炭水化物を制限したメニューにすることで、ダイエットや糖尿病の予防をしようという方が増えています。
「糖質制限」という言葉もよく聞きますよね。
ダイエット方法にはブームがあり、「抜く」「制限する」という方法は、いずれは廃れることが多いです。
しかし、糖質を抜くのではなく制限するだけなら、それまで摂りすぎていた方にとっては、健康的なダイエット方法とも言えます。
ここでは、炭水化物と糖質の違いや、ダイエットの危険性、おすすめ料理などをご紹介しています。
飲食店でも発見!炭水化物を制限したメニュー
炭水化物を制限したメニューは、飲食店でも見かけることが増えています。
糖尿病やメタボ体型の方以外でも、炭水化物を控えてタンパク質や野菜を摂取するようになり、体質改善やダイエットに成功した、という声を多く聞きます。
ご飯や麺類、小麦粉を使った食べ物、パン、スイーツなどは、それだけを食べても満足感を感じやすいものですが、強い体づくりには他の栄養素も不可欠です。
飲食店で、炭水化物を他の食品と置き換えた有名なメニューと言えば、モスバーガーの「菜摘(なつみ)」でしょう。
「パンを野菜にチェンジしてレタスで肉を挟む」という斬新な発想がウケて、今や定番のメニューになりつつあります。
モスバーガーでは、デザートに豆乳が使われていたり、肉をソイパティにすることができたりと、健康志向なメニューに定評があります。
また、大手回転寿司チェーン店でも、シャリを野菜にしたお寿司が考案され、あるラーメン屋でも、麺抜きで肉だけのメニューが登場するなど、さまざまな工夫がされています。
コンビニも健康志向に!炭水化物以外の商品
少し前は、コンビニでタンパク質を摂りたいと思うと、揚げ物や小さなお惣菜くらいしかなくて、塩分と油も同時に摂る覚悟を決めないといけませんでしたよね。
しかし、ヘルシーにタンパク質を摂取できる商品が注目を集め、焼き鳥などに力を入れるコンビニも見かけるようになりました。
一時期ブームになった商品といえば、「サラダチキン」です。
真空パック入りになっている蒸したチキンで、少し塩っ気のあるプレーン味、スモーク味、ハーブ味などの種類があります。
温めなくても食べられて、質の悪い油も含まれておらず、パサパサしてもいないので、テレビや雑誌でこぞって紹介されて、定番商品の仲間入りを果たしました。
また、糖質麺や低糖質パンなども増え、炭水化物制限メニューを選びたい方に嬉しい商品が多くなっています。
ここで「糖質」という言葉が出てきましたが、「炭水化物を減らそう!」と考えている方に、ぜひ知っていただきたい情報がありますので、次項でご紹介します。
炭水化物の制限と糖質制限!その違いって?
炭水化物の制限と、糖質制限。
この2つは非常に似ているのですが、違いもあります。
炭水化物は、脂質やタンパク質とあわせて3大栄養素と呼ばれ、エネルギーのもとになります。
これが多すぎれば脂肪になり、生活習慣病のリスクが高まりますが、少なすぎると頭がうまく働かなくなったり、体内のタンパク質が分解され始めてしまい、疲れやすくなることがあります。
この炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されています。
すなわち糖質とは、炭水化物の一部でもあるのです。
炭水化物の中でも食物繊維の多いご飯などを制限したメニューを食べる場合、食物繊維の摂取量まで減ってしまうことになります。
「糖質制限ダイエット」だからと、単純に炭水化物を抜いてしまうと、体に必要な栄養素が不足する可能性もあるため、注意が必要です。
また、糖質と一口に言っても、たくさんの種類があります。
乳糖、ブドウ糖、でんぷん、オリゴ糖、糖アルコールなどの中には、腸のはたらきを良くしたり、難消化性のものもあります。
2種類の食物繊維をメニューに取り入れよう
炭水化物に含まれる食物繊維は、便秘解消やダイエットに効果があり、肉や魚を食べたときは多く摂りたい栄養素です。
食物繊維には、水溶性と不溶性があります。
