって、清潔に保ちたいからという考えだけで毎日シャンプーをするのは、実はあまりおすすめできないのです。
夏だけじゃない!洗髪のし過ぎは禁物
前項で毎日のシャンプーはおすすめできないとお伝えしましたが、どれくらいの頻度で洗髪するのが良いのでしょうか。
同じ日本人といえど、適切な洗髪頻度は性別や環境、体質などによって異なりますので、一概にこれくらいと言えるものではありません。
乾燥気味の頭皮の人と、べたつき気味の人では皮脂の分泌量は異なります。
洗髪した場合、頭皮の皮脂を落としすぎないよう注意する必要がありますので、体質に応じてシャンプーの頻度は必然的に変える必要があるというわけです。
しかし、一般論として、夏場といえども1日に何度も洗髪することはおすすめできません。
頭皮をシャンプーで洗いすぎると、必要な皮脂や水分が奪われてしまい、頭皮の乾燥につながるからです。
後でも述べますが、頭皮が乾燥すると様々な肌や髪のトラブルにつながります。
専門家によると、日本人男性は2~3日に1回程度の洗髪頻度で問題ないとのことです。
少ないように感じるかもしれませんが、この2~3日という長さは洗髪によって流された皮脂が再び分泌して頭皮を適切な状態に保つために必要な時間なのだそうです。
頭皮にとっては大切な時間となりますので、洗い過ぎにならないよう注意しましょう。
要注意!夏でも頭皮は乾燥する?
乾燥する季節といえば冬を想像しますが、頭皮にとって、夏は意外と乾燥する可能性が高い季節です。
冷房の効いたオフィスや家庭内は空気が乾燥しており、長時間その中にいると頭皮の水分は奪われていきます。
また屋外は日差しが強いため、紫外線によるダメージも受けやすく、結果、頭皮が乾燥状態となりやすいのです。
このような状態でシャンプーを毎日行うのは、頭皮の環境にとってはよくありません。
とはいえ、夏場は汗をかくため、頭皮が乾燥気味の方でもべとつきや匂いが気になり、毎日でも洗髪をしたいと思うのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのは湯シャン、つまりシャワーで時間をかけて、お湯だけで洗い流す方法です。
シャワーの温度は36~40度くらいにして、時間をかけてゆっくりお湯で汚れを流します。
温度が高いほど皮脂を洗い流すため、高く設定せずに40度までにとどめておきましょう。
これだけで十分、頭皮を清潔に保つことができるのです。
しかし、それでもシャンプーで洗わないと臭いが気になったり、洗った気がしないという方は、石鹸シャンプーなど洗浄力が比較的マイルドなものを使うようにすると良いでしょう。
さらに酸性のリンスを使用して、頭皮に潤いを保てるようなケアもあわせて行うと、洗髪頻度を増やしても、頭皮の健康を保つことができます。
洗髪頻度が多いと起こるトラブル
シャンプーの回数が多いと様々なトラブルに発展する可能性があるとお話ししてきましたが、具体的にどのようなトラブルが起こるのかについて理解しておきましょう。
まず、洗い過ぎは何が悪いのかという点についてです。
シャンプーを使って洗髪する頻度が多いと、必要な皮脂や水分を取りすぎてしまい、頭皮が乾燥してしまいます。
頭皮が乾燥すると、角質層がはがれてフケが多く発生し、臭いや痒み、湿疹などを引き起こします。
このような頭皮トラブルは放っておくと育毛環境を阻害することになり、やがては抜け毛の増加や薄毛につながっていくのです。
また、洗いすぎることで頭皮の常在菌まで流してしまうことになり、頭皮のバリア機能が低下します。
これは外部からの刺激に弱くなることを意味し、湿疹など頭皮の炎症を起こす原因となります。
特に夏は皮脂の分泌が過剰になりやすい分、べたつきを感じて洗髪頻度が増え、結果的に皮脂不足を起こしてしまうといったケースがよく見られますので、注意が必要です。
逆にシャンプーをあまりにも行わない場合は、余分な皮脂や老廃物がたまり、毛穴のつまりを起こして抜け毛の増加につながってしまいます。
極端に洗わないことも頭皮トラブルにつながりますので、適度な洗髪頻度を心がけるようにしましょう。
頻度と同じくらい重要!夏の正しい洗髪方法
洗髪頻度に気をつけることは重要ですが、それと同じくらい重要なのは洗い方です。
ここでは、実際にシャンプーを行う場合、どのように洗うのが適切なのかについて学びましょう。
まずシャンプーの前に、お湯だけで優しくこすり洗いをして、髪についた汚れを落としましょう。
この予備洗いを行うことで汚れの7割は落とすことが出来ると言われており、またシャンプーの泡立ちも良くなります。
続いて、シャンプーをポンプ2回分くらい取り、先に手の中で泡立てます。
直接、頭皮にシャンプーを塗りつけると頭皮がダメージを受けてしまうので注意してください。
シャンプーは髪全体に伸ばし、指の腹で髪全体の皮脂を落とすようなイメージで頭皮を洗いましょう。
皮脂を洗い落としすぎるのはよくありませんが、毛穴に皮脂を残さないよう注意しましょう。
また、しっかり泡立てておくと、髪の摩擦によるキューティクルの損傷を防ぐことができます。
流す場合は、熱すぎない程度のお湯で、流し残しがないよう丹念に落としてください。
暑さや紫外線により頭皮がダメージを受けている夏場は、洗髪の前にホホバオイルでマッサージを行ったりすると紫外線で荒れた肌をケアすることもできます。
夏場の洗髪、頻度や洗い方以外で気をつけるべきこと
夏場は起床した時点で既に汗をかいていることもあります。
朝、起きてすぐにシャワーを浴びて洗髪を行うと頭や体がすっきりして気持ち良くなりますが、実はこの朝シャン、あまりお薦めはできません。
まず朝は時間がなく、洗い方が雑になって、汚れを残してしまう可能性があります。
また朝に皮脂を洗い流してしまうと、頭皮に皮脂が分泌される前に外へ出て、直接紫外線を浴びてしまうことになり、頭皮がダメージを受けてしまうことになるからです。
どうしても朝にシャワーを浴びたいという方は、先にご紹介した湯シャンを行うようにすると良いでしょう。
また、夏場に限らず、この洗髪頻度と洗い方を実践するだけでは「頭皮のベタつきはおさえられない」「もっと洗髪の回数を増やさなければ、皮脂を取りきれない」と感じている方は、注意が必要です。
皮脂の過剰分泌や皮膚炎を起こしている可能性がありますので、一度、皮膚科で相談することをおすすめします。
湯シャンも取り入れ上手に夏を乗り切ろう
夏場は暑さから汗をかきやすく、その汗とともに皮脂も分泌されるため、洗髪頻度は少し増やしたほうが良いと言えます。
しかし、毎日のようにシャンプーで洗うのは皮脂を落としすぎることとなり、頭皮の健康を損なってしまう可能性が高くなります。
シャンプーを使用した洗髪は2~3日に1回のペースとして、湯シャンなどを交えながら、ご自身の体質に合わせて頻度を調節することで、頭皮を健康に保つように努めましょう。