私たちの身体を覆っている皮膚。
スキンケアを皆さんはどのようにしていますか?
「外側」からのスキンケアも大切ですが、身体の「内側」からのケアも大切です。
この記事では、皮膚を内側から強くするために効果的な食べ物についてご紹介します。
食べ物で体の「内側」から皮膚を強く美しく!
肌にこだわる美肌男子も近年増えてきていると言われます。
しかし、スキンケアをあまりしない男性も少なくないのではないでしょうか。
保湿クリームや化粧水などを使った、体の「外側」からのスキンケアをほとんどしない男性にとっての肌対策のポイントは、毎日の食習慣です。
皮膚は日々食べるものからできています。
保湿クリームや化粧水などをつかったスキンケアが苦手な男性でも、正しい食生活を営むことで、「内側」から健康的で丈夫な肌をつくることができます。
「食事は適当でも、サプリメントで栄養を摂れば良いじゃないか!」とお考えになる読者もいるかもしれません。
確かに、栄養素をサプリメントから補給することで健康的な肌を保つことは可能です。
しかし、サプリメントからの栄養素よりも、食べ物からの栄養素の方が、安全に効果が得られるような場合も知られています。
例えば、βカロテンを含んだ緑黄色野菜は病気の予防や健康状態の維持に効くと考えられています。
皮膚においては、βカロテンは粘膜の健康状態を助けシミの原因となるメラニンの産生を抑える効果があることがわかっています。
ところが、いくつかの研究によって、「抽出したβカロテンをサプリメントとして過剰に摂取すると、ぼうこう癌や肺癌の発症率が高まる」ことが示されています。
もちろん、栄養学的な観点に基づいて不足しがちな栄養素のサプリメントを摂取することは大切ですが、栄養素にとらわれないで、どのような食べ物を摂取するかが重要であるといえます。
この記事では、体の「内側」から皮膚を強くするために是非摂ってほしい食べ物についてご紹介します。
皮膚を強くする食べ物〜オメガ3系脂肪酸が豊富!青魚と白身魚〜
皮膚を強くするためにおすすめの食べ物は、魚です。
特に、サバ、イワシなどの青魚やシャケなどの白身魚には、皮膚の健康維持に必要な栄養素が多く含まれています。
ちなみに、「シャケが白身魚?」と思う方もいるかもしれません。
魚は筋肉中の血液色素のミオグロビンの含有量により赤身と白身が分類されていますが、シャケにはミオグロビン含有量が少ないため、白身魚に分類されます。
シャケの身が赤っぽいのは、血液色素の色ではなく、シャケが食べる餌のアスタキサンチンと呼ばれる色素が身を赤くしているからなのです。
これらの魚には、オメガ3系脂肪酸と呼ばれる皮膚のバリア機能を高める脂溶性の栄養素が豊富に含まれています。
オメガ3系脂肪酸は、人間が自分自身では作ることができない不飽和脂肪酸の一種です。
オメガ3系脂肪酸は、表皮層のバリア機能をつくる働きがあります。
これが不足すると、表皮層のバリア機能が低下し、保湿力がなくなります。
その結果、肌の乾燥を引き起こします。
皮膚を強くする食べ物〜青魚と白身魚はビタミンEも豊富!〜
皮膚を強くする働きがあるオメガ3系脂肪酸を多く含む青魚や白身魚ですが、ビタミンEも多く含みます。
ビタミンEは、脂溶性ビタミンの一種です。
ビタミンEは別名トコフェロールとも呼ばれ、食品の酸化防止剤として広く利用されています。
ビタミンEはビタミンCなどの水溶性の抗酸化化合物と共に働いて、紫外線や老化によって引き起こされる、酸化的なストレスから皮膚を守る作用があります。
したがって、ビタミンEも皮膚を強くする栄養素といえます。
ビタミンEそのものも細胞の膜の成分ですので膜の安定化に関わっています。
紫外線や老化などのストレスにより細胞にダメージが加わると活性酸素が発生しますが、活性酸素は生体膜中の多価不飽和脂肪酸などと反応して脂質の過酸化を促進します。
脂質の過度の酸化は細胞の機能や生体の機能を傷害します。
このとき、ビタミンEが充分にあると活性酸素による障害を防ぐことができます。
ビタミンEは他の物質の酸化を抑え、自身はラジカルを吸収して酸化型のビタミンEになります。
酸化型のビタミンEはビタミンCによって元のビタミンEに再生されることがわかっています。
ビタミンCは単独でも抗酸化作用があります。
しかし、油脂類の酸化に対してはほとんど効果を持ちません。
ビタミンEとビタミンCが共存することで生体膜の抗酸化作用が発揮されます。
ところで、ビタミンEは脂溶性なので、体内に蓄積しやすいことがわかっています。
そのため、サプリメントで過剰に摂取することはおすすめできません。
成人男性の1日あたりのビタミンEの必要量は15mg程度ですが、α‐トコフェロール換算で267mg以上のビタミンEを摂取した場合、総死亡率が約1割程度増えることが明らかにされています。
それに対して、食べ物にはどれくらい入っているかというと、ビタミンEが豊富にあるとされる油漬けのイワシでも100gあたりビタミンEが8mg入っている程度です。
したがって、食べ物から摂取する程度ではビタミンEの摂取過多になることは無いでしょう。
以上の理由から、青魚や白身魚を普段からの食事に取り入れることをオススメします。
皮膚を強くする食べ物・アボカドは良質な脂質とビタミンCとビタミンEが豊富!
