男性の皆さん、日頃から歯のチェックをしていますか?
会話中や笑った時など、口元から覗く前歯は、意外と人の目に入るものです。
前歯の隙間に黒い点があったり、全体的に黒ずんでいたりすると「清潔感に欠ける」と感じられ、印象が良くありません。
綺麗な歯で、思いっきり笑ったり会話を楽しみたいものですよね。
こちらでは、清潔感のある口元を目指すために、前歯の隙間が黒くなる原因と、その治療法や予防法をお伝えします。
前歯の隙間にできる黒い部分って何?これって虫歯?!
人と会話していて、前歯の隙間に黒い点が見えたりすると、そこに目がいってしまいがちですよね。
「どんなに素敵な男性でも、前歯に黒い所があったりすると引いてしまう」という女性の意見も多く、歯の清潔さには、その人の印象を決定付ける大きな要素があるようです。
前歯を気にして隠しながら会話や笑顔を作るようでは、男らしくありません。
明るく清潔感のある白いキレイな歯で、堂々と人と接したいものです。
また、その前歯の黒い部分が虫歯であったなら、口内環境のためにも早めの治療や対処が必要となります。
前歯の隙間にできる黒い部分は、すべて虫歯なのでしょうか?
実は、虫歯ではなく「黒い歯石が溜まっている」場合もあるのです。
歯と歯茎の間の磨き残しで、歯石が溜まると黒くなることがあります。
歯の隙間は食べ物が挟まりやすく、歯磨きもブラシの毛先が届きにくいため、汚れが溜まりやすく、虫歯や歯石の問題が起きやすい部分なのです。
では、どのようにして虫歯や歯石は黒くなっていくのでしょう。
次項では、まず、なぜ虫歯は黒くなるのかその原因を詳しくご説明します。
前歯の隙間に黒い虫歯が!虫歯はなぜ黒くなる?
前歯の隙間に黒い虫歯があると、歯の白さと対照的な色のためにひどく目立ち、口元の印象にかなり影響を与えるものです。
「虫歯は黒い!」というイメージが強いですが、実際の虫歯は、クリーム色から黄色い色をしていることが多いです。
虫歯の色に変化が起きる原因は、その虫歯の進行度によって、色の変化のスピードが変わるからです。
では、なぜ虫歯は黒くなってしまうのでしょう。
虫歯が黒くなるのは、虫歯の部分に何らかの「色素」が沈着した結果と考えられます。
どのように色素沈着が起こるのか、虫歯ができる過程からご説明します。
虫歯ができる過程では、まず、虫歯菌(ミュータンス菌など)が歯に付着し、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊を作り出だします。
歯垢(プラーク)は、白や黄白色のネバネバしたもので、中に存在する細菌は食べ物などの糖分を栄養源にして増殖します。
このときに、細菌は強力な酸も一緒に作り出します。
この酸が歯を溶かし、歯に穴を空け虫歯になるのです。
酸が歯の成分であるカルシウムやリンを溶かすことを「脱灰(だっかい)」といいます。
虫歯が黒くなるのは、この脱灰を起こした後に、何らかの黒い色素が沈着したと考えられます。
脱灰の後、唾液に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルが歯を再生に導き、「再石灰化」を促します。
この再石灰化の際に、何らかの黒い色素を巻き込み、色素が定着して黒くなると考えられます。
前歯の隙間の黒い部分は歯石の塊かも?!
前述したように、前歯の隙間などで目立つ「黒い虫歯」は、初期の虫歯が「再石灰化」する際に、黒い色素を巻き込み定着させてしまったものと考えられます。
虫歯の進行スピードが速ければ、黒くなる間もなく、黄色がかった虫歯になり穴が空いていくこともあるのです。
このように、前歯の隙間が黒い原因が「虫歯」の場合は、初期の虫歯に色素が沈着して黒く見えることが分かります。
前にもお話したように、歯が黒くなる原因にはもう一つ、「歯石」が関係している場合があります。
前歯の隙間によく見られる黒い点は、その多くが「黒い歯石」といえます。
では、なぜ歯石は黒くなることがあるのでしょう。
歯石は、細菌の塊である歯垢(プラーク)が、唾液と反応して、石のように硬くなったものです。
歯磨きが行き届かず残った歯垢(プラーク)は、たった2日で歯石に変わってしまいます。
石のように硬くなった歯石は、いったん付いてしまうと歯磨きだけでは取り除くことができません。
歯石は歯垢(プラーク)と同様、普通は白や黄白色の色ですが、歯周病になっていると歯茎から出血が見られ、その血で歯石が黒く染まります。
このように、前歯の隙間が黒い原因が「歯石」の場合は、歯石に歯茎からの出血の色素が混じり黒くなっていることが分かります。
前歯の隙間にある黒い部分を除去するには?
