正しい歯ブラシの洗い方!洗剤を使用する方法はアリ?ナシ?

あなたは歯を磨いた後、歯ブラシを洗っていますか?

歯みがき後の歯ブラシは、水洗いをするだけでは不十分で、菌の繁殖が進行してしまう場合があります。

歯ブラシの洗浄には、様々な方法がありますが、身近にあるものを利用できたら便利ですよね。

中には、台所用の洗剤を利用する方法もあるようですが、問題はないのでしょうか。

今回は、そういった疑問も含め、正しい歯ブラシの洗い方や、お手入れの仕方などをご説明していきます。

汚れた歯ブラシを使い続けると危険?口内トラブルの恐ろしさ

まず、歯ブラシをきちんと洗わないと、どんなトラブルが発生してしまうのか、学んでいきましょう。

もともと、成人男性の口内には、少なくとも1千億個以上もの細菌が、生息していると言われています。

さらに、口内ケアを怠っている人は、細菌の数が1兆個にも増殖しているケースもあります。

こんなにも細菌の数が多い口の中に、毎日入れている歯ブラシが、綺麗なはずはありません。

不衛生な歯ブラシを毎日使用するということは、菌の繁殖をさらに促し、口内環境を悪化させてしまうことに繋がります。

口内トラブルと言えば、虫歯や歯周病が代表的ですが、これらが進行して悪化すると、歯の根元から細菌が入り込み、血管や臓器に到達して炎症を引き起こしてしまうことがあります。

