生活の中で欠かせない歯磨きは、皆さん毎日行っている習慣だと思います。
汚れや歯垢、細菌など、口内は一日の中で絶え間なく汚れており、それを掃除するためには、歯ブラシが清潔であることが大切で、消毒することも清潔を保つ一つの方法です。
消毒と言えば、熱湯消毒をイメージすることが多いと思いますが、そもそも熱湯消毒をしても大丈夫なのでしょうか。
そこでこの記事では、歯ブラシの熱湯消毒についての疑問から、おすすめの消毒方法などをご紹介していきます。
歯ブラシに熱湯消毒はOK?そもそも歯ブラシはどのくらい汚い?
「歯ブラシの消毒方法って?」
「歯ブラシは熱湯消毒してもいいの?」
歯ブラシを清潔に保つために、そんな疑問を抱く方も少なくないでしょう。
その方法や熱湯消毒について知る前に、私達が使っている歯ブラシが、どのくらい汚れているのか知っていきましょう。
まず、私達の口内には、およそ数百万~数十億もの細菌が存在していると言われており、そもそもその口内を磨く歯ブラシが清潔なはずはないのです。
その証拠に、3週間ほど使った歯ブラシには、100万以上~1億以上の細菌が付着しているという研究結果も出ています。
先ほど述べたように、誰の口内にも細菌はいるのですが、その細菌が異常繁殖し、細菌を成り立たせている種類の均等が崩れてしまうと、口臭や歯石、酷くなると歯周病を引き起こす可能性もあるのです。
そのため、口内を掃除する歯ブラシは、できるだけ清潔に保つ必要があり、基本的には、歯ブラシは水洗いと乾燥を習慣的にすることが一番大切です。
そして、そのプラスアルファとして、歯ブラシを消毒することも一つの方法なのですが、間違った方法で消毒をしようとすれば、逆に歯ブラシにとっても、私達の口内環境にとっても、良くない結果となってしまいます。
では、歯ブラシを消毒する方法として、まずは間違ったやり方を見ていきましょう。
歯ブラシのNGな消毒方法!熱湯消毒は大丈夫?
それでは早速、歯ブラシの間違った消毒方法をご説明していきます。
・熱湯消毒
早々に熱湯消毒を挙げましたが、この消毒方法は自宅でも手軽にできてしまうため、ついついやってしまいがちな、間違った消毒方法です。
歯ブラシは熱に弱い素材で作られており、耐熱温度は80度以下になっているものが大半です。
したがって、熱湯消毒は歯ブラシを痛めてしまう原因になるので、熱湯消毒は避けましょう。
・台所用漂白剤による消毒
台所用漂白剤で消毒する方法もあります。
しかし、台所用漂白剤には、次亜塩素酸ナトリウムという成分が含まれています。
この次亜塩素酸ナトリウムは、プールや消毒剤としても使われている成分でもあり、劇薬でもあるのです。
劇薬と聞くと危険に感じますが、当然、台所用漂白剤は使用できるだけの濃度に薄められています。
それでも、一般人が適度な濃度で消毒するには難しいと言えます。
・アルコール消毒
世間一般で知られているアルコール消毒は、歯ブラシの消毒には効果がないとされています。
というのも、歯ブラシに付着した細菌は、アルコールでは消毒効果がみられない菌が大半なため、アルコールでは消毒には期待できないのです。
以上が、歯ブラシのNGな消毒方法です。
また、消毒方法とは別に、歯ブラシを汚れから守るために、歯ブラシケースに入れているという方もいるかと思います。
しかし、それも逆効果で、そもそも歯ブラシを清潔に保つ基本に、乾燥させることがあります。
ケースに入れた歯ブラシの保管は、乾燥させることができずに、細菌が繁殖してしまう原因にも繋がります。
したがって、ケースに入れて保管する場合は、歯ブラシをよく洗って乾燥させてから、保管するのが良いでしょう。
熱湯消毒はNG!歯ブラシの効果的な消毒方法とは?
前項では、歯ブラシの間違った消毒方法をご紹介してきました。
冒頭で疑問を投げかけていた熱湯消毒についても、おすすめできない消毒方法であることが分かりましたね。
ではいよいよ、歯ブラシを効果的に消毒する方法をご説明していきましょう。
・イソジン
うがい薬として処方されるイソジンは、喉の消毒・殺菌するだけではなく、歯ブラシの消毒剤として使用することも可能です。
消毒方法は簡単で、水を入れたコップにイソジンを数滴混ぜ、その中で水洗いした歯ブラシを洗浄します。
このような方法で、歯ブラシに付いた細菌を消毒することが期待されます。
ただ、イソジンは匂いや色が付きやすいので、それを理解した上で使用しましょう。
・ミルトン
ミルトンは、哺乳瓶を消毒するための消毒液で、イソジンと同様に消毒・殺菌効果の期待があります。
歯ブラシの消毒方法としては、イソジンと同じく、水を入れたコップにミルトンを数滴混ぜ、水洗いした歯ブラシを浸しておきます。
ミルトンの場合は、歯ブラシを次に使用するまで、そのまま浸しておくことがポイントです。
つまり、歯ブラシの保管をミルトン液内ですることで、細菌の繁殖を予防することができるのです。
ちなみに、ミルトン液から取り出した歯ブラシは、水洗いせずにそのまま使って問題ありません。
以上が、歯ブラシを消毒するのに効果的な方法になります。
とは言え、歯ブラシを清潔に保つには、消毒というよりも、使用後の歯ブラシの水洗い、乾燥を習慣的に行うことが一番重要で、歯ブラシを消毒することは、プラスアルファ的なより良い方法と考えた方がベターです。
ではそこで、日頃から心がけたい、歯ブラシの水洗いや保管方法についてご説明していきます。
歯ブラシを清潔に保つには!水洗いと乾燥を徹底させる!