水溶性食物繊維は水に溶け、海藻やこんにゃく、果物に含まれることが多いです。
水に溶けてゲル状になることで満腹感が持続し、血糖値を安定させ、血中コレステロールの上昇を抑えます。
そして、不溶性食物繊維は、大豆製品やゴボウ、穀類に含まれます。
水に溶けませんので、水分を含んで膨らむと、腸を刺激して排便をうながしてくれます。
また、よく噛まなくてはいけませんので、食べすぎることも防げます。
水溶性食物繊維より、少し多めに不溶性食物繊維を取り入れたメニューにすれば、より健康的にダイエットすることができます。
この2種類の食物繊維は、どちらか片方だけを摂取すれば良いというわけではなく、できれば、どちらも摂りたいものです。
炭水化物を制限したら、その分サラダや煮物、味噌汁などで食物繊維を増やしたメニューにしましょう。
炭水化物や糖質を減らしすぎるとどうなる?おすすめメニュー
炭水化物を制限するダイエットは、内臓脂肪がつきやすい男性には向いているダイエットだと言えるでしょう。
一般的には、女性の方が甘いものを好きなイメージがあり、間食もしがちになるため、男性の方が我慢しやすく挑戦しやすい、とも考えられます。
努力が結果に結びつきやすい、というのもメリットの1つです。
しかし、炭水化物や糖質を抜くダイエット方法には危険性もあります。
糖質を極端に減らしたり、抜いたメニューを食べ続けると、脳機能や腎臓、肝臓、腸などにトラブルが発生する可能性があるのです。
集中力が切れやすく、仕事や勉強などの効率が下がる他、うつ病や不眠症などのリスクもあります。
また、炭水化物を抜きすぎるとケトン体が過剰につくられ始め、口臭や体臭がきつくなるかもしれません。
したがって、ご飯を抜くよりは、玄米にしたりビタミンB1を多く含む穀類を混ぜて炊いてみたりする方が、より健康的です。
玄米を炊くのは大変ですが、例えば大麦などを混ぜて麦ごはんにすることで、食感の違いも楽しめてダイエットにも有効なメニューが完成します。
麦ごはんのおすすめレシピは簡単で、お米2合をとぎ、そこに大麦50gの割合で混ぜ、水を400cc加えて30分浸水させてから炊きます。
ぜひお試しください。
炭水化物制限メニューの一例
「炭水化物を制限したメニューを家で作りたい」という方は、糖質を極端に減らしすぎず、一回の食事で30g~50g程度は摂って良いことにしましょう。
そして、良質なオイルやクリームで満足度をアップさせ、タンパク質をしっかりと摂ります。
下記にメニューの一例をご提案させていただきますので、参考にしてください。
【美味しく炭水化物制限!和食メニュー】
・麦ごはん
・鮭のホイル焼き
・しめじと牛肉の甘辛炒め
・ゴボウサラダ
・小松菜のごまマヨネーズあえ
・ワカメと油揚げの味噌汁
ポイントは、炒め物にはオリーブオイルやエゴマ油など良質な油を使い、味付けは濃くしすぎないこと、野菜やキノコをたくさん取り入れることです。
ちなみに、ご飯はお茶碗半分、食パンなら6枚切りを1枚、パスタなら乾麺40gが目安です。
お酒を飲む場合も、糖質オフのものを選ぶことができます。
しかし、このメニューで体に異変を感じたりイライラが続くようなら、あまり無理はせずに「ご褒美の日」を設けたり、低糖質のデザートを食べたりしてみましょう。
また、血糖値だけのことを考えれば、運動不足やストレス、加齢、体調不良、カフェインや喫煙、ステロイドなどでも上がりがちになります。
食生活だけではなく、他の側面から見たアプローチも必要でしょう。
炭水化物は敵じゃない
「今までの、だらしない自分を変えたい!」
そう思うときに、食べすぎていたお菓子をやめたり、炭水化物だけだったメニューを見直したりするのは、とても良いことです。
糖質を上手に控えることができれば、仕事や趣味でのパフォーマンスも良くなりますし、運動をすることで引き締まった体を目指せます。
しかしながら、極端に制限しすぎると内臓に負担がかかったり、体臭が強くなったりすることもありますので、ほどほどにする意識を持って取り組んでください。