次にご紹介する皮膚を強くするために是非食べて欲しい食べ物は、アボカドです。
アボカドには皮膚を強くする作用があるリノール酸やオレイン酸など良質な脂溶性の栄養素が豊富に含まれています。
良質の脂溶性物質を摂取することで、皮膚に柔軟性と保湿効果をもたらします。
アボカドにはビタミンEも豊富に含まれています。
ただ、上でご紹介した青魚や白身魚とは違って、アボカドにはビタミンCも豊富に含まれています。
繰り返しになりますが、ビタミンEはビタミンCと共存することで、抗酸化作用を発揮することができます。
アボカドを食べることで一度にこれらの抗酸化作用物質を摂取できるので、強くて健康な皮膚を作るのにはとても良い食べ物と言えます。
アボカドにはタンパク質を新しく作るのに必要なビタミンB群も豊富に含まれています。
特に、ビタミンB6とビタミンB9(葉酸)が多く含まれています。
ビタミンB6は、アミノ酸からタンパク質を合成するのを助ける働きがあります。
葉酸は、遺伝情報を持っているDNAなど、核酸の合成を促進します。
これらの栄養素は新しい皮膚細胞を作り出すのに必要です。
また、造血を促進するので、皮膚に流れる血液が健康的になり、肌を強くすることにつながります。
このほかにもアボカドには亜鉛などのミネラル分も豊富に含まれているので、皮膚にはとても良い食べ物と言えるでしょう。
皮膚を強くする食べもの〜玄米〜
炭水化物というと、お米やパン、うどんなど、「白い炭水化物」を思い浮かべる方も多いと思います。
炭水化物の中には「茶色い」炭水化物が存在します。
代表的なのが玄米です。
玄米など茶色い炭水化物も皮膚を強くする食べ物です。
炭水化物をとるときに茶色い炭水化物をとることを意識することで、肌の調子がぐっと良くなります。
これは、茶色い炭水化物は血糖値が上がりにくいという特徴があるからです。
皮膚の一番下の層は皮下脂肪になっています。
皮下脂肪が多くなりすぎると、皮膚に「たるみ」や「膨張」をもたらしてしまいます。
急激な血糖値上昇を抑えることで、脂肪の蓄積抑えることができます。
白米の代わりに玄米を主食に取り入れることで、皮下脂肪が多くなりすぎないようにできます。
皮膚を強くする食べ物〜オリーブオイルには抗酸化物質がたくさん!〜
最後におすすめするのがオリーブオイルです。
オリーブオイルには、オレイン酸など良質な脂溶性の栄養素が豊富に含まれています。
したがって、オリーブを食べることで、皮膚を柔らかくし、肌に潤いをもたらす効果があります。
さらには、オリーブオイルにはビタミンEやβカロテン、ポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
皮膚は新陳代謝して、日々再生しています。
抗酸化物質で皮膚を酸化ストレスから守ることで、皮膚の再生を効率的にすることができます。
皮膚が新しい細胞で満たされることで、皮膚が強くなります。
しかし、オリーブオイルにはビタミンCなどの水溶性のビタミンはほとんど含まれていません。
オリーブオイルを、トマトなど、ビタミンCが豊富な野菜と併せて料理に使うことで、肌を強くするための食べ物になります。
強い皮膚を作るのに効果的な食べ物を取り入れた食生活を!
いかがでしたか?
脂溶性ビタミンが豊富な青魚や白身魚、良質な脂質に富んだアボカドやオリーブオイル、急激な血糖値上昇を抑える効果のある玄米についてご紹介しました。
ここでご紹介した食べ物をうまく普段の食事に取り入れて、健康で強い肌づくりを心がけてみてはいかがでしょうか。