これまでに、歯ブラシの熱湯消毒などの間違った方法から、効果的な消毒方法をご説明してきました。
先に述べてきたように、歯ブラシの消毒はプラスアルファとして行い、基本的には、日頃の水洗いと乾燥だけで十分とも言えます。
細菌の温床となる環境は、細菌のエサになる汚れや歯垢が溜まった、そして湿っている環境です。
そんな環境にさせないために、歯ブラシを使った後は十分な水洗いをして汚れを落とし、よく乾燥させることで、細菌の温床となる原因を取り除くことが大切です。
歯ブラシを効果的に乾燥させる方法は、以下にまとめます。
・水洗いした歯ブラシをティッシュなどでよく拭き、水分をとる
・風通しの良い場所で歯ブラシを保管する(日当たりの良い場所だと尚良い)
・携帯用の歯磨きセットを使用している場合は、菌が繁殖しないように、ケース内もよく乾燥させておく
以上が歯ブラシを乾燥させる、よりベターな方法です。
また、歯ブラシがなかなか乾燥しない場合は、2本の歯ブラシを使い分けるやり方も良いでしょう。
そしてそれに加えて、毎日の歯磨きをきれいに・快適に行うためには、定期的な歯ブラシの交換も大切です。
次項で詳しく見ていきましょう。
消毒よりも大切なこと!歯ブラシの交換は定期的に
前項では、歯ブラシを消毒する前に、日頃の歯ブラシの水洗いや乾燥が重要であるとご説明してきました。
辛口に言ってしまうと、「歯ブラシの熱湯消毒などを気にかける前に、日々のメンテナンスをしっかり行っていきましょう」ということです。
また、日々のメンテナンスに加え、歯ブラシの定期的な交換もとても大切です。
基本的に、歯ブラシの推進交換頻度は1ヶ月程度とされています。
と言うのも、歯ブラシで効果的に口内を掃除できる回数限度は、およそ100回と言われており、歯ブラシの毛先も開いてしまいます。
一般的に、1日3回歯磨きを行っているとすれば、1ヶ月には90回ほど使用していることになります。
したがって、おおよそ1ヶ月に達したときが、歯ブラシの交換時期にあたると言えるでしょう。
ただ、1ヶ月の交換が面倒であれば、歯ブラシの毛先の広がり具合で交換することも一つの目安です。
できるだけ1ヶ月前後を目安に交換することが、口内環境や歯ブラシを清潔に保っていく上では重要ですね。
では、歯ブラシの定期的な交換を怠ってしまうと、どのようなことが起きるのでしょうか?
次項で見ていきましょう。
歯ブラシを交換しないとどうなるの?
これまでに、熱湯消毒を含めた歯ブラシの間違った消毒方法、効果的な消毒、そして前項では歯ブラシの交換目安をご説明してきました。
歯ブラシの交換頻度は、おおよそ1ヶ月がベストと先にご説明しましたが、果たしてそのように定期的に交換している方は、どれだけいるのでしょうか。
定期的に歯ブラシを交換するというのも、実際なかなか面倒に感じますよね。
では、そもそも歯ブラシの交換を怠り、長期に渡って同じ歯ブラシを使い続けていると、どうなるのでしょうか?
・汚れを落とす力が40%落ちる
毛先が広がってしまった歯ブラシを、新品なものと比較した場合、歯の汚れを落とす機能がおよそ40%も下がることが分かっています。
また、広がった毛先が歯茎や歯肉を刺激し、傷つけてしまう場合もあります。
・細菌の増殖
歯ブラシを交換せず使うことは、細菌を口内に送り込んでるようなもので、それが口内で増殖した場合、虫歯や歯石、ひいては歯周病の元にもなります。
歯磨き後に歯ブラシを洗っていても、古い歯ブラシを使っていては意味がありません。
以上のように、歯ブラシの定期的な交換をしないと、本来の歯の汚れを落とす機能を失い、口内の環境悪化にも繋がってしまいます。
したがって、歯ブラシの交換は定期的に行っていきましょう。
毎日の歯磨きを快適にするために
歯ブラシを清潔に保つ基本的な方法は、使用した後の水洗い・乾燥、そして定期的な歯ブラシの交換が重要であることが分かりました。
そのプラスアルファとして、歯ブラシの消毒を行っていくことで、更に口腔ケアの向上が期待できます。
ただ、歯ブラシを消毒する上では、正しい方法をよく知っておくことが大切です。
歯の健康を維持できるように、毎日の歯磨きを気持ち良くしていきましょう。