インプラントで保険適用が可能に?アフラックでも出来るの?

2012年の先進医療の規程改訂が行われました。

これにより「これまで保険適用外とされていたインプラント義歯による治療が保険適用内に変更された。」

という話がまことしやかに流れています。

しかし、一方では、「いやいやインプラントは含まれていない」とする意見も!

いったいどっちなのか?

アフラックなどの保険会社もこの対応に奔走したようですね。

果たして実際にはどうなのでしょうか?

インプラントとは

「インプラント」という言葉に聞き覚えがある方は多いと思います。

何となく、人口の差し歯というイメージで理解されている方が多いのではなうでしょうか。

そもそも「インプラント」とは、体内に埋め込む医療機器の総称なんです。

したがって、「ペースメーカー」や「人工関節」「シリコン素材」など全てインプラントなんです。

差し歯的ニュアンスで感じ取られているインプラントも実は、顎の骨に埋め込む人工歯根のことを指します。

正式には「歯科(デンタル)インプラント」または「口腔インプラント」と称されるのです。

ただし、ここでは以降「インプラント」と表現していきます。

インプラントは基本的に「歯根部(インプラント体)」、その上に取り付ける「支台部(アバットメント)」、歯となる「人工歯(上部構造)」の三つのパーツで成り立ちます。

歯が抜けてしまった部分をこのインプラントで補てんするのですが、このインプラントを施す行為が今までは保険適用外でした。

しかし、改訂により先進医療となる場合には保険適用内となることになったのです。

これによりアフラックなど先進医療をカバーする保険加入者が「インプラント施術が保険で対応可能になる!」色めき立ったのです。

【インプラントが保険適応、その意味するところ】

少し余談になりますが、インプラントが保険適用になるということには、費用が安くなるというメリット以外に、インプラントの安全性と有用性が認められることになります。

危険性などを指摘されたインプラントにとっては意味のあることになります。

アフラックも保険対応している「先進医療」

それでは次にこの改訂されたという「先進医療」についてご説明しておきましょう。

先進医療の定義としては、まずはこれを実施する医療機関が厚生労働大臣の定める基準をクリアしていなくてはなりません。そしてその施設で行われる最新技術を用いた医療行為でかつ厚生労働大臣が施設同様に認めたものになります。

この先進医療においては、患者の「安全性の確保」と「金銭的負担の緩和」という2つ観点から、公的な保険診療との併用を国も認めています。

これにより患者側も治療の選択肢が増えるなど利便性も高くなります。

つまり、要約すれば、国が認めた医療機関で、国が認めた最新技術を用いた治療のことです。

そして、公的な保険の対象外であり全額が自己負担ということになります。

この先進医療にインプラントが認められ、更に保険適用の対象になるという情報が独り歩きしアフラックなどの先進医療対応保険加入者にも漏れ伝わったようです。

先進医療でインプラントも保険適用に!?

前述のようにインプラントの治療費は原則全て実費となります。

しかし、噂のようにこのインプラント治療が規程の改正により健康保険が使えるようになりました。

ただし、それは症例によってのものです。

正しくは、「症例によってはインプラント治療も保険適用となります」ですね。

その症例とは次になります。

「外傷や癌等の病気で顎骨を失いその部位に骨移植をおこなった場合」

「先天的に歯や顎骨を欠損している場合」

などです。

更に、保険診療を行うことの出来る医療機関は、入院のできる病院などの国の定めた施設基準を満たす必要があります。

【国の定める施設基準】

•歯科または歯科口腔外科の病院である

•上記治療に5年以上の経験がある、または、インプラント治療の経験が3年以上ある医師が2名以上常勤配置されている

•当直体制が整っている

•医療機器や薬品の安全確保が整っている

などです。

つまり、どこの医療機関でも施術を受けられるというものではないのです。

しかし、これら詳細の部分はあまり伝わらず、「インプラントの保険適用」という部分が先行して伝わってしまいました。

アフラックなどの先進医療保険を扱う保険会社には、問い合わせが殺到したようです。

インプラント治療の保険適用に対するアフラックの回答

これを受け、アフラックではインプラント治療の保険適用に関する回答をホームページ上で発表しております。

掻い摘んでご説明しますと次のようになります。

「改定により、インプラント治療も保険対象になったのか?」という質問に答えたものです。

アフラックサイドの回答としては「インプラント義歯治療は現時点において特約における保障対象にはなっていない」と明確にしています。

その後は、詳細説明が続くのですが、通常のインプラント治療における保険適用はない旨をはっきりと明言しています。

勿論、先進医療における施術時には、それ相応の対応となるのでしょうが、通常におけるインプラント治療は保険対象外とはっきりと明言しくぎを刺しています。

インターネット上には、インプラント治療はアフラックで対応可能というような見出しが躍っています。

アフラックの保険でインプラント治療がまかなえる?

では、アフラック加入者がインプラント治療をアフラックの保険でまかなうことが出来るのでしょうか?

また、そうなるにはどのような場合なのでしょうか?

それにはまず加入している保険の種類が、先進医療特約などの先進医療に対応していることが必要です。

そして、インプラント施術の必要性が、【癌や交通事故によるもので、顎の骨を損失して移植手術を施した際にインプラント治療を施す】。

この事例にあてはまれば、インプラント治療部分がまかなえる可能性があります。

通常の歯科治療におけるインプラント治療や美的要因におけるインプラント治療では、今まで通り実費でしか対応は出来ないと思います。

勿論、この事例をアフラックに直接聞いたわけではありませんので、あくまでも可能性の話になります。

しかし、ここまでの大手術になれば、インプラント治療程度の話ではなくなり先進医療特約で充分保証されているようにも思いますね。

インプラント治療の可能性のあるアフラックの保険と他の民間保険!

前項でアフラックの保険加入者がインプラント治療を保険でまかなう場合の条件として、保険の種類が、先進医療特約などの先進医療に対応していることが必要としました。

では、実際にアフラックの先進医療対応の保険にはどのようなものがあるのでしょうか。

アフラックにおいては、「医療保険EVER」シリーズがこれに当てはまると思います。

これはテレビCMでもお馴染みかと思います。

この「医療保険EVER」シリーズに「総合先進医療特約」をプラスするとある程度はカバー出来ると思いますよ。

また、アフラックには「がん高度先進医療特約」というのもあります。

<21世紀がん保険 メディカルチェックプラス>

<新・健康応援団MAX メディカルチェックプラス>

などがこれに当てはまります。

いずれの場合も、きちんと確認されることが必要です。

それでは、他に民間の保険でインプラント治療を安く出来るものはあるのでしょうか。

正直なところ、いずれの保険会社でも「インプラント治療」を保証対象とするものはあまり見かけません。

しかし、1つだけ見つけたものがあります。

アメリカンエキスプレスの「マイデンタル」がそれになります。

一部金額補助程度の内容ですが、珍しく歯科治療の自由診療をカバーするものです。

気になる方は是非一度確認されてみてはいかがでしょうか?

まだまだ遠いインプラントの保険適用

今回、インプラントの保険適用についてご説明してきました。

アフラックなどの先進医療特約に加入されている方には、ほんの少し朗報ということでしょうか。

まだまだ、インプラントの保険適用への道のりは遠いようですが、インプラントの安全性は示されたともいえますよね。

今はこれを朗報としておきましょう。

インプラントは美的観点も含め素晴らしい施術だと思います。

一度確認してみたらいかがでしょうか?