これが原因となり、肺炎や糖尿病、さらには脳卒中や心筋梗塞といった大病を患う可能性も出てくるのです。

こういった面から、不衛生な歯ブラシを使用することは、健康にも悪影響であると言えます。

歯ブラシを洗浄することが理想的なのであれば、できるだけ手軽な方法を知りたいですよね。

そこで次は、最初にお話しした「洗剤」を使用する歯ブラシの洗い方について、ご説明していきます。

洗剤を使った歯ブラシの洗い方や気になる安全性

それでは、台所用の洗剤を使った歯ブラシの洗浄についてお話しします。

結論から申し上げますと、歯ブラシの洗浄に洗剤を使うこと自体は、問題がないと言われています。

水洗いだけでは落とすことが難しい、食べカスや油分まで綺麗にすることができますので、洗浄効果には期待が持てます。

しかし、使用する洗剤の種類や量が大変重要なので、注意してください。

歯ブラシは口の中に入れるものですので、体内に悪影響を及ぼす可能性のある成分が入っている種類は、避けましょう。

例えば、ヒ素・重金属・メタノールなどの成分や、酵素や漂白剤などが例として挙げられます。

また、合成界面活性剤などの化学物質が入っていなければ、より安全です。

こういった成分が入っていない、「野菜・果物用洗剤」を選びましょう。

洗い方は簡単で、50度位のお湯で薄めた洗剤水に歯ブラシを浸してから、優しくもみ洗いをするだけです。

最後によく水で流して、洗浄は完了です。

いくら洗浄力を高めたいからと言って、洗剤を入れ過ぎてしまうと、すすぎ残しの原因となってしまうので、控えるようにしましょう。

この洗い方は、歯ブラシにこびり付いてしまった歯磨き粉も、スッキリと落とすことができますので、おすすめです。

それでも「洗剤を使用する方法には不安や抵抗がある」という方は、洗剤以外を使用し、歯ブラシを洗浄する方法があるので、ご紹介していきます。

殺菌も大事!洗剤以外を使用した歯ブラシの洗い方&ケア

ここでは、洗剤を使用する方法以外の歯ブラシの洗い方や、殺菌・除菌方法などをご紹介していきます。

●重曹水に浸けてから洗う

まず、100mlの水に小さじ1の重曹を溶かした重曹水を用意し、歯ブラシを浸けます。

そして、次に歯ブラシを使うタイミングで引き上げ、水ですすぎながら、軽くもみ洗いをしましょう。

洗剤の時と同様に、歯ブラシは口の中に入れるものであるということに配慮して、掃除用の重曹ではなく、食用の重曹を使うようにしましょう。

重曹には、殺菌効果があるので、歯ブラシを消毒することが可能なのです。

●浸け置き消毒液に浸す

浸け置き消毒液とは、乳児のミルク哺乳瓶や、おもちゃなどを清潔にする際に使用するものです。

重曹と同様に、殺菌効果がありますので、細菌の増殖を防ぐことができます。

使い終わった歯ブラシを、浸け置き消毒液に浸しておくだけでOKです。

次に歯ブラシを使用する時も、水ですすぐ必要がないので、非常にお手軽です。

●紫外線に当てる

紫外線には殺菌作用がありますので、歯ブラシに付着した細菌や微生物にも効果があります。

天日干しのみでも問題はありませんが、UVランプを使用した歯ブラシ専用の除菌器もありますので、こちらも試してみてはいかがでしょうか。

据え置きタイプや、携帯タイプなど、様々な種類がありますので、用途に合ったものを選びましょう。

ここまで、いくつか歯ブラシの洗い方やケアの仕方をご紹介してきましたが、残念なことに、ネット上では間違った情報も多く出回っています。

次は、そんな「やってはいけない歯ブラシの洗い方」についてお話ししていきます。

それはNG!間違った歯ブラシの洗い方&ケア

それではここで、ついついやってしまいがちな、間違った歯ブラシの洗い方や消毒法をご紹介します。

●ゴシゴシとこすって洗う

指に力を強く入れて、歯ブラシをもみ洗いすることで、汚れは落ちやすくなるかもしれませんが、毛先が広がってしまう原因となります。

毛先が広がると、歯茎に傷が付きやすくなり、そこから口内環境の悪化へと繋がっていくこともあるので、注意が必要です。

歯ブラシを洗う際には、「優しく丁寧に」を心掛けることが大事です。

●熱湯消毒

歯ブラシの多くは、ナイロン製の毛先であることが多いため、熱にはあまり耐性がありません。

高熱に晒されることによって起こる、歯ブラシの変形や変質は、洗浄能力の低下の原因となります。

煮沸などの熱湯消毒は、使用している歯ブラシの材質を考慮し、なるべく控えた方が良いでしょう。

●キッチンハイターを使用した殺菌

キッチンハイターには、もちろん殺菌効果がありますが、消毒薬としての作用が強すぎるため、歯ブラシにはおすすめできません。

口内は非常にデリケートなため、劇薬でもある漂白剤などの使用は控えましょう。

洗剤の時と同様に、もし薬品などを使用する際には、成分をしっかりと確認し、安全面を重視しましょう。

洗剤でOK!歯ブラシだけでなくコップやケースも洗おう!

ここまでは、歯ブラシについてのお話をしてきましたが、歯をみがいた後に使う、コップにも目を向けていきましょう。

歯みがきをした後に、口をゆすぐ際、コップを使っている人は多いと思います。

このコップも、きちんと洗わないと水垢が付着し、細菌の温床となってしまう可能性があります。

使用したコップの洗い方は、食器を洗う時と同様に、台所用の洗剤を付けたスポンジを使って汚れを落とすことが基本です。

コップの場合は、キッチンハイターに浸け置きすることも可能ですので、定期的に行うと効果的です。

また、携帯歯ブラシを使用している方は、持ち運ぶ際に入れているケースの洗浄も忘れてはいけません。

特に携帯歯ブラシの場合は、湿った状態で保管してしまいがちなので、菌が繁殖しやすい環境になりやすいのです。

普段自宅で使っている歯ブラシよりも、徹底的にケアすることをおすすめします。

歯ブラシは清潔な状態を維持しよう!

これまで、洗剤や重曹を使用した洗い方や、様々な殺菌方法などについてお話ししてきました。

しかし、いくら歯ブラシを清潔に保っても、歯を磨き終わった歯ブラシの管理にも気を配らなければ、菌を繁殖させてしまう可能性があります。

そのため、以下のことに気を付けて、歯磨き後の歯ブラシを清潔に保ちましょう。

【毛先を下にしてコップの中に入れてはいけません】

歯ブラシの頭を下にして入れてしまうと、残った水分のせいで毛先がいつまでも乾きません。

また、風通しも悪いため、細菌がどんどん繁殖してしまいます。

【複数の歯ブラシを密着させて保管することはやめましょう】

家族で置き場を共有している場合は注意が必要です。

歯ブラシ同士が重なり合うことで、他人の菌が感染してしまう恐れがあります。

できるだけ間隔をあけて、触れ合うことがないように保管しましょう。

また、日頃どんなに歯ブラシケアを徹底していたとしても、残念ながら細菌を完全に消滅させることは不可能です。

ですので、定期的に歯ブラシを交換をすることが好ましいです。

歯ブラシによって寿命は異なりますが、大体1ヵ月を目安に、新品と交換しましょう。

正しい歯ブラシケアで口内トラブルを防ごう!

不衛生な歯ブラシの使用は、様々な問題を引き起こす要因となってしまいます。

歯ブラシの洗い方や除菌、保管方法を工夫するだけでも、口内環境は改善されていきます。

あまり神経質になる必要はありませんが、毎日を快適に、健康的に過ごすためにも、注意していきたいですね。

今回ご紹介した方法を参考にして、自分に合った歯ブラシケアを探してみてはいかがでしょうか。