前歯の隙間など目立つところに、黒い虫歯や歯石があったら、除去したいですよね。
これらは、それぞれに適した施術で、取り除くことが可能です。
●虫歯で黒い場合
虫歯により歯の隙間が黒くなっている場合は、歯科を受診し、虫歯の部分を削って白い詰め物で塞ぎ治療します。
ただ、歯の隙間だけでなく、奥の方まで虫歯が進行している場合には、歯の根を残してセラミッククラウンなどの人工歯を被せる施術となります。
●歯石で黒い場合
歯石により歯の隙間が黒くなっている場合は、虫歯と同様に歯科でのクリーニングの施術が必要となります。
歯石は歯に固くこびりついているため、歯磨きでは落とすことが不可能です。
必ず専門の歯科でクリーニングしてもらいましょう。
また、「歯に隙間がある」、「歯並びが悪い」など、歯の磨き残しが起きやすい歯の場合は、日常の歯磨きだけではケアしきれないので、定期的に歯科で歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
定期的な専門のケアで、改善や予防が期待でき、常にキレイな歯を保つことに繋がります。
前歯の隙間に黒い部分をつくらないためにできること!
歯並びが悪いことは、歯の隙間が大きいため汚れが溜まりやすかったり、ジグザグな歯並びで歯ブラシが行き届かず磨き残しが多いなど、歯に黒い部分が発生する一番の原因になります。
このような場合には、歯並びを矯正することで改善が期待できます。
歯並びの矯正には、セラミック矯正やワイヤー矯正、ラミネートベニアなどがあるのでご紹介します。
●セラミック矯正
これは、まず歯を削って土台を作り、そこにセラミッククラウン(歯の白さに似せた被せ物)を被せて歯の大きさや向きを整える矯正方法です。
数ヶ月で施術は完了し、周りの人に分からないように行うことができます。
●ワイヤー矯正
これは、歯にワイヤー製の矯正器具を取り付け、数年かけて少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。
●ラミネートベニア
これは、歯の噛み合わせには問題なく、歯の大きさが小さい場合の矯正に適しています。
歯の表面をわずかに削り、歯の大きさを調整しながらセラミックのチップを貼り付ける方法です。
ご紹介したように、歯科で綺麗に治した前歯などの隙間の黒い部分を、また黒くさせないためには、思い切って矯正することで歯並びを整え、歯全体をケアすることもおすすめです。
興味のある方は、歯科に相談に行かれてみてはいかがでしょう。
前歯の隙間に黒い部分をもう作らない!自分でできる毎日のケア
これまでお話してきたように、前歯などの隙間に黒い部分ができてしまうのは、虫歯も歯石も「磨き残し」が大きな原因でした。
すでにできてしまった黒い部分は、歯科で施術してもらうしかありませんが、綺麗に治した後は、また黒い部分を作らないように、自分で毎日ケアすることが大切です。
どんなことに注意して歯のお手入れをすればよいのかを、正しい方法とそのコツをご紹介していきます。
【歯ブラシの正しい使い方】
歯ブラシは、ブラシ部分がコンパクトか細めのもので、毛が細く、柔らかいものを選びます。
歯の隙間にしっかり入り込むように、歯の外側ではまっすぐに歯ブラシを当て、内側では45度に当てるよう意識し、小刻みに動かして磨きます。
次は、デンタルフロス(糸ようじ)の使い方です。
食べカスや歯垢(プラーク)は、歯の隙間に溜まりやすいものなので、歯のお手入れでは歯磨きよりも「デンタルフロス」の方が重要になってきます。
【デンタルフロスの正しい使い方】
デンタルフロスは45cmくらいに切り、指にくるくると巻いて固定し使用します。
持ち手もあるタイプよりも糸を指に巻くタイプの方が、使うのに適した長さにでき、糸の強度がちょうど良く切れることも少ないので、汚れをうまく落とせます。
指の腹を使って、ノコギリを引くように隙間に入れ、左右交互に歯の側面に糸を当てて、汚れを擦るように動かします。
歯磨きは毎日、デンタルフロスは3日に一度は行うことをおすすめします。
白く輝くキレイな歯で、好印象を与えよう!
口元は、人に意外と見られているものです。
白い歯で綺麗な口元は、それだけで清潔感が感じられ、人は好印象をもちます。
この記事を参考に、自分の歯をもう一度よくチェックし、適切なケアで清潔感のある素敵な口元を目指しましょう!
歯の隙間に黒い部分ができていなくても、綺麗で健康的な歯のために、これを機にぜひ一度歯科を受診してみてください。